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基本方針

  1. 診療ニーズに応える画像の提供および治療技術の向上に努める。
  2. 柔軟な対応により、患者サービスの向上に努める。
  3. 適切な放射線の管理をおこなう。

放射線部は、病院理念「市民が心から頼れる病院」を念頭に放射線診療を行っています。放射線診断の分野では、質の高い的確な画像情報をもたらす放射線撮影技術の提供を、放射線治療の分野では、高精度で最大の治療効果をもたらす放射線治療技術の提供を念頭に業務を行っています。

部門の概要

放射線部は、放射線診断部門(一般撮影・X線透視・CT検査・血管撮影・骨密度検査・PET-CT検査を含む核医学診療・MR検査 )と放射線治療部門で構成されています。

2階 放射線部

一般撮影検査

胸腹部撮影・骨撮影・小児撮影・乳房撮影・歯科用パントモ・セファロを実施しています。X線撮影装置は全てFPD化しており、ハイブリッド長尺システムにて全脊椎・全下肢撮影が可能となっています。

  • 一般撮影検査の様子①
  • 一般撮影検査の様子②

X線透視検査

X線透視検査は、リアルタイムにX線を照射しながら検査部位を透視・撮影する検査です。代表的な検査は胃や大腸などの消化管バリウム検査です。近年では内視鏡や超音波装置を併用した治療が多くなっています。当院では、多目的透視診断装置3台に加え、内視鏡センターにある透視装置も技師が対応しています。

X線CT検査

X線CT検査は、身体のX線撮影をおこない検査部位の横断像を作成します。当院では、320列CT装置を含めた3台の装置や3Dワークステーションを設置しています。320列CTは短時間で広い範囲の撮影が可能で様々な検査に応用しています。撮影された横断像は画像作成用のコンピュータで処理を行い、様々な断面像や3D画像を作成して診断や手術支援などに役立てています。

X線CT検査の様子X線CT検査の様子

血管撮影検査

当院では、心血管撮影や多目的撮影が行える3室を設置しています。血管撮影検査は、血管内にカテーテルという細い管を挿入し、造影剤を注入してX線撮影を行ない血管性病変の診断を行っています。また近年はIVR(ステントやバルーンを用いた血管内治療)も盛んに行われ、診断と治療を同時におこなう事が多くなっています。当院では、血管撮影装置にCT装置を組み合わせたIVR-CTを保有し、透視画像に3D画像や断層画像を重ね合わせて、より正確な診断と安全な治療に役立てています。その他、冷凍手術器を用いた小径腎がんに対する画像ガイド下凍結療法等の最新治療も行っています。

血管撮影検査のスタッフ血管撮影検査のスタッフ

骨密度検査

骨密度検査は、エネルギーが異なる2 種類のX線を使用したDEXA法で骨密度を測定しています。体内を通過したX線の透過量の差を用いて、骨成分と軟部組織を分離させて骨密度を算出しています。若い人の平均値を100%とした時に、自分の骨の量が何%かで表示します。骨密度検査の中で、最も精度が高い検査法と言われ、放射線の被ばく量も少ない利点があります。

骨密度検査の様子骨密度検査の様子

地下1階 放射線部

MR検査

MR検査は静磁場とラジオ波を利用し、身体の内部を多方向から撮像します。骨に囲まれた脳や脊髄だけでなく様々な部位の撮像が可能で、造影剤を使用しなくても血管を描出することができます。また、静磁場を利用して撮像を行うため放射線による被ばくはありません。ただし、強力な磁力を利用しているため金属(磁石に吸着する金属)を装着している患者さんは検査ができません。当院では、1.5T(テスラ)装置を2台、3T(テスラ)装置を1台設置しています。

核医学診療

当院では、PET-CTを2台、SPECT-CTを1台設置し、サイクロトロンを用いたPET用製剤の製造も行っています。

≪核医学検査≫
シンチグラフィは、放射性医薬品の体内分布や量、組織・臓器の機能や代謝の状態を画像化する検査です。SPECT検査では体の周囲を装置が回転し断層像を得ることが出来ます。当院では脳血流、心筋の血流、骨の異常、悪性腫瘍等の診断をおこなっています。

≪PET-CT検査≫
PET-CT検査は主に悪性腫瘍の病期、転移、再発の診断に有用な検査です。CTを同時に撮影し、PET画像と重ね合わせることで正確な病気の場所を同定することができます。また、核医学検査を用いた臨床研究や治験へ参加し、先進的な核医学診療の支援をおこなっています。

PET-CT検査の様子PET-CT検査の様子

≪核医学治療 RI内用療法≫
核医学治療は、治療用放射性同位元素を用いて治療を行います。経口または静脈内に薬剤を投与し、特定の疾患部やがん病巣部に薬剤が取り込まれ、薬剤からの放射線により治療を行います。当院は、以下の核医学治療を外来または入院(特別措置病室)により対応しています。

  • 放射性ヨウ素(I-131)を用いた甲状腺機能性結節
  • 放射性ヨウ素(I-131)を用いた残存甲状腺の破壊
  • 塩化ラジウム(Ra-223)を用いた骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
  • ルテチウム(Lu-177)を用いた神経内分泌腫瘍

放射線治療

リニアック2台と腔内照射装置1台を備え、専任の医学物理士を配置しています。通常照射に加え定位放射線治療(SRT)、回転型強度変調放射線治療(VMAT)などの高精度放射線治療を実施しています。

≪外部照射≫
外部照射では、リニアックと呼ばれるエネルギーの高い放射線を発生させる装置を用いて、体表面や体内にある病巣に放射線を照射します。当院では、目的臓器に集中的に放射線を照射する高精度放射線治療(強度変調放射線治療:IMRT)も実施しています。

放射線治療の様子放射線治療の様子

≪腔内照射≫
一時的に、体の内側の管腔部位にアプリケータと呼ばれる細い管を挿入し、その管の中に放射性物質を配置して病巣に放射線を照射します。遠隔操作で治療が実施できることからRemote After Loading System(RALS:ラルス)と呼ばれています。当院では、主に子宮頚癌の治療を外部照射と併用して行なっています。

≪前立腺癌小線源治療 ブラキセラピー≫
体内の病巣部位に放射性物質を直接挿入して放射線を照射します。当院では、前立腺癌に対し、ヨード125シード線源による前立腺永久挿入密封小線源治療を実施しています。

実績

令和4年度 主な検査・治療実績

  件数   人数
CT検査 38,780 高度放射線治療(IMRT) 162(148)
MR検査 10,968 腔内治療 174
PET-CT検査 2,805 核医学治療 105