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横浜税関長・横浜開港記念日にYCUで講義

2023.06.23
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「最近の貿易環境の変化と税関行政」

「税関は日本の貿易が健全に行われ、経済秩序が保たれるよう、安全・安心な社会の実現のために使命を果たして参ります。」と語る横浜税関長・源新 英明(げんしん ひであき)氏。
6月2日、共通教養科目『法学入門a』 (担当:大澤正俊教授)のゲスト講師として、第90代横浜税関長の源新氏をお招きし、金沢八景キャンパスのカメリアホールにて「最近の貿易環境の変化と税関行政」をテーマに講義が行われました。
1年生を対象とする『法学入門a』の授業では、私たちの日常生活が、法とどのように密接に関わっているのかを知り、毎回の授業において様々な法制度を理解し、その理解した内容について自らの言葉で語れるようになることを目標としています。
第7回目の「実務と法」の授業では、横浜税関の実務に関する講義に約130名の学生が耳を傾けました。

講義では、貿易の歴史と発展、その中で税関に求められる責務、税関の使命などについて解説いただきました。そして、税関の3つの使命(1安全・安心な社会の実現、2適正かつ公平な関税等の徴収、3貿易円滑化の推進)を中心に講義は展開されました。
昨年150周年を迎えた横浜税関ですが、歴史や伝統に縛られることなく、著しく変化する最近の貿易環境の中で、税関自体も適時適切、柔軟に対応をし、絶えず進化し続ける必要がある、と源新氏は述べます。さらに、経済秩序自体が大きく揺らいでいる中で、日本が自由・民主主義・市場経済・人権・法の支配・普遍的価値を共有できる国々と連携をしながら、各国に対し『範』を示すと同時に、真に敬意を払われ、国際社会において“不可欠な存在”であり続ける必要がある、と続けました。
 
 
 
「世界の国々にとって日本が“不可欠な国”となるよう実践していくのは、みなさんです」源新氏はそうYCUの学生に語りました。「第二次世界大戦は、各国が内向き志向で保護主義となったことが引き金になり、資源の少ない日本は戦争に突き進んでいったという悲しい歴史がある」と述べ、このような歴史の教訓を生かし二度と繰り返さないよう、グローバルに言葉を届け世界に認められていくには、どうすべきかを、いま真剣に考え続けていくことの必要性を述べられました。
 
講義の終わりに学生との質疑応答の時間が設けられ、その中で税関の仕事に興味をもつ学生から「大学生のときに学んでおくべきこととは-」と問われた源新氏は、「大学生活において、幅広く、偏りなく学ぶことが大切。その一方で何事にも専念し実績を積むことも大切です」と述べられました。 
源新氏には、学生からの質問に時間の許す限り丁寧にお答えいただきました。

講義に参加した学生は、税関行政の視点から国際貿易環境の変化、直面する課題の理解のみでなく、広い知識と専門性を得る必要性と、グローバル社会へ飛び込むためのヒントを得ることができました。
 
横浜市立大学の教育プログラムでは、広い視野と専門知識から、自らの専門性を切り拓くことを目的とし、すべての学生が1年次の共通教養で、専門教養の礎となる知識、姿勢、思考法を学びます。

 

税関職員の方より 質疑応答で発言した学生たちにプレゼント(税関150周年記念ポストイット)が手渡されました。
プロフィール
源新 英明 氏
昭和63年4月 大蔵省入省(主計局総務課)
平成  7年6月 横浜市財政局財政担当課長
平成14年5月   外務省在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部一等書記官
平成17年1月    同             代表部参事官
平成23年7月   国税庁課税部酒税課長
平成25年6月   財務省関税局参事官(国際交渉担当)
        兼内閣官房内閣参事官(TPP政府対策本部員)
平成27年7月 財務省関税局総務課長
平成28年6月 財務省大臣官房会計課長
平成29年7月 内閣官房内閣審議官(東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進
        本部事務局企画・推進統括官)
令和 1年7月    内閣官房内閣審議官(郵政民営化推進室副室長・郵政民営化委員会事務局次長)
令和 2年7月  財務省関税局審議官兼内閣官房内閣審議官(TPP等政府対策本部員)
令和 3年7月  名古屋税関長
令和 4年6月  横浜税関長


源新英明氏は、令和5年7月4日付で東京税関長に就任されました
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