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医療の「地域格差」を数字で見える化! 社会の変化に合わせた医療提供体制を構築
データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻 准教授 金子 惇
「近くに信頼できるお医者さんがいること」は、私たちが安心して暮らすための土台です。しかし、都会と地方で医療の質に違いはあるのか? 良い医師・良い診療所とは具体的に何が違うのか? これまで経験則やイメージで語られがちだったこれらの問いに、「ヘルスデータサイエンス」という武器で答えを出そうとしているのが、データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻の金子惇准教授です。
金子准教授の研究の柱は、「プライマリ・ケア(身近な地域医療)」の質をデータで評価することにあります。単に病気を治すだけでなく、患者の背景を理解し、継続的に関わる医療。その価値を証明するために、膨大なデータを分析し、いくつかの重要な関連性を明らかにしました。
また、日本の医療において「地方の医師不足」は深刻な課題ですが、そもそも「どこからが地方(へき地)なのか」という定義は曖昧でした。そこで、日本独自の「Rurality Index(へき地指数)」の開発に取り組んでいることも特筆すべき点です。
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ゼロから生命を育む環境を創り出す—不妊治療の未来を拓く挑戦
医学研究科臓器再生学 講師 佐藤 卓也
私たちがこの世に生を受けるための第一歩である「精子」。この精子ができる複雑なプロセスを、体外(試験管の中)で完全に再現するという驚異的な研究が進んでいます。医学研究科 臓器再生医学の佐藤卓也講師らのチームは、2026年、立て続けに2つの画期的な成果を発表しました。これらは「精子ができる環境そのものを創り出す」という、再生医療の新たな扉を開くものです。
1. 「精子の工場」をゼロから組み立てる
—— マウス多能性幹細胞から精巣組織の再構築に成功
2. 時を戻し、胎仔期からの「精子発生」を再現
—— 胎仔精巣からの体外精子形成に成功
佐藤講師チームの一連の研究成果をまとめてご紹介します。 -
免疫学および微生物学の未解決課題に挑み、難治性炎症疾患や感染症治療への応用を目指す
医学研究科 微生物学 教授 浅野 謙一
「免疫細胞が炎症や病気の回復にどう関わるのか?」ということをテーマに研究をしています。例えば、細菌やウイルスなどの微生物が体に入ると、免疫細胞はそれを排除しようとします。でも、攻撃しすぎると今度は自分の体を傷つけてしまうことがあります。特に、感染症や慢性炎症では、免疫細胞の働きが病態を左右するため、うまくバランスを取ることが大切です。ここでポイントになるのが、「微生物と免疫の関係」を知ること。細菌やウイルスが体の中に侵入するとき、免疫細胞はそれを排除しつつも、自らの働きを適切に制御しなければなりません。微生物の戦略を知ることで、免疫の応答をより深く理解でき、新たな治療法の糸口が見えてきます。私は、免疫細胞が過剰な応答を抑え、炎症で傷ついた組織を再生する仕組みを理解することで、自己免疫疾患や炎症性疾患、難治性の慢性感染症などの治療法開発に挑戦しています。 -
観光という現象を地理学の視点から分析し捉えようとする学問、観光地理学の研究
都市社会文化研究科 都市社会文化専攻准教授 有馬 貴之
研究の調査の一つとして空間分析、つまりGIS(地理情報システム)を用いた人の流れの解析があります。どこにいた人が、どんな動機を持って、どんな手段で、どこに移動しているのか、そこで何をするのか、といった情報は、地域の魅力を客観的に理解し、かつ観光地や地域、商業施設など、あらゆる空間の活用のためのヒントになります。
活用といっても、来場者数が多ければ多いほど良いというわけではありません。オーバーツーリズムといって観光客が増えすぎることで地域住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼし、問題になった観光地も多くあります。いずれにせよ、観光客の行動を分析し、理解することができると、それはさまざまなことに応用できます。
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