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第3回教育研究審議会

第3回教育研究審議会

議事録

日時:令和4年7月5日(火)16:30~18:10  
開催形式:Zoom開催
中継拠点:金沢八景キャンパス 第一会議室
委員:相原学長、中條副学長、遠藤副学長(議長)、橘国際総合科学群長、寺内医学群長 兼 医学部長、鈴木国際教養学部長、大澤国際商学部長、横山理学部長、山崎データサイエンス学部長、叶谷医学部看護学科長、本多共通教養長、齊藤都市社会文化研究科長、白石国際マネジメント研究科長、佐藤生命ナノシステム科学研究科長、田村医学研究科長、後藤附属病院長、榊原附属市民総合医療センター病院長、木下木原生物学研究所長、石川学術情報センター長 兼 学長補佐(研究・産学連携推進担当)、吉泉事務局長、小林学務・教務部長、渡邉研究推進部長、梶原東京工業大学生命理工学院長・教授、清水山梨大学理事・副学長
欠席: 朴生命医科学研究科長、土屋データサイエンス研究科長、中島先端医科学研究センター長

1前回議事録について
令和4年度第2回教育研究審議会(6/7)の議事録について確認し、了承された。学術企画担当係長より、外部委員のコメント(国内評価と海外評価をマッチングする視点をもった教学IRや教育指標の作成)について、欧米との高等教育機関との共通認識や本学の状況の補足説明があった。

2審議事項
(1)学生の懲戒処分について
学生担当係長より、データサイエンス学部2年次生の学生の懲戒処分案について説明があり、審議の結果、原案のとおり承認された。再発防止策について、当該学生にはカウンセリングの受診を勧め、担任教員との面談による生活面や学修面の指導を行うことが説明された。学生全体への啓発として、懲戒処分の掲示のみならず、オリエンテーション等での周知を検討する旨、補足があった。また、今回の事案もふまえ、横浜市立大学生としての社会的責任のある行動の心掛けの他、新型コロナウィルス感染症の防止対策の徹底やワクチン接種推奨、成人年齢引き下げに関する契約トラブルの防止等も盛り込んだ学長メッセージを夏季休業前に発出する予定である旨、コメントがあった。

(2)「横浜市立大学大学院生命医科学研究科と千葉大学大学院医学薬学府との間における 特別研究学生に関する交流協定書」の締結について
鶴見キャンパス担当係長より、「横浜市立大学大学院生命医科学研究科と千葉大学大学院医学薬学府との間における 特別研究学生に関する交流協定書」の締結について説明があり、審議の結果、承認された。生命医科学研究科と連携大学院の協定締結をしている理化学研究所所属の教員が、千葉大学でも指導しており、当該教員研究室所属の学生が修士論文を執筆する上で必要なデータを千葉大学大学院医学薬学府が保有していることから、千葉大学で当該教員の指導の下、研究を進める旨、補足説明があった。

3報告事項
(1)データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻博士後期課程の設置届出受理について
学術企画担当係長より、データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻博士後期課程の設置届出が文部科学省に受理され、文部科学省ウェブサイトに公表されたことついて報告された。今後は、入試の実施や、学位申請に係る制度設計の構築等について、設置準備委員会で継続的に審議していく旨、補足説明があった。これまで本学は、医学部とデータサイエンス学部を有する大学の先駆であったが、文部科学省の発表によると複数の医学部を有する大学が令和5年度にデータサイエンス関係の学部を新設するため、本学がヘルスデータサイエンス専攻の博士後期課程を申請することで、より特長のある教育・研究を推進してほしいとの依頼があった。

(2)学術情報センター図書資料購入経費の方向性について
学術情報担当係長より、学術情報センター図書資料購入経費の今後の活用・自主財源確保等に係る方向性について報告された。東京工業大学の状況について、費用負担は、大学、部局、図書館で分担し、費用の約半分が大学本体の負担となっており、電子ジャーナルの契約タイトル数は、可能な限り維持する方針で進めている。併せて、購入費の増加を抑えるため、論文掲載時に支払う論文掲載料を購読料に含める包括契約を出版社と締結したとのコメントがあった。山梨大学の状況について、研究に関係する安定的な財政基盤確立のため、科研費や研究外部資金等の間接経費を共通予算とし、研究の基盤となる電子ジャーナルも間接経費から拠出することで、購読料の高騰にも対応している旨、説明があった。併せて、運営交付金を充てるのは無理があり、本学においても、間接経費の支出割合の拡張の検討が提案された。国立大学協会、国立大学図書館協議会、文部科学省を交えたワーキンググループが、電子ジャーナルの高騰に対する方策を検討しており、この問題には組織的に対応する必要があるとの見解が示された。

(3)国際総合科学群4学部の教育・研究における特色について
学長から国際総合科学群4学部の教育・研究報告の趣旨説明があり、続いて資料に基づき学部長からプレゼンテーションがあった。

<学長>
昨今、研究における特長出しや地域活性化のための地域貢献が大学に求められている。本学の存在意義を明確にし、本学が必要とされる大学であり続けるため、社会の動向を的確に捉え、何を伸ばすのか積極的な議論が必要である。併せて、横浜市の財政状況は非常に厳しく、今後6年間で運営交付金の削減が見込まれている。大学が発展するためには、見合う投資が必要であり、効果的な大学運営が必須である。7月15日に市と市大協議会が開催され、横浜市と今後の方向性を議論する予定である。次回、結果を共有したい。

<国際教養学部>
(プレゼンテーション) 
深い思考力、柔軟な発想、理論に裏打ちされた実践力を身につけたグローバル化時代の未来を切り開く国際人の育成をコンセプトとし、国際教養学系および国際都市学系を融合させた教育を目指している。国際教養学系の学部の中に都市地域政策関連の教員がいること、国際都市学系の教員が地域貢献を担っていること、教育エフォートが高い教員が多いことが特長である。地域への就職も積極的に推進してきた。外部資金獲得が十分でないため、今後積極的に外部資金の獲得に努めていく。地域貢献として、教員の横浜市関連の兼職、エクステンション講座等を開講している。特色のある取組として、金沢シーサイドタウン並木地区の官民連携エリアマネジメントを実践する等、地域との密接な連携を継続している。また、横浜市との国際連携も積極的に実施している。

(質疑応答)
・外部資金獲得に繋がる研究について→金沢シーサイドタウン並木地区のプロジェクトはリステックスの社会技術研究開発事業の大型資金獲得に向けて応募し、富岡・能見台地区のプロジェクトは、共創の場形成支援プログラムに応募した。今後も、長年の地域連携プラットフォームを活かして、外部資金獲得に繋げたい。

<国際商学部>
(プレゼンテーション)
社会経済情勢の変化に迅速柔軟に対応し、変化をし続けてきた学部である。一番の特長は、2年次生の前期後半を第2クォーターと位置づけ、留学しやすいカリキュラムを編成したことである。また、2年次後期から、専門性を深化させると同時に、ビジネス英語の向上に努めるカリキュラムとなっている。領域横断型教育プログラム6つのうち、3つを国際商学部が牽引している。今後も、医療イノベーション経営管理人材育成プログラム、起業家育成プログラム、数理・データサイエンス・AI教育プログラムを推進し、データ思考を持った国際商学部生を育成していく。企画提案型実習やインターンシップ実習等の実業界で役立つビジネス英語教育や、神奈川産学チャレンジプログラムへの参加等の国際市場動向や社会経済活動に即した教育を提供している。併せて、英語で行われる講義も27科目開講している他、大学院早期履修生は国際マネジメント研究科博士前期課程で開講されている英語による専門講義も履修可能である。卒業生の就職先は、80%強が神奈川県内である。国際商学部は、教員の教育スキルも高いため、横浜市内を中心に優秀な卒業生を輩出し続けており、また、本学に憧れてポテンシャルの高い受験生が入学する。

(質疑応答)
・本学の学期制について→セメスター制を基本にしているが、2年次前期のみ、クォーター制を導入しているため、セメスター制およびクォーター制のミックス型である。
・英語による講義について→山梨大学では、英語で講義を実施する教員には評価で反映しており、今後はインセンティブも検討している。貴学でも、今後も英語による講義を推奨し、海外からの学生を対面およびオンライン両面で受け入れる等新しい授業の形態を発展させてほしい。
・国際商学部の一番の特長について→本学は医学部を有する大学であるため、国際マネジメント研究科が実施しているソーシャル・イノベーション社会人MBAプログラム(SIMBA)のような医療・健康・福祉の分野を融合させたプログラム実施を国際商学部の特長としていきたい。
・リカレント教育を実施する上での教員の負担について→本学の卒業生の協力を得て、実施していきたい。また、現在、大学院と横浜銀行で実施している横浜経営塾のような企業のリーダー向けの研修等をリカレント教育の一部として活用していきたい。
・今後の留学生の受入について→国際商学部では、現在3、4名に留まっているが、さらに増加させることができるよう、留学生の入試等の工夫を検討したい。

<理学部>
(プレゼンテーション)
学科やコースに分かれず、物理、化学、生物、数学を万遍なく学修し、先端研究に対応できる専門分野に分かれて研究を通じた教育を実施している。また、女性の学生数の比率も高い。早期に研究に触れることが可能な理数マスター育成プログラムや、医学部と協働で医理連携教育を実施している。高大連携教育も実施していることから、横浜市立高校からの入学者が多い。市民講座や体験型学修の開講、研究室解放等、地域貢献にも寄与している。今後も、研究活動を重視し、真理の探求をベースにした課題発見・解決能力や自己管理能力、国際力を養える教育を実施したい。

(質疑応答)
・他大学の理学部と比較したときの本学の強みや弱みについて→大学の規模により、理学部の状況が全く違うが、生命系に特化していること、医理連携を推進していることが大きな特長となる。
(コメント)
理研との連携について、地の利を活かした全面的な強みとした方が本学の特長となる。

<データサイエンス学部>
(プレゼンテーション)
応用数学、情報工学や情報科学、ビジネスのスキルをバランスよく身につけるカリキュラムを提供している。社会実装の意識を持った教育が重要で、教員の授業のみならず、企業の方による実務経験を踏まえた講義を実施している。協力連携企業を開拓し、3年次生の学生を企業へ派遣して課題解決型実習を実施している。高い入試倍率を維持しており、優秀な学生が入学する。その後の進路は、本学の大学院生として学修を続ける者が40%いる。ヘルスデータサイエンス専攻では、主に横浜市内の病院勤務の医師がデータサイエンスについて学修し、データサイエンス思考を身につけている。教員の研究も医療・マーケティング・人工知能等多様な応用分野で展開しており、共同研究や国・自治体委員への就任で地域貢献にも取り組んでいる。

(質疑応答)
 なし

4その他

◆外部委員より以下のコメントがあった。
・国際商学部、データサイエンス学部、医学部を有する特長を活かして、文理融合した取組を推進するとよい。今後、国レベルでも「Wメジャー」がキーワードとなる。文理双方が分かる人材が重宝されるようになる。「共創の場形成支援プログラム」の採択研究は、地域の特長を全面的に出している。市大も、横浜市の様々な特長を取り入れて、他の地域にはない特色を打ち出すとよい。

・ヘルスデータサイエンス専攻の博士後期課程について、医学部で6年間学修した後、在職しながらヘルスデータサイエンス専攻でPh.Dを取得する道筋ができると思われる。
横浜市立大学の「留学生就職促進プログラム認定制度」の採択にあたり、本学(山梨大学)の担当者に伝えたところ、市大との連携に関心を示していた。機会があれば連絡いただきたい。なお、大学の特色出し(留学生の獲得)に関連して、本学の大学院レベルでは入試時に日本語能力を要求せず、合格後に特訓し、入学後も大学と企業との共同研究に参画させて実践させている。

◆学長より以下のコメントがあった。
長時間、審議会にご参加いただき御礼申し上げる。各学部のプレゼンテーションでは、本学の強みのみならず、弱みも発見することができた。それらを活かして、今後の発展に繋げていくため、引き続き皆様のご指導をお願いしたい。

以上 次回開催予定:令和4年8月2日(火)16:10 Zoom開催(中継拠点:金沢八景キャンパス 第一会議室)

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