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診療科・部門案内

耳鼻いんこう科

中耳疾患(慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、中耳奇形、耳硬化症など)

中耳疾患の疾患情報

耳は体の外側から順に外耳、中耳、内耳に分けられます(下図)。

中耳に起きる病気の症状は難聴、耳漏などで、外科的治療(手術)の対象となるものに慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、中耳奇形、耳硬化症などが挙げられます。

慢性中耳炎は炎症が慢性化することで鼓膜に穴が開いた状態になったり、耳小骨が固着することで難聴になります。真珠腫性中耳炎は中耳に迷入した皮膚の落屑物(垢)が徐々にたまることで真珠腫が大きくなり、周りの骨を壊し様々な症状が生じます。中耳奇形は生まれながら中耳の構造に欠損があることで難聴の原因となります。耳硬化症の原因は明らかではありませんが、耳小骨の一つであるアブミ骨が固着することで音の伝わりが悪くなり難聴になります。

耳の構造の図耳の構造の図

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会HPより

中耳疾患の検査

中耳内視鏡検査、標準純音聴力検査、ティンパノメトリー検査、耳小骨筋反射検査、耳管機能検査、CT検査、MRI検査など

中耳疾患の治療法

鼓室形成術

慢性中耳炎の場合、長期の炎症で鼓膜に穴が開いている、耳小骨の連鎖が硬くなる、肉芽や瘢痕が生じている、などの状態になっています。手術によりその原因を除去することで難聴の改善や耳漏の停止が期待できます。

真珠腫性中耳炎の場合、真珠腫を除去し、骨破壊の進行や感染を予防することが大切です。

中耳奇形の場合、手術で直接中耳を観察することによりどのような欠損が生じているか確認することが可能となります。欠損部を耳の軟骨などで再建することで難聴の改善が期待できます。

アブミ骨手術

耳硬化症に対して行われます。アブミ骨を人工耳小骨に置き換えることで音の振動が内耳に伝わるようになり難聴の改善が期待できます。

経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES:Transcanal Endoscopic Ear Surgery )

従来の中耳手術は耳の後ろを切って行っていました(耳後法)が、医療機器の発展により耳の後ろを切らずに内視鏡下に手術を行うことができるようになりました。術後疼痛の軽減や入院期間の短期化などの利点があります。すべての中耳疾患に対して適応される方法ではなく、詳細は担当医とご相談ください。

当科におけるTEESの手術風景当科におけるTEESの手術風景

TEESの手術風景