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診療科・部門案内

造血・免疫細胞療法センター

センター概要

造血幹細胞移植(HSCT)は、造血器腫瘍や免疫不全症などの治癒を目指した治療として最も長い歴史をもつ免疫細胞療法です。当院はこれまで神奈川県の中核施設として30年以上にわたり1,000件近くのHSCTを施行し、神奈川県ならびに近隣県の移植医療に貢献してきました。
また最近、全く新しい免疫細胞療法としてCAR-T細胞療法が実用化され、難治性造血器腫瘍に対して画期的な治療成績が報告されています。当院は神奈川県内でいち早く悪性リンパ腫・小児リンパ性白血病・多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法の実施体制を整備し、これまですでに多くの患者さんへの投与を行っています。
これらの治療法は、血液内科、小児血液、輸血部、臨床検査部、中央無菌室、看護部、薬剤部など、多職種が一体となって行われる高度なチーム医療で、また全身の様々な合併症に対応するため多くの診療科との連携も必須です。今後も適応疾患の拡大など大きな発展が見込まれる本領域において、関連するスタッフが一丸となって患者さんを支える体制を整えるべく、これらを統括する「造血・免疫細胞療法センター」を設立いたしました。

センター長挨拶

造血・免疫細胞療法センター長
血液・リウマチ・感染症内科 中島 秀明

本センターは当院が提供している最先端の免疫細胞療法、すなわち造血幹細胞移植とCAR-T細胞療法の実施体制をより強固なものにするために設立されました。これらの医療は様々な診療科、部門が一体となって行われる高度なチーム医療で、多職種の緊密な連携が欠かせません。本センターを通じてより強力かつスピーティで柔軟性をもった連携体制を構築し、患者様にさらに良質な医療を提供できるよう努めてまいります。また関東圏の免疫細胞療法をリードする立場として、当院は次世代CAR-Tの治験も数多く行っています。本センターを通じてこの分野の研究開発も先導していけることを期待しています。

診療概要

<造血幹細胞移植>

同種移植に関しては、血縁者間同種移植および、骨髄バンクや臍帯血バンクを介した非血縁者間同種移植を行っています。血縁者間移植ではHLA型が半分だけ一致したドナーから移植を行うハプロ移植も数多く行っています。悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、一部の脳腫瘍に対しては自家移植も行っています。患者さんの年齢に応じて、血液リウマチ感染症内科または小児科で治療を行います。

<CAR-T細胞療法>

現在当院ではTisa-cel(キムリア®)、Axi-cel(イエスカルタ®)、Liso-cel(ブレヤンジ®)、Ide-cel(アベクマ®)の4種類のCAR-T細胞製剤が使用可能です。各製剤の詳細な適応に関しては下記アドレスまで直接お問合せください。

横浜市大附属病院 血液グループ CAR-T療法チーム
ycu-hematology_cart★yokohama-cu.ac.jp(★マークを@に変更して下さい)

構成メンバー

センター長   血液・リウマチ・感染症内科          主任教授  中島秀明
副センター長  血液・リウマチ・感染症内科          講師    立花崇孝
副センター長  輸血・細胞治療部/血液・リウマチ・感染症内科 講師    萩原真紀
副センター長  輸血・細胞治療部/小児科           助教    竹内正宣
副センター長  看護部                    副部長   畑 千秋

(主要構成部門・メンバー)
血液・リウマチ・感染症内科、小児科血液グループ、移植コーディネーター(HCTC)、看護部、薬剤部、輸血・細胞療法部、臨床工学技士、MSW

診療実績

造血幹細胞移植(直近5年間の実績) 

自家移植 血縁者間骨髄移植 血縁者間末梢血幹細胞移植 非血縁者間骨髄移植 臍帯血移植 合計
2024 7/1 0/3 4/0 3/1 2/2 16/7
2023 10/1 0/1 7/2 5/1 4/3 26/8
2022 9/2 3/2 6/0 3/1 3/0 24/5
2021 5/0 2/2 2/0 4/1 7/1 20/4
2020 6/2 4/0 1/0 7/0 6/0 24/2
数字は件数(血液リウマチ感染症内科/小児科)

CAR-T細胞療法 投与実績(2025年3月末時点)

悪性リンパ腫:Tisa-cel(キムリアR)22例
       Axi-cel(イエスカルタR)16例
       Liso-cel(ブレヤンジR)12例
急性リンパ性白血病:Tisa-cel(キムリアR)小児科 7例、血液リウマチ感染症内科 2例
多発性骨髄腫:Ide-cel(アベクマR)1例

CAR-T細胞療法ご希望の患者様のご紹介について