部門の概要

内視鏡部には医師23名、看護師11名が従事しており、内視鏡検査は内視鏡部・消化器病センター、そして炎症性腸疾患センターとの混成チームにより施行され、全科の患者さんの検査・治療を担当しております。近年では検査件数が年々増加しており、2023年度は上部消化管内視鏡検査約6200件、大腸内視鏡検査約3400件を実施しております。

当院内視鏡部の特徴は、消化器がんを中心とする内視鏡診断や内視鏡治療を数多く行っていることで、常に新しい技術を取り入れ診断・治療に反映させています。近年、内視鏡検診の普及などにより、多くの消化器のがんが早期に発見されます。当院では食道・胃・大腸の早期がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という治療法を早くから導入し、胃・大腸のESD件数は全国でもTop10に入る症例数をほこります(2023年3月現在)。また、2020年に再保険収載された十二指腸がんに対するESDも現在まで100例を超えており、実績と経験があります。診断に関しては、全例NBI(Narrow Band Imaging)やTXI(Texture and Color Enhancement Imaging)といった特殊光観察を併用し、常にクォリティを求めています。
2021年に入り、「胃粘膜下腫瘍に対する内視鏡切除」が先進医療として当院で認可され、今までは外科治療が主であった、胃のGISTなどに対する治療が、内視鏡治療のみで切除可能となりました(適応に関しては厳密な基準があります)。その一方で、外科との連携で行うLECSといった手術も数多く施行しており、外科との密な連携も当院の内視鏡部の特徴の一つです。

また、以前は観察困難であった小腸を検査するためのカプセル内視鏡システムも導入し、患者さんの負担の少ない小腸検査を行っております。さらに、カプセル内視鏡検査で小腸に病気が見つかった際には、ダブルバルーン式小腸内視鏡検査によって小腸疾患の診断および治療を行っております。

従来、内視鏡検査は辛いというイメージをお持ちの方が多いと思われますが、必要に応じて適切な麻酔を用いて苦痛の少ない内視鏡検査を行っております。さらに、当院では内視鏡検査を担当する医師の中に女性医師が比較的多いことも特徴の一つであり、女性の患者さんでも大腸内視鏡検査を受けやすい診療体制を整えております。また、日本消化器内視鏡学会ガイドラインに則り、検査に使用される内視鏡スコープは一人の検査が終わるごとに洗浄・消毒を行っており、安全に検査を受けていただけます。
患者さんの病気の治療だけでなく、安全性の担保と安心な医療を提供できるように心掛けながら、多職種で連携して検査および治療にあたっております。
治療の内容や実績に関する詳細は、消化器病センター内科のホームページをご参照ください。