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CAR-T製剤「アベクマ®」の治療提供が可能となりました
公立大学法人横浜市立大学附属病院は、「キムリア®」「イエスカルタ®」「ブレヤンジ®」に続き、「アベクマ®」の治療提供が可能となりました。
CAR-T細胞療法とは:
白血球の一種であるリンパ球(特にTリンパ球)は、ウィルスや細菌などの病原体に対する免疫反応に加えて、体内で発生したがん細胞を攻撃して排除する抗腫瘍免疫としても働きます。このような免疫反応を利用してがんを治療する方法が免疫療法です。
CAR-T細胞療法は免疫療法に分類される治療法の一つで、患者さんの血液中のリンパ球を取り出し、がん細胞と結合しやすく、より強力に攻撃できるように「CAR」(キメラ抗原受容体)を遺伝子導入したCAR-T細胞を製造し、患者さんの体に戻す治療です。強化されたT細胞であるCAR-T細胞は、患者さんの体のなかで数を増やしながら、がん細胞を攻撃して治療効果を発揮します。
悪性リンパ腫やB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の腫瘍細胞が持つCD19に対するCAR-T細胞(「キムリア®」、「イエスカルタ®」、「ブレヤンジ®」)あるいは、多発性骨髄腫の細胞が持つBCMAを標的としたCAR-T細胞(「アベクマ®」)が国内でも保険診療として使用可能となっています。
公立大学法人横浜市立大学附属病院 血液・リウマチ・感染症内科および小児科では、2021年から「キムリア®」によるCAR-T細胞療法を開始し、2023年には「イエスカルタ®」、「ブレヤンジ®」が追加されました。今回4製剤目のCAR-T細胞製剤となる「アベクマ®」が追加されたことで、悪性リンパ腫やB-ALLの患者さんに加え、多発性骨髄腫の患者さんへもCAR-T細胞療法の提供が可能となりました。
横浜市立大学附属病院は、「地域医療最後の砦」として、最先端の医療を提供してまいります。