泌尿器・腎移植科
泌尿器・腎移植科
部長 上村 博司
診療の特徴・特色
泌尿器悪性腫瘍(前立腺癌・膀胱癌・腎臓癌・腎盂癌・尿管癌・精巣癌など)・副腎腫瘍および腎移植、小児泌尿器、を含む泌尿器科全般を扱っています。
診療にあたっては、患者さんとよいコミュニケーションをとることを最優先に考えています。疑問があれば気軽に聞ける雰囲気づくりを心がけています。
主な対象疾患及び治療実績
前立腺癌(疑い病名含む)
わが国でも症例が急増しています。
新患者数 年間 224名
ロボット支援前立腺全摘術 2022年 54例
膀胱癌(疑い病名含む)
血尿を初発とする尿路上皮癌の中で最も頻度の高い疾患です。
新患者数 年間約 148名
TUR-BT(経尿道的膀胱腫瘍切除術) 2022年 138例
腎細胞癌(疑い病名含む)
検診で発見される早期の癌が多くなっています。
新患者数 年間 141名
腹腔鏡下腎摘除術 2022年 10例
開腹腎摘除術 2022年 1例
ロボット支援腎部分切除術 2022年 16例
副腎腫瘍
腹腔鏡下副腎摘除術 2022年 4例
ロボット支援副腎摘除 2022年 2件
精巣(睾丸)癌
まれな疾患ですが20~30代を中心とした若年層に多くみられます。肺、リンパ節などに転移があっても集学的治療により完治を目指します。
高位精巣摘除術 2022年 9例
腎盂尿管癌
腹腔鏡下腎尿管全摘除術 2022年 9例
カテーテル・自己導尿
カテーテルを使用して排尿している患者さんの相談を受けています。
カテーテルおよび自己導尿の導入後は近医泌尿器科クリニックを紹介させていただいております。病診連携のため、当院での定期的なカテーテル交換や自己導尿の指導は行っておりません。
神経因性膀胱、尿失禁
脳脊髄疾患・下腹部手術等の後遺症としての排尿障害を治療します。
当院、排尿障害を専門とする泌尿器科医師不在のため、関連病院などを紹介させていただいております。
前立腺肥大症
患者さんのQOL(生活の質)向上をめざしてオーダーメイド医療を心がけています。
抗凝固剤を内服しながらでも治療可能なレーザー蒸散術(CVP)を施行しております。
小児泌尿器科疾患
停留精巣、陰嚢水腫、膀胱尿管逆流症(VUR)、水腎症、尿道下裂、尿管瘤などの先天性泌尿器疾患や排尿異常を対象に治療を行っています。小児泌尿器科外来は毎週月曜日午後と火曜日に、小児泌尿器科手術は毎週木曜日または金曜日に行っています。
泌尿器疾患(前立腺癌を中心に)の臨床治験
前立腺癌や尿路上皮癌など泌尿器科がんに対する新規薬剤の開発として、国内外の製薬企業と協力して臨床治験を行っています。治験とは、まだ市販されていない薬剤を試験的に患者さんに投与して、その効果を判定するものです。薬剤や対象疾患は様々で不定期ですが、企業からの申込があり次第、受け入れておりグローバルと時差のない治験を行っています。
専門外来
腎移植
当院は現在、横浜市内唯一の腎移植施設です。
2000年の病院開設時より2023年3月まで生体腎移植254例、献腎移植を38例、計292例の腎移植を行ってきました。
【生体腎移植について】
医学的・倫理的に問題のない親族(血縁者や配偶者)を腎臓提供者(以下ドナー)として二つある腎臓のうち一方の腎臓の提供を受けて行う腎移植です。全身麻酔の手術を受ける上で身体的に問題なく、活動性の感染症や悪性腫瘍がなく、薬や体調の自己管理がしっかりできる方であれば腎移植は可能です。生体腎移植を受ける方(以下レシピエント)及びドナー候補の方の術前検査はすべて外来で行います。腎移植後の拒絶反応に関連する重要な因子になりますので、レシピエントとドナー候補の方の免疫学的な適合性も検査します。(初診から実際の腎移植に至るまでの期間は、順当に全ての検査を終了した場合でも約6ヶ月程度の日数を要します)
当院での生体腎移植の術後経過が順調であれば、術後3週間で退院となります。臨床的な急性拒絶反応の発現頻度は5%前後ありえますが、急性拒絶反応がなければ、ほとんどの場合、術後2~3ヶ月で社会復帰可能です。
ドナーの方の腎臓の摘出は腹腔鏡下手術で行っていますが、腎臓の血管の状態などに問題がある場合などは安全性を重視して開腹手術で行います。ドナーの方は平均、術後6日で退院となります。
※腎移植外来は、毎週火曜日と金曜日の午前(生体腎移植初診は午後、献腎移植初診は午前となります。)
紹介予約の方法(初診予約)
その他
・尿路結石で手術が必要な患者さんは、福浦の附属病院あるいは近隣の関係病院にご紹介しています。
・一般病院で麻酔の管理が難しい小児の患者さんや、周術期の管理を要する腎移植後の患者さんなど一部の患者さんには個別に対応させていただいております。