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再生生物学 小島伸彦研究室が攻殻ハッカソン東京大会で優秀賞を受賞!

2015.11.17
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  • 研究

再生生物学 小島伸彦研究室が攻殻ハッカソン東京大会で優秀賞を受賞!

平成27年10月25日、東京秋葉原のDMM.com AKIBAで開催された攻殻機動隊REALIZE PROJECT攻殻ハッカソン東京大会において、人工臓器の開発について発表を行った小島研究室チーム(小島伸彦、田尾文哉、朝倉夕稀、平沢雅宏)が優秀賞を受賞しました。
攻殻機動隊REALIZE PROJECTは国内外で絶大な人気を誇る「攻殻機動隊」の世界(2029年)におけるテクノロジーを実現するためにスタートしたプロジェクトで、産学が一体となったイノベーションを目指しています。小島研究室チームは、攻殻機動隊の世界における人工臓器の必要性・重要性について述べた上で、細胞を用いた高機能化人工臓器の作製手法を発表しました。攻殻機動隊の世界に深い造詣をもつ審査員にとっても、人工臓器のコンセプトは非常に斬新であり、また現実の世界でも再生医療や創薬に直結する研究開発である点が高く評価され、受賞に至りました。
なお、本賞の受賞によって小島研究室チームは来年2月に予定されている攻殻機動隊REALIZE PROJECT the AWARDにおける発表の権利も獲得しました。

研究概要

小島伸彦研究室では、生体の機能や構造を備えた3次元的なミニチュア臓器を試験管の中でつくる方法について研究を行っています。従来の3次元細胞培養技術は細胞をボール状に凝集させただけのものでしたが、細胞が無秩序に詰まっただけの臓器は体のどこを探しても存在しません。我々の体を構成する臓器や組織は、細胞が秩序正しく配列しているからこそ様々な機能を発揮しているのです。したがって、疾病の原因解明や薬の探索には実際の臓器と同様の細胞配列を持った組織をつくる必要があります。小島伸彦研究室ではこれまでに種々の臓器設計技術を開発しており、バラバラの細胞を「組み立てる」という方法で、肝臓や膵島、骨髄といった臓器・組織の再構築に取り組んでいます。
小島伸彦研究室では生体に準じた臓器を再構築する一方で、細胞の組み立て方を工夫するというアプローチでより高機能な臓器や、生体には存在しない新機能をもった臓器の開発にも取り組んでいます。受賞の対象となった発表は、まさにこのような高機能化臓器を設計するコンセプトに関するものです。人体をより機能的に高める臓器の開発は、攻殻機動隊の世界など近未来に通じる技術として注目されています。

小島 伸彦准教授のコメント

今回受賞した研究課題は、我々の研究室で取り組んでいる「精密な構造をもつ組織や臓器を再構築する研究」が潜在的にもっている可能性、すなわち従来の臓器を超えた機能や、従来の生体には存在しない機能を有する人工的な臓器の構築に関するものです。2015年現在、組織や臓器の再構築技術について、もともと私たちの体内に存在する臓器をそのままに再現することを目指して研究が行われています。しかしそう遠くない未来、例えば攻殻機動隊の世界である2029年には、細胞をベースとしながらも従来の臓器機能を凌駕するような「人工臓器」に対する要望や欲求が高まってくるのではないでしょうか。
小島伸彦研究室では細胞を組み立てる技術をベースとしつつ、今後も未来に繋がる様々なテーマを模索しながら研究活動を展開していきます。
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