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第8回教育研究審議会

第8回教育研究審議会

議事録

日時:令和3年12月7日(火)16:10~17:50
開催形式:Zoom開催
中継拠点:金沢八景キャンパス大会議室
委員:相原学長、中條副学長、遠藤副学長(座長)、橘国際総合科学群長、寺内医学群長 兼 医学部長、鈴木国際教養学部長、大澤国際商学部長、横山理学部長、叶谷医学部看護学科長、本多共通教養長、齊藤都市社会文化研究科長、白石国際マネジメント研究科長、佐藤生命ナノシステム科学研究科長、朴生命医科学研究科長、田村医学研究科長、榊原附属市民総合医療センター病院長、木下木原生物学研究所長、石川学術情報センター長 兼 学長補佐(研究・産学連携推進担当)、折舘先端医科学研究センター長、小林学務・教務部長 兼 学長室長、渡邉研究推進部長、篠﨑国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センター特別顧問、西村慶應義塾大学名誉教授、井村学長補佐(国際化推進担当)
欠席:汪データサイエンス学部長、立川データサイエンス研究科長、後藤附属病院長、相原事務局長

1前回議事録について
令和3年度第7回教育研究審議会(11/2)の議事録について確認し、了承された。

2審議事項
(1)医学研究科医科学専攻の新規科目開講に伴う大学院学則別表の改正について
学務・教務担当係長より、医学研究科医科学専攻において、国際マネジメント研究科ソーシャルイノベーション関連科目の新規科目開講に伴う大学院学則別表の改正について説明があり、審議の結果、承認された。委員より、新規科目は、いずれの研究科のカリキュラムに設置されるか確認があり、医学研究科のカリキュラムとして設置し、成績評価者は、附属病院長が担当する旨、説明された。国際マネジメント研究科が、「ビジネスマネジメント」や「ソーシャルイノベーション」等5科目を医学研究科に提供することについて、補足説明があった。また、受講者は、国際マネジメント研究科の博士前期課程学生、医学研究科の学生、病院関係者や横浜市職員が受講する医療経営GPの受講生であるため、様々な立場の受講生の議論を期待している旨、見解が示された。あわせて、受講生に対する時間割配慮は、社会人学生等がいることから、5科目中3科目は、集中講義として設定する他、オンデマンド授業の提供や、平日の夜間(6限、7限)の開講等で工夫している旨、コメントがあった。

(2)「横浜市立大学再入学に関する規程」の改正について
教務担当係長より、「横浜市立大学再入学に関する規程」の第4条と第6条を改正し、国際総合科学部における令和4年度以降の再入学の募集を停止することについて説明があり、審議の結果、承認された。対象学生は、健康上や経済的理由等で卒業できず退学した学生を対象としていること、また、再入学可能期間の制限の有無について、制限は設定していない旨、説明があった。再入学時の学生による学部選択可否は、大学が適切な学部を判断する旨、コメントがあった。休学期間が長期の場合、学力維持が困難なため、再入学希望者に対して一定の基準設定について、第4条第2項で、既に記載があり、学力等の確認機能がある旨、報告された。今後は、社会人の学び直しや再教育の機会を設けることが重視される社会になるため、再入学の受入間口を広くとり、学力等の確認が必要な場合は、都度確認していく旨、コメントがあった。第3条第1項の、「同一の学部等でなければ志願できない」について、「同一学科、学系及びコース」と修正すべきとの意見があった。

(3)YCU Student Awardの制度見直し及び要綱改訂について
学務・教務部長より、現状では、受賞者が学術研究分野及び課外活動分野に偏りがちになること、学生が学術分野の事項を判断・選考しづらい仕組みであることなどから、分野ごとに選考委員会を設置し受賞候補者を選出する旨、説明があり、審議の結果、承認された。国際総合科学群に比して、医学群の学生数が少ないため配慮が必要との意見があり、全学生によるForms等を使用した事前投票はあくまでも参考資料として、選考委員会で適正に判断する旨、説明があった。また、FormsはYCU Student Awardを全学的に周知する意味もある旨、補足された。学生の意見を軽んじず、意見が反映されないことは回避すべきとの意見があった。学術分野での大学院生と学部生が同じ土俵で評価されることについて、YCU Student Award 内規の別表第3のとおり、スキルの差を考慮し、大学院生と学部生では選考基準を変えている旨、説明があった。学部生として評価に値するものは評価すべきとの見解が示された。あわせて、大学院生・学部生共同の部を設けた理由は、研究室で大学院生と学部生が共著者になった過去事例を反映させた旨、報告された。学術研究分野の選考委員会に学生生活保健協議会委員を含む必要性は、オブザーバーとして、翌年の学生生活保健協議会にフィードバックする役割もある旨、補足説明があった。

3報告事項
(1)第3期大学機関別認証評価実地調査の実施結果について
学術企画担当係長より、11月24日(水)に実施された第3期大学機関別認証評価実地調査の結果(当日の口頭説明)として、「改善を要する点(1点)」」、「今後の適切な対応を期待する点(5点)」があげられたこと等、振り返りが報告された。今回の評価結果を踏まえて、改善可能な指摘を早急に実行し、次年度の教育研究自己点検評価委員会での取組に反映させるため、指摘の対象となった部局長のコメントを交え、今後の取組について意見交換を行った。

「改善を要する点」
①大学院の適切な定員管理について、大学院教育のあり方を踏まえた学生確保の取組の充実や定員のあり方の検討を行うこと
【定員超過改善の観点からのコメント】
<都市社会文化研究科長>
積極的に社会人を受入れ、長期履修制度の活用を促進したが、結果的に社会人学生の在籍期間が長くなり、定員超過となった。また、新型コロナウィルス感染症により、大学院進学を選択する学生が増加したことも原因の一つである。長期履修学生数を把握し、入試時に合格者数の管理をすることで、定員超過を防止し6年後の受審に備えたい。

<医学研究科長>
長期履修学生について、5年から6年で卒業できるよう教員も努力したい。併せて、文部科学省の通知により、長期履修制度を導入している場合の在籍学生数の管理の考え方について配慮があるが、その配慮に基づいて算出した定員数で評価されたかの確認があった。事務方より、長期履修学生が在籍している場合の計算式で算出しても、超過率が1.4倍になっている研究科があったため、指導を受けていない休学者数を差し引いて、超過率が最大の研究科でも1.1倍として算出したものを評価センターに提出した旨、説明があった。

【定員未充足改善の観点からのコメント】
<国際マネジメント研究科長>
今年度のみ博士後期課程の入学者数が0人であったことが定員未充足の原因となってしまった。来年度は、願書提出予定者が確実に3名おり、再来年度も、進学相談を受けているので、今後0人ということはないと予想される。社会人入学者のみならず、病院でのデータ分析に携わる教員から触発を受けた学部生や、データサイエンススキルを学修し活用を希望する学部生が進学する良い流れができている。

<生命ナノシステム科学研究科長>
教員やキャリア支援担当のアンケートを通して、学部生が進学しない理由を分析した結果、経済的理由や、学修終了後のキャリアが不透明なためであることが判明した。ホームページを充実させる等、研究科の情報を見える化し、進学者が増加するよう取り組んでいく。

<生命医科学研究科長)>
現状では、定員10名のところ6、7名の在籍となっている。経済的理由で進学できない学生に対しては、フェローシップ制度を活用する等教員間で共有する。また、各教員が質の高い研究に取り組んでいくことで、学生に卒業後のキャリア支援につながることを示したい。学生の卒業後の進路は、日本学術振興会の特別研究員として海外へ派遣されたり、国内の製薬会社の研究所に就職したり、大学の助教に就任する等、良い実績を挙げている。広報担当と相談し有益な情報を公開するよう努める。

<学長>
来年から、政府による大学院生の奨学金計画が新しく予定されており、情報を得られ次第、早急に研究科へ伝えていく。

「今後の適切な対応を期待する点」
③学部における成績評価及び大学院における研究指導のプロセスについて学生に対する明示の徹底
【卒業論文に関するルールの策定と周知】
<医学部看護学科長>
看護学科は、他学部・他研究科に比べて成績評価の基準が異なり、卒業論文は、①文献検討・研究計画立案、②データ収集・分析、③論文執筆・発表の3科目で構成され、論文執筆の過程も評価対象となっている。シラバスに、到達目標や評価方法が明記され学生に公開されており、それに則し、教員は評価していたが、今後、指摘のとおり基準を明記するよう対応したい。

⑤FD・SDに関する取組の充実
<学長室長>
FDは、各学群、学部単位でしっかり取り組んでいるが、情報公開の点で、工夫が欠如していたと認識できたので、今後、全体像の見える化を図りたい。

<人事課長>
SDは、コンプライアンスやハラスメント等の研修を実施してきたが、受講率を上げるため、内容充実を図り、研修の周知をしっかり行っていきたい。当日受講できない場合は、動画配信等で工夫すべきと考えている。

<副学長>
受講率が低い原因を振り返り、改善してほしい。未受講者には、学部長を通じて案内をし、動画配信する方法も検討してほしい。

<学長>
内容の充実も重要であるが、研修時間90分を45分ずつ2回に分ける等、短時間で充実した内容であれば受講率が上がると考える。

「実地調査中に指摘・意見があった事項」
【大学院生の居場所がなく、孤立していることに関するコメント】
<生命ナノシステム科学研究科長>
学生は研究室に滞在し、SNS等で交流をしていることが多い。孤立しているという認識まではないかもしれない。

<生命医科学研究科長>
博士後期課程の集中講義(正課)を3日間設けて実施しており、1年生の間に仲間の研究内容の把握が可能である。講義内容は、自身の研究を一人1時間かけて発表し、それに対して全員がコメントや質疑を1時間行う。また、ネイティブスピーカー指導の下、学生が英語で自身の研究を発表し、ディスカッションを実施している。教員だけでなく、事務室、保健管理センターと連携し、支援が必要な学生には情報共有し対応できる仕組みを構築している。

<木原生物研究所長>
教員と学生が研究内容、留学経験等様々なことを自由に共有する場があるが、新型コロナウィルス感染症により、アクティビティが減少している。再度、活動を活発化させるために見直していく。

<国際総合科学群長>
大学院生の孤立は、全学的な問題であると認識しており、定期的な学生交流を実施したいと考えている。本学の学生は、他大学のコミュニティに入って情報交換をしていたが、本学内でも情報交換できるように、鶴見キャンパスで実施しているような取組を理系全体で構築したい。

<副学長>
金沢八景キャンパスで、大学院生同士が交流できる場所があるか、学長と共に学内スペースを探している。

<外部委員>
特に文系の大学院進学者数の減少が以前より指摘されているが、その理由はキャリアや将来についての見通しが立てづらいことにある。アンケート結果にあるように、大学院生は交流の機会が少ないので、自身の専門を超えた他者との繋がりや、海外も含めた大学外の交流機会を大学側が提供すると、研究を継続するモチベーションとなる。また、理系は、海外と日本の学生の経済的な状況が大きく異なるのではないかと考える。今後、人材獲得に向けて、日本国内の他大学院との競争のみならず、海外大学院との競争も加わり、研究面以外でもそれに耐え得る環境を大学側が提供する必要がある。
理系も、博士後期課程の進学率が急激に下がっていることから、給付型奨学金を提供するなど、人材獲得の面で国際競争力を強化する必要があり、国も奨学金について検討している。給付型奨学金制度や、卒業後のキャリアパスを、大学側が学生に明示すると良い。日本の研究所や大学では、現在、定員未充足部分を中国や東南アジアの留学生で補っているが、日本人学生を増加させないと、将来の人材確保がより困難になる危惧がある。

4その他
◆外部委員より以下の質問とコメントがあった。
・FD・SDは他大学でも実施しているか、オンラインでの開講か、確認があった。他大学でも実施しており、本学では対面での開催が多いが、オンラインでも実施している旨、大学側より回答があった。

・認証評価を受審して終了するのではなく、ここを起点として、評価結果の活用方法や大学の課題等の議論を進めていくべきである。また、学生が孤立していることについては、学内交流のみならず、学外の同世代の学生や海外学生との対面での交流の場を設置することで、経験を深めていくことができる。SNSでの交流は限定的であり、海外大学と比較すると、日本の大学は研究室に閉じこもってしまう環境であるので、それを超えて交流する環境を与える工夫が必要である。

・学長より以下のコメントがあった。
認証評価受審にあたり、先生方にご協力いただき御礼申し上げる。評価結果の改善すべき事項以外にも、本学では、教育面で改善すべきことがある。来年度に向けて、学部横断的な教育推進が可能となる内容を考えており、合同調整会議で、計画を発表する予定である。また、社会ニーズとして、リカレント教育の充実が求められている。社会人の学び直しにより、社会でより活躍できる人材育成を推進するため、本学も取組む必要がある。リカレント教育の収入は、人件費に充当することが可能となるので、積極的な方向で検討したい。しかし、本業の研究と教育が圧迫されてはならず、今後、先生方と一緒により良い方法を議論したく、ご協力をお願いしたい。

以上 次回開催予定:令和4年2月1日(火)16:10 Zoom開催(中継拠点:金沢八景キャンパス大会議室)

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