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アクティブ・ラーニング推進プログラムレポート「神奈川県における外国につながりを持つ生徒の教育支援活動」(エスニシティ論)(2)

2015.06.22
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アクティブ・ラーニング推進プログラムレポート「神奈川県における外国につながりを持つ生徒の教育支援活動」(エスニシティ論)(2)

協力団体からのメッセージ

Norman Nakamura
(外国籍県民かながわ会議 第9期委員長、多文化教育連絡協議会会長)


坪谷ゼミのアクティブ・ラーニング推進プログラムの連携先は、川崎市で2006年から活動している多文化活動連絡協議会です。外国につながりを持つ子どもの高校進学支援を考える活動でつながっています。
多文化活動連絡協議会の教育サポート活動は、川崎市国際交流センターで活動する学習支援団体のサポートからはじまりました。今では、川崎市、(公財)川崎市国際交流協会、神奈川県教育委員会、県立川崎高校などの公的機関の理解と協力を得て活動が広がりました。

坪谷ゼミに、講演と意見交換、フィールドワーク企画の提供と引率、学習支援の体験、多文化活動連絡協議会が企画するイベントへの参画及びそれぞれの振り返りを実施しています。学生は、現場に入ることで文献や講義にない人と人のふれあいから無数の刺激を受けて成長するチャンスを得ます。ゼミ生との対話の振り返りから当団体の新たな取り組みが生れることもあり、学生の成長だけでなく、地域における多文化共生推進の力にもなっています。

学生に繰り返し伝えることは、外国につながりを持つ子どもの高校進学支援の必要性です。外国人の子どもの教育問題では、日本語力の不足は重要な問題であるが全てではありません。しかも、問題を家族が総がかりになっても解決できません。外国人家族の努力不足という社会の誤解を解きたいと私たちは考えています。子どもが教育を受ける不利な条件に、家庭学習ができる環境に無い子どもが多くいることであります。外国から来た保護者が、学校制度・進路や学習の情報を持っていない、日本語力が不十分、生活困窮ということから子どもを支援できないという重層的な問題が原因と分かっていても、解決ができない状況にあります。本当に、知ること、広めることは、重要です。さらに、学習が日々の積み重ねであり、日本語が分からなくて、学習が止まると、自分らしく成長するまでのハードルが高くなります。小さな継続的な支援であっても貴重であることを知って欲しいと活動に勧誘しています。
このプログラムは数年前から行っていますが、今年はとくに「アクティブ・ラーニング推進プログラム」の年であることを意識することで、外国につながりを持つ子どもの学習支援リソースを生み出すために、(公財)川崎市国際交流協会との連携学習支援事業「宿題支援」を立ち上げました。ゼミ生から継続的な支援はできないが、イベント的に、夏休み・冬休みの宿題を見ることならできるという発言から始まりました。夏休みに5人の子どもを3日支援するために、学生を含めて20名の支援者集めて宿題支援を実施しました。しかし、やってみて夏休みの宿題支援だけで済むはずもなく、継続して、毎月の実施につながりました。宿題支援は、学生と社会人(若い方からリタイアした方まで幅広い方たち)がペアになって子どもの持って来た宿題を考える活動であると同時に、子どものモチベーションを上げる活動です。帰る時には子どもが、笑顔で「がんばる!」と言って貰えることがほとんどです。宿題支援の支援者は、研修を受けてから体験を経由して不定期な支援に参加する仕組みです。連続して参加する学生の中には、学習内容を分かりやすく説明することができる方もいます。子どもは、理解が深まったことで、自宅で復習し、新しい問題にも取り組むようになったと言っていました。
特に意識高く活動してきた学生が、市民に向けた意識啓発の活動にも参加してくれました。当団体と宿題支援の連携事業をしているということで、川崎市国際交流協会が主催する多文化共生事業において高校進学支援の交流展示の企画が実現しました。「外国籍の子どもの進学率4割もいかないことを知らなかった」、「このまま放置するとどうなるの」などの意見交換を市民と行うことができました。学生たちは、またチャンスがあったら参加したいと話してくれました。
宿題支援は、人と人の関わりであり、効果を見るために、月に1回程度の参加と1年以上の期間の参加が必要だと思います。アクティブ・ラーニング事業を通じて、活動をスタートしたので、今後も活動の継続を希望します。外国人の子どもも、そして大学生も成長できる環境づくりの支援を続けて行きたいと思います。
※ アクティブ・ラーンング推進プログラムは、平成25年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に選定された本学の「環境未来都市構想推進を目的とした地域人材開発・拠点づくり事業」の中での取組です。
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