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「ヨコイチ×瀬谷区プロジェクト」2023年度中間報告会を開催

2023.09.28
  • TOPICS
  • 国際教養学部

地域福祉の視点から、自治会・町内会の担い手づくりについて考える

国際教養学部の社会福祉論ゼミ(指導教員:陳礼美教授※)に所属する3年生は、横浜市瀬谷区第4地区連合自治会と連携し、2022年度後期から「ヨコイチ×瀬谷区プロジェクト」を実施しています。少子高齢化、核家族化、地域のつながりの希薄化、コロナ禍を背景として、自治会の担い手不足が生じており自治会活動の存続が重要な地域の課題となっています。本プロジェクトでは、Community-based Participatory Research(CBPR)を用いた地域参加型研究を行っています。調査、分析、結果に基づいた介入、そして評価までの研究プロセスを地域住民と一緒に行い、2023年度の中間報告会を実施しましたので、その様子をご紹介します。

2023年度中間報告会は、2023年7月23日(日)に瀬谷区せやまる・ふれあい館で実施されました。ゼミの3年生6名と陳先生、瀬谷区第4連合地区自治会大柴会長、北村会長、社会福祉協議会、横浜瀬谷高校の先生方、地域住民の方、瀬谷区役所地域振興課の職員の方が参加されました。
自治会連合会と瀬谷区役所のご協力のもと、2023年3月と6月に自治会長と女性住民のフォーカスグループインタビューを実施しました。インタビューの音声データを逐語録として加工し、逐語録から浮かび上がるカテゴリーから抽出されたインタビューの「ストーリライン(テーマ)」を見出すSCAT*1分析を行いました。SCAT分析内容をもとに自治会・町内会の強みと弱み、そして地域環境にみられる機会と脅威に整理するSWOT (Strengths, Weakness, Opportunity, Threats) *2として提示し、その結果をもとに自治会の担い手不足を解消するための提案を参加者に報告しました。

陳先生ゼミ1


陳先生ゼミ2

学生からの提案発表の様子


SWOTの結果を踏まえて、参加者全員でグループワークを行いました。学生たちの提案に対して参加者一人一人の強みを活かして何ができるかについて考えて、共有しました。

後期は、中間報告会の成果を報告書にまとめるとともに地域住民、学校、行政等のステークホルダーの皆さんと一緒に提案した内容を実現していくためにアクションを起こします。
分析結果に基づき、いよいよ具体的な課題解決にむけた活動が指導します。ますます、この活動から目が離せません!


*1 SCAT:Steps for Coding and Theorizationの略。質的データ分析手法。社会調査等のインタビューなどによって得られたデータにコードを付け(コーディング)、そのコードをもとに理論化を行う。

*2 SWOT:Strengths, Weakness, Opportunity, Threatsの頭文字。経営戦略の代表的なフレームワーク。強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの項目で整理して、分析する方法。

※陳教授は、8月に退職しましたが、非常勤講師として社会福祉論ゼミの指導を継続しています。なお、陳教授による社会福祉論ゼミの指導は2023年度で終了となります。
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