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連携NEWS「新時代のアトピー性皮膚炎診療」

2022年7月29日公開

診断・診断

「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と日本皮膚科学会で作成された「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」で定義されていますので、それに従って診断をしています。また、「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」が2021年末に約3年ぶりに改訂されました。
近年、アトピー性皮膚炎の病態に関する研究が飛躍的に進み、2018年に登場した抗IL-4/13受容体抗体薬であるデュピルマブに続き、2020年にはJAK阻害薬であるバリシチニブが、2021年にはJAK阻害薬であるウパダシチニブおよびアブロシチニブが中等度以上のアトピー性皮膚炎に治療薬として承認されました。今年2022年は抗IL-31受容体抗体薬であるネモリズマブが承認され、この5年で治療選択肢が一気に増えました。
今まで寛解に導入できなかった患者さんに対しても、寛解を望める時代となりましたが、副作用や金銭面などから生物学的製剤を導入できない患者さんがいることも事実です。また、治療ガイドラインにおいては、スキンケアやステロイドをはじめとする外用剤が治療の基本であることは今も変わりません。
治癒を目指す疾患ではないため、重症度を的確に評価し増悪因子があれば除去できるよう生活指導を行うこと、また患者さんや家族の社会背景も考慮に入れ治療ゴールを共有することが大切です。

一般社団法人日本アレルギー学会, 公益社団法人日本皮膚科学会, アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021, アレルギー, 70:1257, 2021


注意点・フォローの仕方

生物学的製剤を導入した当初は、当院でフォローすることが多いですが、導入後に逆紹介させて頂くことにも積極的に取り組んでいます。紹介の際には、導入後の逆紹介が可能かどうかについても記載いただけましたら幸いです。
外用治療や光線治療で症状が安定している場合は、かかりつけ医を作っていただくよう患者さんに説明させていただいております。また、中等症から重症な皮膚症状の患者さんでも、外用治療のみを希望される患者さんについてはかかりつけ医での加療を継続いただくようお願いしています。全身療法の適応となった場合や、入院加療が必要と判断された場合には再度ご紹介いただき、連携を取らせていただけたらと存じます。

患者さんを紹介する際の必要な情報や基準について

重症な患者さんや、アトピー性皮膚炎が疑われる方をご紹介いただくことが多いかと存じます。生物学的製剤導入目的の紹介の際に導入基準に満たさず説明に齟齬が生じてしまうケースもあるため、中等症の場合はEASIなどのスケールを用いて評価させて頂いた上で、導入の適応か否かを判断するとご説明いただけますと幸いです。

逆紹介後のフォローアップで気を付けて欲しいこと

アトピー性皮膚炎は再燃と軽快を繰り返す疾患であるため、一旦寛解導入できた後にも再燃を繰り返すことがあるかと思います。再燃を認めた際にはガイドラインに基づいて再度外用療法の適正化を図って頂き、プロアクティブ療法などにより寛解維持を目指して頂ければと考えます。
しかしながら、再燃後になかなか改善しない場合や処置目的で一定期間の入院が必要と判断される場合、全身療法を検討する必要がある場合には、再度ご紹介いただけましたら幸いです。

診療科からのメッセージ

アトピー性皮膚炎に対して使用できる生物学的製剤の種類が増えてきており、治療の選択肢が増えた事で承認施設の役割は大きいと考えております。しかし、副作用や費用負担、導入基準などからすべての患者さんの治療に貢献できるものではなく、再燃と軽快を繰り返す中で親身に患者指導・教育を行う事も依然として重要です。
近隣の諸先生方とは密に連携を取りながら、治療の見直しが必要な際に当院へご紹介いただき、安定した際には継続したフォローアップをお願いできたらと考えております。

皮膚科
金岡 美和 部長


2004年 横浜市立大学附属病院 初期研修医
2006年 横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科 後期研修医
2007年 藤沢市民病院皮膚科 修練医
2009年 横浜市立大学附属病院皮膚科 指導診療医
2010年 川崎協同病院皮膚科 医長
2012年 横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学 助教
2014年 横浜市立大学大学院博士課程
2018年 横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学 助教
2022年 横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科 講師(部長)


皮膚科
佐川 展子 医師


2014年 横須賀共済病院
2016年 横浜市立大学附属 市民総合医療センター
2017年 藤沢市民病院
2019年 横浜市立大学皮膚科 助教
2020年 藤沢市民病院
2021年 横浜市立市民病院
2022年 横浜市立大学附属 市民総合医療センター 助教


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