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診療科・部門案内

乳腺・内分泌外科

当科のご紹介

乳腺・内分泌外科は、旧乳腺外科と乳腺・甲状腺外科が統合して発足した診療科です。乳癌を中心とした乳腺疾患、並びに、甲状腺・副甲状腺疾患の診療を行っています。

多岐にわたる専門領域を備えた大学病院の特性を生かし、疾患・病状に応じて必要な場合は関連診療科や各種医療スタッフと連携して診療を行います。
乳腺診療では、初診で受診された方は、その日のうちにマンモグラフィや乳房超音波等の画像診断を行ったのち、必要に応じて乳房針生検・吸引組織診によって病理学的診断を行います。
乳癌の診断がついた後は、患者さんごとの病態にあわせて手術・薬物療法(内分泌療法・化学療法・分子標的治療)・放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。乳癌の治療は、手術の際には1週間前後の入院が必要ですが、検査や薬物療法・放射線治療は原則外来診療で行います。
甲状腺・副甲状腺診療では、バセドウ病、機能性甲状腺結節、副甲状腺機能亢進症などの良性疾患から、甲状腺癌・副甲状腺癌まで幅広く診療しています。
良性疾患では、手術をはじめ病態に応じた適切な治療を行っています。悪性疾患に対しては、手術を中心に、放射線治療(放射性ヨウ素内用療法)や薬物療法(分子標的薬)を組み合わせ、患者さんの病状に応じた総合的な治療を提供しています。また、進行例や再発例に対しても、関連診療科と連携しながら最適な治療方針を検討し、質の高い医療の提供に努めています。

患者さんへ

当科を受診する際にはおかかりの医療機関や検診施設からの紹介状をお持ちください。

乳癌は女性が罹患するがんの中で最も頻度が高く、40〜60代の患者さんが多いことが特徴です。新規薬剤も増え、ますます個別化医療が進んでおり、個別の病態にあわせた治療法の選択が大切です。当科は日本乳癌学会乳腺専門医が中心となって、迅速で正確な診断と専門的な治療を心掛けています。
乳癌診療においてはチーム医療が重要とされており、各科の専門医や看護師、薬剤師、検査技師、リハビリテーション部、遺伝子診療科などでチームを形成し、それぞれの患者さんに最も適した治療を実践しています。形成外科、遺伝子診療科、口腔外科、緩和ケア科など関連各科医師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど院内当該部署との連携をとって、患者さんとご家族に寄り添った医療を提供できるよう努めています。

甲状腺・副甲状腺疾患には、ホルモン分泌異常によってさまざまな臨床症状を呈する機能性疾患に加え、幅広い年齢層にみられる良性・悪性の腫瘍性疾患があります。
バセドウ病、機能性甲状腺結節、原発性副甲状腺機能亢進症をはじめとする機能性疾患に対しては、薬物療法から外科的治療まで、関連各科と連携しながら幅広く対応し、症状の改善と生活の質(QOL)の向上を目指した診療を行っています。
また、良性・悪性の腫瘍性疾患に対しては、手術を中心に、根治性と機能温存の両立を重視した治療を行っています。特に、甲状腺癌の治療は、近年の分子標的薬の開発・導入により大きく進歩しており、病期や再発リスクに応じて、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせた集学的治療を実践しています。さらに、一部の良性疾患および早期の悪性疾患に対しては、整容性に配慮した内視鏡手術にも積極的に取り組んでいます。

主な対応疾患

患者さんの病態に合わせた個別化医療を実践します。画像診断・病理学的診断を行い、手術・薬物療法・放射線療法を組み合わせた集学的治療を行います。切除可能乳癌であれば、病変の部位や大きさによって乳房全切除または乳房部分切除(乳房温存手術)、およびセンチネルリンパ節生検または腋窩郭清を行います。根治性と整容性を重視した手術を心掛けています。形成外科と連携し、乳房再建手術も行っています。手術には5〜14日程度の入院を要します。
病期・サブタイプに応じて術前後に薬物療法、放射線療法を組み合わせて行います。遠隔(乳房・リンパ節以外の臓器)転移を有する患者さんは、薬物療法を中心とした治療を行います。手術後の経過観察や内分泌療法は地域のクリニックとの連携も行っています。

線維腺腫や葉状腫瘍など乳房良性腫瘍の摘出手術を行います。病変の大きさや部位によって局所麻酔か全身麻酔での手術を行います。局所麻酔であれば外来で、全身麻酔であれば2泊3日の入院で行っています。乳腺炎に対して、切開排膿や抗生剤などの薬物治療を行います。また、良性腫瘍であっても明らかな増大がある場合には腫瘍摘出術を行います。

画像診断・病理学的診断を行い、外科治療(手術)を行います。早期の甲状腺癌であれば甲状腺を半分切除する葉切除術、進行甲状腺癌もしくは多発する癌の場合には全摘術が適応となります。また癌の進行度に応じてリンパ節郭清術を行います。病期に応じて放射線治療(放射性ヨウ素内用療法)や薬物療法(分子標的薬)を行います。

画像診断・病理学的診断を行い、自覚症状がある場合や、良性腫瘍であっても明らかな増大がある場合、良悪性の鑑別が困難な場合などには、甲状腺葉切除または全切除を行います。腫瘍の大きさが5cm以下であれば内視鏡下甲状腺切除術の適応について考慮します。また、内科的治療で改善しないバセドウ病に対しては、甲状腺全摘術を基本とした手術治療を検討します。

副甲状腺ホルモンの過剰分泌により、高カルシウム血症とそれに伴う骨粗鬆症、尿路結石などの原因になります。画像検査で原因となる副甲状腺を診断し、手術で腫大した副甲状腺を摘出します。

対応疾患・診療内容の詳細

主な検査・設備機器

超音波で病変の位置を確認しながら、採血と同じ針を刺して細胞を吸引し、良性・悪性の診断をつけます(穿刺吸引細胞診)。診断が難しい場合には、より太い針を使って腫瘍の一部の組織を採取する組織診(針生検・マンモトーム生検)を行います。

放射線科と連携し、マンモグラフィでしか同定できない乳房内石灰化病変を、マンモグラフィで乳房を挟んだ状態で局所麻酔下に採取します。外来で30〜60分程度かかる検査です。

ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌の患者さんに、術後化学療法が必要かどうかを調べる検査です(保険診療)。手術時に切除した乳癌組織の遺伝子発現を測定してスコア化し、低・中・高リスクに分類します。

遺伝性乳癌卵巣癌の原因遺伝子(BRCA1または2)の変化を有するかどうかを調べる検査です。保険適応となる方に対して情報提供および血液検査を行います。必要に応じて遺伝子診療科と連携して遺伝カウンセリングを行っています。

近年、がん細胞が持つ特有の遺伝子やタンパク質(標的分子)を狙って攻撃する治療薬(分子標的薬)の開発が進んでおり、乳癌でも複数の分子標的薬の使用が可能となっています。コンバニオン診断とは、特定の治療薬の効果や副作用を事前に予測するために行う検査であり、乳癌癌の分子標的治療導入に際して行われます。前述のBRCA遺伝学的検査もPARP阻害薬のコンパニオン診断として行っています。

がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知るための検査です。局所進行もしくは転移があり、標準治療が終了した方が対象です(保険診療)。

超音波で病変の位置を確認しながら、採血と同じ針を刺して細胞を吸引し、良性・悪性の診断をつけます(穿刺吸引細胞診)。診断が難しい場合には、より太い針を使って腫瘍の一部の組織を採取する組織診(針生検)を行います。

多発性内分泌腫瘍症(Multiple Endocrine Neoplasia: MEN)は、複数の内分泌腺に腫瘍が発生する遺伝性疾患で、MEN1型とMEN2型に分類されます。その原因遺伝子(MEN1: MEN1型、RET: MEN2型)の変化を有するかどうかを調べる検査です。保険適応となる方に対して情報提供および血液検査を行います。必要に応じて遺伝子診療科と連携して遺伝カウンセリングを行っています。

近年、がん細胞が持つ特有の遺伝子やタンパク質(標的分子)を狙って攻撃する治療薬(分子標的薬)の開発が進んでおり、甲状腺癌でも複数の分子標的薬の使用が可能となっています。分子標的薬はがん細胞の弱点となる分子だけをピンポイントで攻撃するため、正常な細胞へのダメージが少なく、副作用が比較的軽いとされています。コンバニオン診断とは、特定の治療薬の効果や副作用を事前に予測するために行う検査であり、甲状腺癌の分子標的治療導入に際して行われます。

がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴を知るための検査です。局所進行もしくは転移があり、標準治療が終了した方が対象です(保険診療)。

施設認定

診療実績

術式 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
乳癌手術 合計 157 156 157 195 218
 乳房部分切除術(温存手術) 63 57 47 75 98
 乳房全切除術 87 91 93 104 111
 乳房全切除術+同時再建 7 8 17 16 9
 リスク低減乳房切除術 2 2 9 5 9
 悪性:その他(再発など) 4 8 10 5 13
 良性腫瘍 18 6 18 13 10
術式 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
甲状腺・副甲状腺手術 合計 77 98 97 111 98
 【甲状腺】 悪性;全摘術 19 25 31 16 13
 【甲状腺】 悪性;葉切除術* 23 30 26 31 33
 【甲状腺】 悪性;その他
        (再発など)
2 8 4 3 3
 【甲状腺】 良性* 19 21 27 43 30
 【副甲状腺】 14 14 9 18 19

* 内視鏡手術含む

関連情報