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診療科・部門案内

腎臓・高血圧内科

当科のご紹介

当科では、腎臓病関連(急性腎障害・慢性腎臓病・ネフローゼ症候群・慢性糸球体腎炎・多発性嚢胞腎など)、高血圧関連(高血圧緊急症・二次性高血圧など)、腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)などあらゆる腎疾患・高血圧疾患に注力しております。また、血液浄化センター/集中治療室では、他科と連携して様々な難病・難治性病態に対してアフェレシス療法を行っております。
また、当科の特色として、多岐にわたる専門外来(腹膜透析療法外来・糖尿病性腎臓病外来・糖尿病透析予防外来・腎代替療法選択外来・多発性嚢胞腎・ファブリー病外来・セカンドオピニオン外来)、二人主治医制を重視した地域連携の推進、そして腎臓病、高血圧に対する様々な治験が挙げられます。
当科は高度先進・専門的治療を目指しており、広く腎臓病、高血圧、血液浄化の領域全般における正確な診断と最適な治療を提供いたします。

<横浜市における腎疾患対策の推進・強化>
横浜市立大学附属病院が、厚生労働省の「令和5年度慢性腎臓病(CKD)重症化予防のための診療体制構築及び多職種連携モデル事業実施法人」に採択されたことを受け、当科部長の田村功一主任教授(循環器・腎臓・高血圧内科学)が会長となり「横浜慢性腎臓病対策協議会」を発足しました。当科は、県民・市民の健康を増進させるために、横浜市全域における腎疾患・慢性腎臓病対策を推進していきます。
主な活動内容:横浜市医療局との連携によりヘルスデータに基づく腎疾患関連データを可視化することを通して、以下の取り組みを行っていきます。
・慢性腎臓病(CKD)重症化予防のための診療体制の構築
・多職種連携による療養指導等の実施に必要な検討や評価
・健保組合等と連携した積極的な受診勧奨実施の支援
・企業・産業医等に対する啓発資料の配付
・多職種連携における療養指導及び両立支援の実施 など

患者さんへ

当科は高度先進・専門的治療に基づいた正確な診断と最適な治療の提供を目指すとともに、患者さんの立場に立った医療を実践しております。腎臓・高血圧内科の特徴としては、血液浄化センターと連携して、腎臓病関連(急性腎障害・慢性腎臓病・ネフローゼ症候群・慢性糸球体腎炎・多発性嚢胞腎など)、高血圧関連(高血圧緊急症・二次性高血圧など)、腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)などあらゆる腎疾患・高血圧疾患に対応可能であることが挙げられます。 治療の例として、IgA腎症に対する扁桃摘出術-ステロイドパルス療法、慢性腎臓病に対する新規薬剤(SGLT2阻害薬やMR阻害薬など)の積極的使用などが挙げられ、また、慢性腎臓病患者さんに対する教育入院プログラムもあり、透析回避のための治療の内容と意義についての理解を深めて頂いております。 高血圧診療では、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧などの二次性高血圧の有無の精査を行い、診断に応じて最適な治療を提供しております。また、診察室血圧に加えて、診察室外血圧(家庭血圧、自由行動下血圧測定)も重視した診療を展開しており、24時間にわたる理想的な降圧治療を行っています。 また、当院は高度先進・専門的治療を目指しており腎臓病、高血圧に対する様々な治験も行っております。

主な対応疾患

【診療内容】
急性腎障害とは腎機能の急激な低下の結果、体液貯留(溢水)、電解質バランスの異常、毒素の蓄積(高窒素血症)などが出現し生命に関わります。腎前性、腎性、腎後性の鑑別を行い原疾患の治療を行います。急性腎障害により高カリウム血症、代謝性アシドーシス、高度の溢水などを認めた場合、薬物療法を行いますが恒常性が維持できない時は透析療法を行います。

【診療内容】
慢性糸球体腎炎は糸球体に炎症を生じる疾患の総称で、IgA腎症、膜性腎症、紫斑病性腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎膜性腎症等が含まれます。血尿や 蛋白尿を生じ、持続することで次第に腎機能が低下
していきます。多くの慢性糸球体腎炎では蛋白尿が多いほど腎不全に至りやすいことが知られています。腎生検により、組織学的診断および疾患活動性を評価し、診断に応じて免疫抑制療法(ステロイド、免疫抑制薬など)、またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を中心とした降圧薬、SGLT2阻害薬や抗血小板薬などによる治療を行います。

【診療内容】
当科では慢性腎臓病患者さんに対する教育入院プログラムがあります。透析回避のための治療の内容と意義について学習できます。また、腎機能が低下し腎代替療法(透析療法〔血液透析、腹膜透析〕または腎移植)が必要となる場合があります。末期腎不全に至る可能性がある場合は、腎不全療法選択外来にて腎代替療法に関する情報提供を行い、治療方針を一緒に考えていきます。腎代替療法が必要になった場合は、血液透析導入時のバスキュラーアクセス(VA)として内シャント造設術、動脈表在化造設、カフ付きカテーテル留置術を行います。また、腹膜透析導入時には腹膜透析カテーテル挿入を行います。血液透析、腹膜透析は入院で透析導入を行います。

【診療内容】
ネフローゼ症候群は多量の尿蛋白の排泄により、低蛋白血症や浮腫、胸・腹水貯留をともなう疾患の総称です。様々な腎疾患がネフローゼ症候群をきたすため、腎生検を行って組織学的診断を行い、原因となる腎疾患の治療を行います。原疾患によって治療法は異なりますが、主に免疫抑制療法(ステロイド、や免疫抑制薬など)を使用し、尿蛋白の減少を目指します。食事の塩分や水分の制限、利尿薬を使用して浮腫の管理を行います。

【診療内容】
高血圧治療について、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧などの二次性高血圧の有無の精査を行います。また、診察室血圧測定に加えて、診察室外血圧測定(家庭血圧、自由行動下血圧測定)も重視した診療を展開しており、24時間にわたる理想的な降圧治療を行っています。二次性高血圧の代表である原発性アルドステロン症に対しては、局在診断目的に当科にて選択的副腎静脈採血を行います。両側性の場合は薬物療法となりますが、片側性と診断された場合は、当院の泌尿器科と連携し手術による根治を目指します。また、治験として腎動脈の血管の中から超音波エネルギーをあてて熱を発生させ、腎動脈の周りの交感神経を加熱し交感神経の働きを抑制することで、血圧を下げることが期待されている超音波腎デナベーションを行っています。

【診療内容】
多発性嚢胞腎・ファブリー病等の診断、治療を行っております。

【診療内容】
末梢動脈性疾患(PAD)は、足の動脈硬化が進んで動脈が狭くなり、血流障害を起こすことで足の皮膚に冷感、疼痛、潰瘍、壊疽を起こします。治療として抗血小板薬の服用、重症の場合には、カテーテル治療や血行再建術を行います。カテーテル治療が奏功しない、もしくは血行再建術が適応にならないほど重症な場合は、当科ではLDLアフェレシス療法を行っております。

【診療内容】
当科では、血液透析用バスキュラーアクセスに対する経皮的血管形成術(内シャントPTA)も行っております。
血液透析を行うために作製された内シャントや人工血管の狭窄部位に対して、バルーンカテーテルを用いて狭窄部位を拡張させる手術を行います。

対応疾患・診療内容の詳細

主な検査・設備機器

腎生検の目的は、腎臓病の組織病理学的確定診断を行って腎障害の原因・病態を把握し、専門的治療方針を決定することです。カンファレンス等も通じて適応を適切に判断して施行しています。
患者さんはうつぶせになり、背中から超音波をあてて、腎臓に針を刺す位置を決定します。皮膚の表面から局所麻酔を腎臓の表面まで行います。生検用の針を、腎臓の表面まで針を進めます。呼吸を止めてもらい、その間に腎組織を採取し、針を抜きます(この操作を2、3回行います)。病理部で検体数を確認後に終了すると10分間の圧迫止血をします。仰向けになり6~12時間のベッド上安静が必要となります。

原発性アルドステロン症の局在診断をすることにより手術適応の確定診断のための検査です。

血液透析を受けている患者さんの内シャントトラブル時に狭窄部位、閉塞部位、血流量、血管抵抗の診断目的にシャントエコーを行います。

腹膜透析中の患者さんの腹膜機能を評価し、現在の透析液量や交換回数が適正かどうかを確認する検査、腹膜透析効率の評価を行い至適透析の評価を行います。

施設認定

診療実績

  令和4年 令和3年 令和2年
内シャント造設 47 40 49
動脈表在化術 3 4 4
カフ付きカテーテル留置術 23 9 12
腹膜透析カテーテル留置術 11 2 3
内シャントPTA 23 23 7
副腎静脈採血検査 3 6 0
腎生検 34 36 29
血液透析導入 51 46 56
腹膜透析導入 10 3 4

関連情報