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第5回教育研究審議会

第5回教育研究審議会

議事録

日時:令和3年9月7日(火)16:10~18:15
開催形式:Zoom開催
中継拠点:金沢八景キャンパス大会議室
委員:相原学長、中條副学長、遠藤副学長(座長)、橘国際総合科学群長、寺内医学群長 兼 医学部長、鈴木国際教養学部長、大澤国際商学部長、横山理学部長、汪データサイエンス学部長、叶谷医学部看護学科長、本多共通教養長、齊藤都市社会文化研究科長、白石国際マネジメント研究科長、佐藤生命ナノシステム科学研究科長、朴生命医科学研究科長、立川データサイエンス研究科長、田村医学研究科長、榊原附属市民総合医療センター病院長、石川学術情報センター長 兼 学長補佐(研究・産学連携推進担当)、折舘先端医科学研究センター長、相原事務局長、小林学務・教務部長 兼 学長室長、渡邉研究推進部長、篠﨑国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センター特別顧問、西村慶應義塾大学名誉教授、

欠席:後藤附属病院長、木下木原生物学研究所長、井村学長補佐(国際化推進担当)

1前回議事録について
令和3年度第4回教育研究審議会(8/3、メール審議)の審議事項(1)について学術企画担当係長より参画中の公募事業の概要説明および進捗状況の報告があり、確認した。国際商学部長より、大学教育に資するよう取組み、採択が決定した場合は教育研究審議会にて報告する旨、補足があった。

2審議事項
(1)データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻博士後期課程の開設について
学術企画担当係長より、データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス(以下、HDS)専攻博士後期課程の開設について説明があり、審議の結果、承認された。HDS専攻長より、アンケートの結果や開催者の反応等からも、博士後期課程のニーズは高いと確信し、現在、教員・体制・カリキュラムの整備を行っている旨、補足説明があった。委員より、アンケート回答者における学生と社会人の構成比率について質問があり、約2割が学生、約8割は社会人で、入学意思を有する方たちが回答している印象がある旨、説明があった。併せて、入学意思を有する方に合わせ、授業実施方法等に配慮があるとニーズが高まるとの見解が示された。また、3名の定員について、HDS博士前期課程修了者の受入を想定しており、求める学生像はHDS博士前期課程修了者、または他大学、海外大学にて同様のトレーニングを受けた方であり、内部と外部の入学受入比率は、内訳では内部学生が2人、外部学生が1人を想定している旨、説明があった。今後のスケジュールで、設置者である横浜市への承認手続きの確認があり、9月24日開催の横浜市会の常任委員会に、理事長と事務局長が参考人として招致されて説明を行う予定である旨、回答があった。

(2)Udemy(eラーニングシステム)活用に関するデータサイエンス学部の決定について
教務担当係長より、Udemy活用を取り下げるとしたデータサイエンス(以下、DS)学部の決定についての説明があり、審議の結果、承認された。DS学部長より、令和3年2月にUdemy向けコンテンツの開発を決定したが、その後の事情の変化により、DS学部としてはUdemyとの連携を取り止めることを令和3年7月の学部教授会で決定した旨、説明があった。本来は、覚書の締結前に、問題確認が必要ではなかったかとのコメントがあり、認定制度検討前であり、当時は締結という結論になったとの回答があった。覚書におけるコンテンツ作成の法的拘束力は、第6条で、有効期間は5年間だが、拘束力はないと認識しているとのコメントがあった。事務局より、本学がコンテンツを作成せずとも、契約違反は発生しない旨、ベネッセに確認済みと説明があった。契約行為は複雑であり、本来は十分精査すべきで、今後の交渉は、教員のみでなく、事務局も最初から入って調整すべきであるとの見解が示された。DS学部長から、Udemy導入の経緯として、反転授業を行うツールにする、本学の教育を他大学へ展開するという目的があったが、Udemy導入取り下げ後の当初目的の実現方法について、具体的な結論には至っていない。DS学部の老舗としてのプライドやビジョンを持って、他大学へ貢献していく方法を議論していく旨、説明があった。

(3) 株式会社データビークルとの産学連携基本協定の締結について
知財・契約担当係長より、株式会社データビークルとの産学連携基本協定の締結についての説明があり、審議の結果、承認された。DS学部長より、教育面では、D-STEP事業が平成30年から始まり、特にPBL科目で継続的な協力を得ている。研究面では、グループワークを伴う遠隔授業におけるDS教育の在り方を論文化し、今年度はPBL実習の研究課題で科研費も獲得している。今後は共同研究の検討も行っていく旨、補足説明があった。委員より、協定書の有効期間が、D-STEP事業の終了期限までとしている理由の質問があり、担当教員に確認の上、次月に報告する旨、回答があった。今回添付された「研究機関等の包括的な協定」リストについて、委員より担当教員の転出やエフォート管理の理由から締結の終了を含めた見直しを検討していると聞いていたが、どのように考えているのか確認があり、DS学部長より、協定件数が増加し特に年数が経過した協定の担当教員の明確化を要するが、一部退職教員が窓口となっていた案件もあり、見直しを行っている旨、補足説明があった。

3報告事項
(1)医学部・病院等再整備(将来計画)「基本計画」に係る全体方針について
企画財務課企画担当課長より、医学部・病院等再整備(将来計画)「基本計画」に係る全体方針について概要資料が提示され、報告された。

(2)JICA 長期研修員受入プログラムについて
国際交流担当係長より、令和4(2022)年度以降のJICA 長期研修員受入プログラム受入意向調査の各研究科の回答について報告された。また、令和3(2021)年度秋にナイジェリアから受入予定のABEプログラム学生1名が辞退したことが報告された。

(3)Greater Tokyo Biocommunityへの参画について
研究企画担当係長より、経済産業省が設立する「Greater Tokyo Biocommunity協議会」への参画について報告された。

4その他
・公正で責任ある研究活動の実施に向けて(意見交換)
研究リスクマネジメント部門長より、公正で責任ある研究活動の実施に向けて、特に教員と学生の意識の乖離などの課題提起があった。委員より、この時期に議論する理由の確認があり、レポート等の不正行為に関する学生アンケート結果が出たこと、教育研究自己点検評価委員会で各学部・研究科が作成した自己点検Planシートの研究倫理教育の記載内容が十分でない学部・研究科があったことにより、次年度以降の方向性について議論する要望がある旨、報告があった。今後、自己点検評価シートに研究倫理教育の記入項目欄を設け、教育研究自己点検評価委員会で議論すべきかの確認があり、現時点では、学生のアンケート結果を精査し、今後の教育内容について議論してほしい旨、回答があった。委員より、最初に、学部内の研究倫理教育内容について議論する旨、提案があり、学部教員管理職からコメントがあった。
以下、各学部長からのコメント
<共通教養>教養ゼミでレポートの書き方を最初に指導し、教員からフィードバックすることで学生の力を伸ばし、間違いを修正できると考えている。入学時から標準的な倫理教育を学生と共有したい。

<国際教養学部>基礎ゼミでは、教養ゼミで学修した不正防止等の内容を学生から発表させ、また、資料や論文の検索方法、不正や剽窃の問題を考える時間を1時間組み込んでいる。教養ゼミでは、教員により教授方法が違うという学生の意見があるため、一律に映像教材を作成し、全員が同じ教材を視聴して学修するとよいのではないか。また、2年次以降も専門教育で継続して指導する必要があり、学部で議論していく。

<国際商学部>教養ゼミでレポートの書き方、引用方法、研究の土台をつくれると考えている。卒業論文を最終目標に照準を合わせて、段階的に研究作法を学ばせる指導方法を学部の教員と共有しているが、1年次後期ゼミからの専門分野で、各担任が個別教育をしていく。

<理学部>教育面では、レポートの書き方は基礎実験で、研究倫理は基礎ゼミや2年次の必修科目で学修し、研究面では、卒業研究、もしくは大学院の研究を通して、実体験を元にデータの歪曲等の研究不正について学修しており、教育と研究では違うアプローチで指導するという現行の形式が最善であると考えている。

<DS学部>所有権、透明性、プライバシーを中心にデータ倫理に考慮した講義をしており、情報倫理に関しては専門の科目がある。また、大学院レベルでは、アルゴリズムのバイアス、人工知能の原則の学修が課題である。情報倫理は専門教員がおらず非常勤に頼っている現状であり、DS学部の完成年度後には、専門教員が責任をもって担当することを検討している。

<医学部>6年間で科学的、倫理的に問題ないレポートやプレゼンテーションを仕上げるには、カリキュラムが重要である。学生と教員間のズレについては、教員間でも認識差があり、教員内の目標設定が必要である。

委員より、教養ゼミの重要性、教員間の認識の差の浮き彫り、研究倫理の学修は入学後・卒論執筆中・研究者の養成課程に重点が置かれることが明確になったとの見解が示された。研究リスクマネジメント部門長より、次年度以降、具体的な解決策を教員間で引き続き議論し、また、公正な研究が学生の成長や社会貢献となり、自己発展につながることを学生に認識させる教育が必要と説明があった。今回は、学部卒業までの意見交換となったが、今後は、大学院での研究倫理教育について、また、大学院卒業後、教員として学生に倫理教育を指導する方法について、議論すべきとの意見があった。

・外部委員より以下のコメントがあった。
・理化学研究所の場合、研究者の研究倫理に関しては、eラーニング、面接、メンター等による指導により、毎年教育している。研究者としての在り方を教育することは重要で、疑わしい情報も多い為、情報の真偽についても教育することが必要である。
・研究倫理教育においては、教員のみならず、上級生、大学院生等、学生が気軽に相談できる身近なアドバイザーがいるとよいのではないか。教育の入り口で学生が安心できるはずである。また、研究者にも同様に、アドバイザーがいるとよい。


・学長より以下のコメントがあった。
色々な先生方の意見が聞けて、議論は有意義であった。管理職の先生方は研究倫理について理解していただいているが、特に教養ゼミの担当の先生方には非常勤の先生方が多く、学内会議にも出席されないため、我々が議論しているような情報も入りにくい。学生に接する先生方は、立場を問わず、全員で教育内容や目標を共有して、意識を共にしていただきたい。
以上 
次回開催予定:令和3年10月5日(火)16:10 Zoom開催(中継拠点:金沢八景キャンパス大会議室)

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