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生命ナノシステム科学研究科 佐藤友美教授らの研究成果がEndocrinology誌に論文掲載されました

概要

横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の中島忠章特別研究員(現 東京理科大学助教)、谷本祐樹大学院生、佐藤友美教授らの研究グループが行った、マウス子宮におけるエストロジェン受容体ベータの働きに関する研究成果が、米国内分泌学会誌『Endocrinology』9月号に掲載されました。(米国オンライン掲載は5月28日)

研究の概要

女性ホルモン(エストロジェン)はエストロジェン受容体アルファ(ERα)またはベータ(ERβ)に結合して作用します。成熟マウスにおいて、ERαはエストロジェンによる子宮上皮の細胞増殖の促進作用に関係し、ERβは細胞増殖を抑制する働きを持っていることが知られています。しかし、新生仔期のERβの働きについてはよく分かっていませんでした。そこで、マウス子宮におけるERβの発現量を調べたところ、新生仔期が一番高く、その後、成長に伴い減少していくこと、および新生仔期のERβノックアウトマウスでは、成熟マウスと同様に野生型に比べて子宮上皮の細胞増殖が促進されていることが分かりました。また、新生仔期だけに阻害剤を投与してエストロジェン受容体の働きを抑制すると、生涯にわたって子宮上皮の細胞増殖が促進されることが分かりました。したがって、新生仔期のERβは、子宮上皮の増殖抑制に恒久的に関与していることが分かりました。さらに、成熟したERβノックアウトマウスにおける子宮上皮細胞の増殖促進効果は、サイクリン依存キナーゼインヒビター*の一つである p27Kip1の減少により引き起こされていることを明らかにしました。p27Kip1は細胞周期を調節するサイクリン/CDK 複合体に結合し、そのキナーゼ活性を阻害することにより細胞周期の G1 期から S 期への移行を調節するタンパク質です。本研究から、今まで未解明であった新生仔期のERβの働きとして、細胞周期関連タンパク質とともに、成熟後のマウス子宮の細胞増殖活性の制御に重要であることが明らかになりました。

(注釈)
*サイクリン依存キナーゼインヒビター:細胞周期を制御するタンパクであるサイクリン依存キナーゼとサイクリンとの複合体の活性を抑制するタンパク

今後の期待

今回の研究成果は、エストロジェンによる子宮内膜の細胞増殖制御機構の解明に役立つと考えられます。また、ヒトにおいても、新生児期の子宮のERβの働きの抑制が、「がん」に代表される「細胞増殖と関連している疾患」と恒久的に関わっている可能性を示しており、それら疾患の増殖抑制効果の研究に繋がると期待できます。
本研究は、文部科学省科学研究費助成事業、横浜市立大学戦略的研究推進費などの助成により行われました。

※論文タイトル
Neonatal estrogen receptor β is important in the permanent inhibition of epithelial cell proliferation in the mouse uterus.