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連携NEWS「最先端前立腺癌治療とロボット支援手術の導入」

2023年2月24日公開

泌尿器・腎移植科に関して

平素より、当院泌尿器腎移植科への診療にご協力いただき、ありがとうございます。当科は泌尿器科のいわゆる内科疾患から外科疾患まで幅広く対応させていただいております。また、患者様の多くが高齢者であること、そして、前立腺癌などはたとえ遠隔転移があったとしても5年生存率が50%程度見込めるなど、長期にわたって付き合っていく疾患のため、患者数の増加の一途を辿っております。当科では、泌尿器悪性腫瘍をはじめとして、他院では難しい専門的な疾患も取り扱っております。前立腺癌や尿路上皮癌における新規薬剤の治験や臨床試験、腎移植、小児泌尿器、抗凝固剤を継続したままの前立腺レーザー手術、難治性のレーザー結石砕石なども積極的に行っております。そして、昨年度より最新のロボット支援手術機器であるda Vinci Xiを2台導入し、前立腺全摘除術・腎部分切除術などを行っております。

当院へのご紹介に関して

当院への新患の初診予約に2-3ヶ月ほどお時間をいただいている状況です。初診予約枠を増やしたいところなのですが、人員的にこれ以上増やすことができなく申し訳なく思っております。一方で、悪性疾患など比較的早期に手術適応などある患者様に対しては、医療機関から予約および診療情報を事前にいただくことで、通常よりも早く予約をできる枠を新たに設けさせていただきました。こちらは2週間程度で予約が取れるように設定しております。医療機関から当院の地域連携にお電話いただければ、こちらの優先枠で予約をお取りするようにしております。また円滑な診療のため、診療情報提供書を患者さんの受診日前にお願いしております。

通常診療から最先端治療まで、地域泌尿器科クリニックと進む前立腺癌診療

前立腺癌は前立腺内にとどまる局所癌と遠隔転移を認める転移性前立腺癌で大きく診療が変わっていきます。当院では、局所癌に対してはロボット支援手術をはじめとして、放射線治療科とともに放射線治療、またホルモン療法などを行っております。一方で、きちんとした治療を受ければ、前立腺癌の局所癌に関しての5年生存率は98%と言われるほど比較的治療成績が良くなっております。特に手術適応のある患者さんに関しては、ロボット支援手術による根治を目指せることから積極的に治療を進めております。一方で、遠隔転移を認める転移性前立腺癌は、5年生存率が50%程度と他の癌種に比べると悪くはないものの、患者さんにとって満足できる治療成績ではないのも事実です。そのため、当科ではエビデンスのある治療を患者さんにきちんと提示した上で、最善の治療を行っております。その中で中心となるのがホルモン療法になりますが、ホルモン療法が数年で効かなくなることが多く、その状態を去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼びます。このCRPCの平均予後は3年程度であり、当科ではエビデンスのある治療に加えて、臨床治験に該当する患者さんに関しては、治験という枠組みなどを利用した治療を進めております。

ロボット支援手術による更なる低侵襲治療へ

当院では一昨年よりda Vinci Xiシステムを用いたロボット支援手術を開始し、現在週2−3件、前立腺全摘除術と腎部分切除術を行っております。今後、現在保険適用のある副腎摘除・腎摘除・腎尿管全摘除術・膀胱全摘除術などに向けて準備を進めております。一方で、手術の待機時間の関係で腎摘除術・腎尿管全摘除術に関しては、従来の腹腔鏡手術でもロボット支援手術に近い効果が得られるため、患者さんの状態に応じて最適な治療を提案させていただいております。4月以降はコロナ診療などによる手術制限や多くの患者さんをご紹介いただいた需要にお応えするべく、1日2件の手術件数を行えるよう準備をしている状況です。
前立腺手術は骨盤の奥の手術操作が多いため、ロボット支援手術のメリットを十分発揮できる手術になります。ロボット支援手術も元々は前立腺手術を安定して行うために開発され、日本でも最初の保険診療として認可が出た手術になります。手術時間の短縮・合併症の低減の報告は多いですが、それ以上に骨盤内の細かな操作ができるため、手術後の大きな問題であった失禁などの排尿障害の低下が患者さんのQOL改善に大きく寄与する手術となっております。

腎部分切除に関しては、腎機能の温存ができることが最大のメリットになっております。ガイドラインに関しても4cm以下のT1a腫瘍に関しては、腎部分切除術が優先される治療となっております。一方で、腎部分切除術は腫瘍を切除した後に腎臓を縫合止血する必要がありますが、従来の腹腔鏡手術ではこの細かい縫合が技術的に困難なケースが多くありました。ロボット支援手術の多関節であるメリットを最大限享受することで、細かな縫合操作ができるために、従来では腎臓を全て摘除しなくてはいけないケースでも部分切除ができるなど、症例の適応拡大ができております。
いずれも手術も入院時期などにもよりますが、手術時間3−4時間程度・入院期間は7−10日間程度で対応しております。当院では病診連携の観点から、術後1−2回の外来のフォローの後は、近医泌尿器科クリニックと連携してフォローしてもらうようにしております。

泌尿器・腎移植科
講師 河原 崇司


2005年 横浜市立大学 医学部 医学科 卒業
2005年 横浜市立大学附属病院 初期研修医
2006年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 初期研修医
2007年 大和市立病院 泌尿器科
2009年 横浜市立大学附属病院 泌尿器科 指導診療医
2010年 大口東総合病院 泌尿器科
2012年 米国ロチェスター大学 Surgical Pathology,Research fellow  
2013年 米国ジョンスホプキンス大学 泌尿器病理, Research fellow
2014年 横浜市立大学附属病院 泌尿器科 指導診療医
2015年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 泌尿器・腎移植科 助教
2019年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 泌尿器・腎移植科 診療講師


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