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国際マネジメント研究科 中條 祐介 教授が日本会計研究学会で学会賞を受賞しました!

国際マネジメント研究科 中條 祐介 教授が日本会計研究学会で学会賞を受賞しました。 
受賞論文: 中期経営計画情報の自発的開示行動とその企業特性

概要

論文掲載雑誌: 『會計』第180巻第6号、2011年12月号、pp.57-71
賞: 日本会計研究学会 平成24年度 学会賞
受賞日時: 2012年8月30日 日本会計研究学会 第71回大会 一橋大学兼松講堂
*日本会計研究学会は、1937年に設立され、2011年3月31日時点での会員数は1857名に及ぶ大規模な学会です。















(写真)授賞式の様子

研究概要

【目的】
将来情報の一つである中期経営計画情報*1)に焦点を当て、当該情報の作成に関する実態を明らかにするとともに、これを自発的に開示している企業の特性を実証的に明らかにすることです。

【特徴】
 管理会計情報*2)としての側面が強かった中期経営計画の外部報告への利用という点に光を当て、アンケート調査により情報作成者の態度、志向等について明らかにしていることです。この調査により、アンケート回答企業の内、当該情報策定企業の過半数が投資家への説明資料と位置付け、開示していることを明らかにしました。
 中期経営計画を自発的に開示している企業の特性を検証していることです。この検証を通じ、第1に、開示企業は非開示企業に比べて企業規模が大きく、社外取締役比率が高いということを明らかにしました。このことから、企業の自発的開示行動については、コーポレート・ガバナンスの要素が影響していることを指摘しています。第2に、中期経営計画情報を投資家向け説明資料と位置付ける企業は、そうでない開示企業に比べ利益の質が高いことを明らかにしました。第3に、財務目標を含めて開示する企業は、非開示企業に比べて利益の質、企業規模、外国人持株比率、社外取締役比率の高さで有意な差が認められることを明らかにしています。

【貢献】
 管理会計情報と考えられてきた中期経営計画の外部報告利用*3)という企業行動に関する実態を明らかにした点です。かつて財務報告の将来像として管理会計情報と財務会計情報の融合が指摘されましたが、本論文はその実践例の一端を解明したものといえます。
 自発的開示*4)を選択する企業の特性を明らかにするとともに、企業の情報開示とコーポレート・ガバナンスの関係性を示したことです。

今後の期待

 現在の日本企業は、以前に比べて資本市場の圧力のもと短期的な成果の達成に追われています。また、企業を取り巻く環境変化が激しいため、中長期的な視点で経営を考えることが難しくなっているという事情もあります。しかしながら長期的な視野に立った経営は日本企業の強さの源泉の一つでもありました。中期経営計画情報は、日本企業の長期的視野に立った経営を説明する材料として機能する可能性があります。会計基準の国際的標準化が進行すればするほど、日本企業の特徴を伝達するツールの開発は意味をもつともいえます。日本企業復活に向けた財務報告・情報開示の在り方を考えるきっかけになればと考えます。

用語解説

*1)中期経営計画
長期経営計画の内容を中期的な期間(3年程度)で達成すべき項目と方向性を示  したもの。

*2)管理会計
経営者の意思決定に役立つための情報を生産・報告する会計のこと。

*3)外部報告
投資家をはじめとする企業外部の資金提供者などに向けて報告を行うこと。財務会計は外部報告会計と呼ばれることもある。

*4)自発的開示
企業の情報発信には法律により強制されるものと、企業の判断で任意に発信されるものとがあり、後者のこと。