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診療科・部門案内

脳神経内科

アルツハイマー病

疾患情報

認知症とは、認知機能の障害により日常生活が阻害された状態をさし、様々な原因疾患や病態が含まれますが、その中で最も一般的で頻度が高いものがアルツハイマー病です。脳にアミロイドβ蛋白というタンパク質がたまり、さらにタウというタンパク質がたまって、神経細胞が減少し、脳の萎縮が海馬周辺から始まって拡がっていきます。
症状は中核症状としてもの忘れ(少し前のことが思い出せない)から始まり、徐々に認知機能全体が低下してきます。進行するともの忘れに加えて日付がわからなくなり、自分のいる場所がわからなくなります。妄想や徘徊などの症状が問題になることもあります。さらに高度になると家族など親しい人の顔もわからなくなり、最終的には寝たきりになります。
このほか行動・心理症状(BPSD)と呼ばれる様々な症状が合併してきます。具体的には、易刺激性(いらいらしやすい)、攻撃性(暴言・暴力)、異常行動(徘徊など)、精神症状(もの盗られ妄想、被害妄想、不安、うつ状態、自発性低下、意欲低下、情緒の欠如、周囲への興味の欠如など)が含まれます。

診断

診断には病気の経過や症状の特徴が重要で、問診と神経心理学的検査により評価を行います。
補助検査として脳の画像(MRI・CT・SPECT・PETなど)や脳脊髄液などの検査を行うことがあります。アルツハイマー病以外の認知症の鑑別診断のため、血液検査、脳波検査なども適宜実施します。

治療

認知機能改善のために、コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)、NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)を用います。このほか、BPSDに対する薬物療法も必要に応じ実施します。リハビリテーションなどの薬以外の治療も重要で、認知機能障害だけでなく、BPSD、日常生活機能の改善をめざします。