集中治療部

集中治療室は1968年設立という、日本の大学病院のなかでも有数の歴史を誇ります。現病院では4階に位置しており、年間600-700名の患者さんが入室されます。大学病院という性格上、侵襲度の大きな手術が少なくありません。具体的には成人および小児の心臓大血管手術、脳神経外科、肝臓移植術、肝臓癌、膵癌、胆嚢癌、食道癌などの手術が行われており、その術後患者さんを集中治療室に収容します。また、術後ではなく入院、再来患者さんのなかで重症な感染症やショック患者等も入室対象となります。集中治療室内では、最新のモニタリング機器のもと、人工呼吸管理、人工心臓管理、持続および間欠的血液濾過透析など様々な生命維持装置の稼働が常時可能で、重症患者さんの救命に貢献しております。患者さん2名にたいし少なくとも1名の看護師が配置され、集中治療部専従医師により24時間、365日常駐体制が敷かれています。患者さんの入室時、および毎朝のICUカンファランスには集中治療部医師、主治医に加えて看護師、臨床工学技士、薬剤師などが参加しており、歯科医師、理学療法士による定期的な回診も実施され集学的治療を実践しています。重症患者で終末期医療に移行する場合には、多職種でカンファレンスを行い、患者さんや家族の意思決定を尊重して最適な治療方針を決定しています。
また、2020年度から集中治療における遠隔診療(Tele-ICU)を用いた診療支援も開始しており、医療の質改善や働き方改革に繋がるテクノロジーの積極的な活用をしています。
集中治療室では、入室した患者さんのデータを活用して重症度アルゴリズムの構築や医療の質の評価を行なっています。将来の医療に繋がる研究活動も活発に行なっております。