先端医科学研究センター先端医科学研究センター
search

【開催概要】市民講座「バイオテクノロジー応用医薬品の効果と可能性」

2016.08.30
  • TOPICS
  • 講座・セミナー

「バイオテクノロジー応用医薬品の効果と可能性」

平成28年8月30日(火)開催概要

講師 :川崎ナナ 教授(横浜市立大学プロテオーム科学/先端医科学研究センタープロテオーム解析センター長)

今回は、「バイオテクノロジー応用医薬品の効果と可能性」と題して、プロテオーム科学の川崎ナナ 教授が講演を行いました。

講演はまず私たちのからだをつくるタンパク質についての説明から始まり、続いてタンパク質の増減を伴う疾患について解説しました。その後、遺伝子組換え技術によって作られたタンパク質医薬品であるバイオ医薬品の概要・作り方などを説明した後、代表的なバイオ医薬品である四つの例を挙げてその説明をしました。一つ目は糖尿病とインスリン、二つ目はリソソーム病と酵素補充療法、血友病と血液凝固因子の補充、三つ目は腎性貧血とエリスロポエチン、四つ目は関節リウマチ、がんと抗体医薬品について、それぞれ病気の概要とバイオ医薬品の歴史や効果について紹介しました。医薬品の使用にあたっては、効果と副作用による患者さんのリスクとベネフィット(健康上の利益と損失のバランス)を考えることが重要であり、また医薬品が患者さんに使用されることで、その経験が記録、蓄積、評価され、医薬品の改善・改良につながるよう持続的な努力をすることが重要であると述べ、最後に自身の研究であるバイオ医薬品を効率的に作ること、安全に使うことについての紹介をし、締めくくりました。

質疑応答では、非常に多くの質問が寄せられました。受講者の方からは「話がとても分かりやすかった」「医薬品の課題と方向性が良くわかった」「今使っている薬について、主治医と見直そうと思った」というご感想をいただきました。
今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので、何卒よろしくお願いいたします。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加