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診療科・部門案内

感染制御部

基本方針

院内感染対策は、安全で質の高い医療を提供するために必要不可欠なものです。感染制御部は病院の管理部門として、感染症に強い医療環境の整備、感染対策に関わるマニュアル作成、耐性菌の監視や抗菌薬(抗生物質)の適正使用など病院全体を見渡す役割を担っています。

また、昨今では新型コロナウイルス、インフルエンザをはじめとする市中感染症が病院にも大きな影響を与えています。流行状況にあわせて市中の感染症から病院を守るための対策や、職員のワクチン接種計画などの策定にも関わっています。保健所など行政、地域の病院や診療所との連携も大切です。

部門の概要

当院の感染制御部は,医療の質・医療安全の要素の1つである「医療関連感染」の予防と対策を職務とする部署として2007年9月に設置されました。感染制御部は医師、歯科医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師、事務職員より構成されています。各職種の専門性をいかし、抗菌薬の使用量や、耐性菌やウイルスの検出状況を常に把握し、すみやかに対策できる体制を構築しています。

高度医療を提供している大学病院では抵抗力が低い患者さんが多く、医療に関連した感染症(医療関連感染症)の発症予防のための環境整備やルール作り、医療機材の導入、また感染症関わる知識や職員教育活動など、平時からの対策を担当しています。

新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、抗生物質の効かない細菌(耐性菌)の感染対策の重要性が社会的に問題となっています。院内での耐性菌検出やウイルス感染症の発生など緊急性が高い事案を早急に覚知し、臨床現場への指導を行うことも私たちの仕事です。

院内では各部署、診療科ごとにリンクナース、リンクドクターを配置し、感染対策が必要な際には協力して対応をしています。

部門の概要図部門の概要図

実績

1)感染対策委員会(月1回開催)

病院長、診療科部長のうちから病院長が指名する者、医学・病院統括部長、看護部長、臨床検査部長、薬剤部責任者、栄養部担当係長、物品管理担当係長(滅菌業務担当責任者)、委員長が指名する部会の長、その他病院長が必要と認める者により構成されます。多角的な視点での議論を通して、附属病院の感染対策を検討するとともに迅速な対応を行います。

2)感染対策推進部会(月1回開催)

感染制御部長、感染管理担当看護師、各診療科医師 看護部各部署看護師 中央部門・事務部門により構成されます。感染対策委員会の下部組織として、附属病院の感染対策を推進するために、感染管理に関する専門的知識・技術を習得、周知し、継続的に監視を行います。

3)感染リンクナース会(月1回開催)

業務担当副看護部長、感染担当看護師長、感染管理認定看護師、看護部各部署看護師により構成されます。感染対策委員会の下部組織として、附属病院の感染対策を推進するために、感染管理に関する専門的知識・技術を習得、周知し、継続的に監視を行います。

4)抗菌薬適正使用支援チーム(AST)活動

感染制御部長の指名により、少なくとも医師1名、看護師1名、薬剤師1名、臨床検査技師1名を含む構成員で構成されます。ASTは、次に掲げる活動を行います。

  モニタリング件数 介入件数
2024年度 平均 230件/月 平均 69件/月
2023年度 平均 263件/月 平均 59件/月
2022年度 平均 233件/月 平均 53件/月
2021年度 平均 204件/月 平均 43件/月
2020年度 平均 189件/月 平均 29件/月

5)インフェクション・コントロール・チーム(ICT)

専門的な感染対策が必要とされる院内感染対応事例、アウトブレイク、薬剤耐性菌 検出時等に、対応立案、実施の実地指導のため感染制御部部門員及び数名の専門診療科医師で構成されています。

主な活動内容

・院内感染、アウトブレイク、薬剤耐性菌の発生状態の把握・調査ならびに対応
・抗菌薬使用など感染症マネージメントについての提案、指導
・ベッドコントロール、隔離についての提案、指導
・対応マニュアルの作成
・各種サーベイランス
・地域行政との連絡、協議

6)院内での感染対策の職員研修会

就職時の初期研修に加え、全職員を対象に年2回程度定期的に研修を開催しています。医療関連感染の現状の把握や医療関連感染防止、HIV 感染症に関する諸問題、更にそのほかの感染症や感染対策についての最新情報や問題などについて共有化し、そのほか必要に応じて開催しています。

主な活動実績(2024年度実績22件)

・感染予防対策(標準予防策、針刺し防止対策)
・手指衛生
・抗菌薬適正使用支援に関する勉強会
・感染対策講演会(年2回)