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第47回日本高血圧学会総会において田村功一病院長らの研究グループの成果が第15回学術賞を受賞(受賞者:小豆島健護 講師)
今回開発した方法の原案は、1976年にポーランドのTwardovskiらによって提唱された「ボタンホール法」に遡ります。当時は毎回異なる場所に穿刺するのが一般的でしたが、同じ部位から繰り返し穿刺することで痛みが軽減できることが報告されました。また、当時のポーランドでは針を繰り返し使用していたため、針先がなまり、丸くなることで強い痛みが生じていたことも、この方法が考案された背景にあります。しかし、それ以降、ボタンホール法には長年にわたって感染が多発するという大きな課題が残されていました。本研究グループは、以下の3点によりこの感染問題を克服しました。
1. ボタンホールへの湿潤治療の導入
2. 徹底した洗浄とワセリンによる保護
3. 痂皮を麻酔クリーム等で軟化し、愛護的に除去する
これらの工夫により、カナダ・カルガリー大学の報告では、従来は穿刺20回に1回の割合でおこっていた感染が、私たちの方法(クリーンボタンホール法)では、数万回に1回程度まで発症を抑制できました。この方法では、痛みをほとんど感じない方もいらっしゃいます。
さらに、特に女性の透析患者の中には、膨隆した内シャントを気にして半袖を着るのをためらう方もいらっしゃいますが、本法を用いることで、シャントの膨隆や変形を防ぐことができ、安心して半袖を着て夏を過ごせるようになります。
従来の、痛みが激しく皮膚が荒れ、シャントの変形をきたしやすい穿刺方法からの転換が、今後ますます期待されます。
なお、今回の研究成果の詳細については、横浜市立大学ホームページのトピックス記事をご覧ください( https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/20251119shibata.html )。
横浜市立大学附属市民総合医療センターでは、これからも横浜市の中心に位置する「研究の横浜市立大学」の附属病院として『先端医療の、その先へ』を掲げ、最先端の研究成果を発信するとともに臨床への展開を推進することにより、市民の方々に対する当院の誇る高度専門医療・救急医療への最新の研究成果還元に今後も一層力を入れて参ります。
論文情報:
タイトル:Moist Wound Healing and Eutectic Mixture of Local Anesthetics Cream for Clean Buttonhole Cannulation: An Infection Reduction Strategy
著者:Shibata K, Toma S, Nakai S, Yamamoto M, Tamura K.
掲載雑誌:Kidney360. 2025 Oct 1;6(10):1762-1770.
DOI:10.34067/KID.0000000864
医療法人社団 朋進会 東神クリニックホームページ:
https://toushin.houshinkai.net/
1. ボタンホールへの湿潤治療の導入
2. 徹底した洗浄とワセリンによる保護
3. 痂皮を麻酔クリーム等で軟化し、愛護的に除去する
これらの工夫により、カナダ・カルガリー大学の報告では、従来は穿刺20回に1回の割合でおこっていた感染が、私たちの方法(クリーンボタンホール法)では、数万回に1回程度まで発症を抑制できました。この方法では、痛みをほとんど感じない方もいらっしゃいます。
さらに、特に女性の透析患者の中には、膨隆した内シャントを気にして半袖を着るのをためらう方もいらっしゃいますが、本法を用いることで、シャントの膨隆や変形を防ぐことができ、安心して半袖を着て夏を過ごせるようになります。
従来の、痛みが激しく皮膚が荒れ、シャントの変形をきたしやすい穿刺方法からの転換が、今後ますます期待されます。
なお、今回の研究成果の詳細については、横浜市立大学ホームページのトピックス記事をご覧ください( https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/20251119shibata.html )。
横浜市立大学附属市民総合医療センターでは、これからも横浜市の中心に位置する「研究の横浜市立大学」の附属病院として『先端医療の、その先へ』を掲げ、最先端の研究成果を発信するとともに臨床への展開を推進することにより、市民の方々に対する当院の誇る高度専門医療・救急医療への最新の研究成果還元に今後も一層力を入れて参ります。
論文情報:
タイトル:Moist Wound Healing and Eutectic Mixture of Local Anesthetics Cream for Clean Buttonhole Cannulation: An Infection Reduction Strategy
著者:Shibata K, Toma S, Nakai S, Yamamoto M, Tamura K.
掲載雑誌:Kidney360. 2025 Oct 1;6(10):1762-1770.
DOI:10.34067/KID.0000000864
医療法人社団 朋進会 東神クリニックホームページ:
https://toushin.houshinkai.net/