先進医療
先進医療とは
「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。
具体的には、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたものです。
なお、先進医療については、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用を認めたものであり、実施している保険医療機関から定期的に報告を求めることとしています。
当院では、以下のものが承認されています。
1.内視鏡的胃局所切除術(令和3年3月1日承認)【消化器病センター】
胃粘膜下腫瘍のうち経口的に回収が可能なサイズ(長径1.1cm以上、かつ3cm以下)のものに対して、経口内視鏡のみを用いて治療を行います。従来の治療法とは異なり腹部を切開する必要がなく、胃壁の損傷も最小限で済むことから、患者さんの負担の軽減が期待されます。
2.術後のアスピリン経口投与療法 下部直腸を除く大腸がん(ステージがⅢ期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)(平成30年11月1日承認)【消化器病センター】
StageⅢ(UICC-TNM分類 第7版)の下部直腸を除く大腸癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治療切除患者を対象とし、術後補助療法として低用量アスピリンを併用することが、プラセボに対して、無病生存期間において優れていることを検証します。
3.タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養(令和4年5月1日承認)【生殖医療センター】
胚移植を必要とする不妊症の患者を対象とし、培養器に内蔵されたカメラによって、胚培養中の胚を一定間隔で自動撮影し、培養器から取り出すことなく、正確な胚の評価を行います。
4.子宮内膜擦過術(令和4年5月1日承認)【生殖医療センター】
胚移植を受ける不妊症患者のうち、これまで反復して着床・妊娠に至らない患者を対象とし、胚移植を行う予定の前周期に子宮内膜のスクラッチ(局所内膜損傷を与える)を行い、翌周期に胚移植を行うことで、胚盤胞移植における妊娠率の向上が期待できます。