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【活躍する市大生】「生物工学若手研究者の集い(生物工学若手会)夏のセミナー2016」で小島伸彦研究室の学生2名が賞を受賞!

2016.08.01
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  • 学生の活躍

「生物工学若手研究者の集い(生物工学若手会)夏のセミナー2016」で小島伸彦研究室の学生2名が賞を受賞!

2016年7月16・17日に開催された、「生物工学若手研究者の集い(生物工学若手会) 夏のセミナー2016」で、生命ナノシステム科学研究科博士前期課程2年の佐用かなえさんが最優秀ポスター賞、同研究科博士後期課程1年の田尾文哉さんが優秀ポスター賞を受賞しました。
生物工学若手会は、応用生物工学・遺伝子工学・生物化学工学などの生物工学に関連する全国の学生・若手研究者が一堂に会し、セミナーや研修などを行っています。その中のポスター発表では、参加者の半数以上が自身の研究成果について報告を行い、参加者全員の投票によりポスター賞が選ばれました。 

ポスター発表の概要

(1)佐用かなえさん(ポスター最優秀賞 受賞)
「おしくらまんじゅう培養法による骨髄疾患診断法の開発」というタイトルで発表を行ないました。骨髄や血液の疾患が疑われる際には、骨髄から少量の細胞を採取する骨髄穿刺が行われ、塗抹標本を作製して血球数の増減や異常な細胞の有無を検査します。私たちは検査で余った骨髄穿刺細胞を試験管内で再構築し、その骨髄様組織を新たな診断法に利用できないかと考えています。メチルセルロースを含む培地でおしくらまんじゅうするように再構築したマウス骨髄様組織を培養すると、細胞の増殖や移動が観察されました。これらの細胞挙動は塗抹標本では得られない様々な情報を含む可能性があります。 

(2)田尾文哉さん(ポスター優秀賞 受賞)
「スフェロイド6変化!」というタイトルで発表を行いました。スフェロイドとは複数の細胞を団子状に凝集させたものです。これまでは、スフェロイド内部に細胞外マトリクス(ECM)を混ぜ込むことは困難であり、細胞とECMから構成される組織構造を制御できませんでした。今回は肝細胞とECMを用いて、6種類もの異なる構造を持つスフェロイドを作製することに成功しました。このような技術は再生医療や創薬への利用が考えられます。今回のポスター発表には間に合いませんでしたが、現在は7変化目を達成しています。

佐用さんと田尾さんが所属する小島伸彦研究室では、種々の臓器設計技術を駆使して、生体に類似した微細構造や微小環境を持つ臓器・組織の構築法を開発しており、今回受賞した研究では、骨髄及び肝臓のミニチュア臓器作製に取り組みました。

小島伸彦准教授のコメント

生物工学若手会 夏のセミナーは、生物工学分野の研究に取り組む全国の学生・若手研究者が自身の研究成果を発表し、さらには親交を深める目的で毎年開催されている伝統あるセミナーです。本年は定員を超す152名の学生・若手研究者が参加し、83件のポスター発表が行われました。今回、2名の大学院生がポスター賞を受賞できたことは、YCUの学生が優れた研究能力・発表技術を備えていることを示しています。
今後も学生とともに、より活発に研究活動に取り組んでまいります。 
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