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平成27年度卒業式学長式辞

平成27年度卒業式学長式辞

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
これまで卒業生の皆さんを支えてこられたご家族や保護者の方々にも、心からお慶び申し上げます。横浜市の渡辺副市長をはじめ、ご来賓の皆様には、ご多忙の中、卒業式にご列席賜りましたことを感謝申し上げます。

本日は、卒業生の皆さんの「人生の門出」に際して、一言式辞を述べさせていただきます。

さて、卒業生の皆さんは横浜市立大学を巣立ち、これから社会人となられ、あるいは大学院へと進まれます。それぞれこれから始まる新しい生活や、仕事のことについて、漠然とした不安はあるものの、大きな夢と希望を胸に抱いておられることと思います。今、日本はもちろん世界中で、社会や経済構造が、日々変化しております。国際化、グローバル化、IT化などの波により、人々の意識や考え方も多様化し、また、急速に変化しています。世界の所々では厳しい社会となっている現実もあります。
そのような中で、私たち横浜市立大学は、国際都市“横浜”と共に歩み、学生の皆さんには、それぞれが、この常に変化している日本や国際社会の中で、しっかり生き抜いていけるよう「自己を確立する」ことと共に、様々な「教養」や「専門知識」を学び、身に付けることを求めてきました。そして、先生方、職員の方々が大学を挙げて、学生の皆さんを厳しく、かつ、暖かく教え、見守ってこられました。その結果が、今日、卒業の日なのです。

思い出してみてください。本学の教育の大きな特徴の1つである英語による発信力、コミュニケーション力の強化の取り組みについて言えば、Practical Englishや、Advanced Practical Englishのプログラムで、さんざん苦労された方も多いと思います。しかし、その苦労があったからこそ、今日ここに卒業される皆さんは、国際社会で最低限必要とされる「道具としての英語」を身に付けたと、自負することができるはずです。また、留学や海外フィールドワークなどを通じて、国際社会を見聞きし、人々との交流を通じて「多様性」を理解し、「共感する力」をしっかり養ってこられたと思います。
さらに、共通教養教育や専門教育の過程で、皆さんは、「自ら考え」、「課題を見つけ」、その「課題の解決に向けて行動する力」を、しっかり身に付けられたと思います。ですから、卒業生の皆さんは自信をもって良いと確信しています。そして、社会が変化する中、自分の力で、これからの厳しい時代を堂々と生きてほしいと思います。あえて言うと、「英語によるコミュニケーション力」は、これからもっと磨き、レベルアップをすることを心がけていただきたい!と希望します。

私は学長として、卒業生の皆さんのこれからの人生に向け、ぜひ、心に留めておいてほしいことを一つだけ申し上げます。それは、“前を向く” と言うことです。
今後の社会では、先程も申し上げたように、意識の変化や、グローバル化が急速に進んでいますので、現在の状況や産業などがそのまま続くとは限りません。しかし、卒業生の皆さんはそんな状況にも柔軟に対応していけるだけの力を、既に、横浜市立大学で身に付けられています。また、国際都市“横浜”での、様々な地域貢献活動やボランティア活動などを通じた貴重な体験も、その力になるでしょう。私はその上で、皆さんには常に“前を向く”と言う姿勢を忘れないでほしいと思うのです。“前を向き”、そして将来を見つめ、卒業してからも「勉強し続ける」ことや、いろいろなことに「チャレンジする」ことを、横浜市立大学卒業生として心がけていただきたいと思います。

特に、自然科学と科学技術、医療の進歩はかつてないほど急速です。それに伴い、生活も便利で豊かで快適になる一方、負の側面や予期しない変化が起こってきてもいます。卒業生の皆さんの大部分が生まれた二十数年前は、誰がこれほど、日常に入り込んでいるIT技術を想像できたでしょうか。また、一方で東日本大震災の後に起こった、社会の変化と、人々の意識の多様な変化を想像できたでしょうか。それ故、これから皆さんが生きていかれる実社会では、日常を含め、あらゆる場で、変化に対応することが必要で、変えて行くべきものと守って行くものの選択が必須となります。その時、“前を向く”こと、“前を向く姿勢”が 重要なのです。

さらに、ビジネスや、研究・教育分野、また、医療に携わる人には、知識として学んだことを土台にして仕事を行うことや、新しいことを作り出す、「創造」して行くことも要求されます。そして、さらに広く世の中や、社会に役立つことが求められるのです。古くなった知識、技術では通用しません。特に、日進月歩する医学や医療では、進歩のスピードが速く、大変です。「医療に貢献する」と、口で言うことはたやすいのですが、実際は厳しい道のりであると覚悟してください。しかし、この道は、それぞれが自ら選んだ人生でしょう。やりがいはありますよ!ぜひ、“前を”見据え、絶え間ない「努力」をし続けることを、肝に銘じてください。

一方、これから社会に出て、様々な事や困難にも卒業生の皆さんは直面することと思います。率直に言って、人生は、山あり、谷ありでしょう。それだからこそ、“前を向く” 、その姿勢を忘れないでほしいのです。仕事、家庭、社会生活などで、時には立ち止まり、また引き返すこともあると思います。辛く、一人涙することもあるでしょう。しかし、“前を向く” 姿勢があれば、長い目で見れば何とかなるものです。七難八苦をも乗り越えられるでしょう。ぜひ、“前を向く” こと、“前を向く姿勢を持つ”ことを、覚えておいてください。

さて、最後になりますが、大学を巣立っていく卒業生の皆さんが社会で活躍されることは、母校である横浜市立大学の真の評価にもつながっていきます。私は、ここに集う全ての卒業生の皆さんのこれからの活躍に、大いに期待するものです。同時に、皆さんも、何時までも「横浜市立大学の大切な一員」であることを忘れないでください。皆さんへの本学の応援は、卒業したのちもずっと続きます。「将来の進路に悩む時」、「人生について相談する相手が欲しい時」、「更なる学問を極めたい時」は、何時でも母校を訪ねてください。大学は、これからも皆さんを応援し続けますが、皆さんも、ぜひ「母校」と「母校で学ぶ後輩たち」そして「横浜の街」を、できる限り、応援と支援をしてください。
皆さんの母校である横浜市立大学は、横浜市と共に歩み、横浜の未来を支え、国際社会に通じる人材を育成し、世界に発信し続ける総合大学です。言わば、“横浜から世界に翔く大学”です。そして、私は、この横浜市立大学で育ったすばらしい皆さんを、学長として、大変「誇り」に思います。ぜひ、これからも“前を向き”しっかり進んでください。

卒業生の皆さんの「今後の活躍」を期待し、私の式辞とさせていただきます。
平成28年3月25日
横浜市立大学学長 窪田吉信

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