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診療科・部門案内

乾癬センター

基本方針

乾癬は皮膚だけではなく、関節炎や生活習慣病をはじめとした様々疾患を合併することが知られています。そのため、当院の乾癬センターでは、乾癬を専門とする皮膚科医に加えて、リウマチ内科や糖尿病内科の医師が加わることで、乾癬とそれに関連した合併症を各科の専門的視点から一括的に診察し患者さんにとって最適な治療を提供することを目指しています。

部門の概要

施設組織図施設組織図

 乾癬センターでは皮膚科、リウマチ内科、糖尿病・代謝内分泌内科が中心となり、乾癬とそれに関連した合併症を多診療科・多業種が協力して、一括的に診察・治療できる体制をとっています。
 特に早期の診断と治療が難しい乾癬性関節炎については、関節エコーやMRIなどの積極的な画像検査に加えて、皮膚科とリウマチ内科の合同外来で患者さんを同時に診察することで診断のみならず、治療方針についても情報共有し、早期の診断と適切な治療介入を目指していきます。
 また、乾癬の皮疹や関節炎の悪化にかかわる肥満やメタボリックシンドロームについても評価を行い、治療や生活習慣の改善が必要な患者さんには糖尿病・代謝内分泌内科の診察や栄養部での食事指導も行っていきます。このように皮膚だけではなく乾癬に関連した合併症のトータルマネージメントを行うことが乾癬センターでは可能となります。

実績

 乾癬センターは令和4年4月から稼働したばかりですが、既に多くの患者さんをご紹介頂いています。特に関節炎を合併する乾癬性関節炎が疑われる患者さんについては皮膚科とリウマチ内科の合同外来を通じて正確な診断と適切な治療を提供し、皮膚と関節の理想的な治療を目指す皆様のお手伝いをさせていただきます。

医師紹介

乾癬センター長
皮膚科 山口 由衣

念願であった乾癬センターを立ち上げることができ、嬉しく思います。乾癬は、皮膚だけではなく、関節炎や生活習慣病を含め、全身の様々な炎症とつながりのある免疫の疾患です。多くの方は、皮膚症状が先行しますので、早期から皮膚症状を上手にコントロールし、他の病状が出現してこないかに気を配り、もしくは、それら併存症もともに治療しながら、総合的にマネージメントすることが重要です。近年、乾癬の治療は驚くほどの進歩を遂げています。乾癬に関わる様々な診療科から専門医が診療に携わり、個々の患者さんの病状や生活環境に合わせた最善の治療を提案します。また、より良い医療を提供できるように未来志向の研究にも力を入れていきます。お困りの方は是非ご相談ください。

副センター長
血液・リウマチ・感染症内科 桐野 洋平

乾癬は皮疹、関節炎など様々な全身症状を起こす疾患です。関節や腱の痛みは強いものの、あまり腫れなかったり、採血での炎症反応が軽微なことも多く、診断までにかなり時間がかかることがあります。また、様々な薬剤を使用しても症状が改善しないことも多いです。本研究センターでは、このような臨床現場での診断や治療の問題点に答えるために、リウマチ内科の立場から乾癬に関わる関節症状の診断と治療の最適化を図ります。また乾癬の治療開発や基礎研究も推進します。

副センター長
皮膚科 渡邊 友也

乾癬は皮疹だけではなく、様々な合併症を伴う全身性の炎症性疾患です。最初に乾癬の患者さんに接することが多いのは皮膚科医であり、皮疹のみならず全身を正しく評価し、リウマチ内科や糖尿病内科の先生方と適切に連携をとることが重要です。当センターでは、多職種の医師とコメディカルが密接の連携することで患者さんにより適切な乾癬の治療と全身の治療を行えるようにしていくことを目指しています。その強みを活かしつつ、皮膚科医の立場から乾癬の診断と患者さんの希望や意見を取り入れた適切な治療の提供を行っていきます。乾癬に関連した困ったことがありましたら、積極的に担当医にご相談ください。

糖尿病・代謝内分泌内科
奥山 朋子

乾癬患者においては、肥満や糖尿病(耐糖能異常)、脂質異常、高血圧をはじめとするメタボリックシンドロームの合併率が高いことがよく知られています。乾癬は全身性の炎症を介してインスリン抵抗性を惹起し、メタボリックシンドロームや心血管疾患といった併発症を引き起こす “全身疾患である” という概念が提唱されており、乾癬診療においては皮膚科医と内科医との連携が重要であると考えます。早期から併発症を発見し、その治療を行うことは、乾癬自体の改善にもつながっていくと期待しています。私自身はインスリン抵抗性や、皮膚と代謝疾患との相互作用に関して興味を持ち基礎研究にも従事してきました。乾癬とメタボリックシンドロームの関連についてはまだ不明な点も多くありますが、乾癬センターにおける多面的な診療によって、乾癬治療の発展に努めたいと思います。。

対応疾患・診療内容の詳細