欧州の研究者らが福浦キャンパスを訪問 デジタルケアをテーマに研究交流を実施

 2026年9月8日、J-PEAKS WG3「海外の研究機関との連携による国際研究力の強化」の取組の一環として、ルール大学をはじめとする欧州の大学・研究機関の研究者らが横浜市立大学福浦キャンパスを訪問し、研究交流を行いました。今回の訪問は、日本と北欧を中心に進められているデジタルケアに関する国際共同研究の一環として実施されたものです。
 当日は、本学のJ-PEAKSやCOI-NEXTの取組を紹介するとともに、デジタル技術やAI、ロボティクスを活用した研究や社会実装について意見交換を行いました。高齢化やケア人材の不足に加え、若者のメンタルヘルスといった課題は、日本や北欧をはじめとする各地域に共通しています。それぞれの国や地域で進められている研究や実践を共有しながら、健康やウェルビーイングの向上に向けた議論が行われました。
研究セッションでは、アバターやAIを活用した若者の生きづらさを和らげる取り組みのほか、高齢者の在宅生活を支えるロボット技術や、本人の意思と権利を最優先にする北欧の福祉手法などが紹介されました。技術そのものに着目するだけではなく、それを利用する人々の暮らしや価値観、地域や文化の違いを踏まえながら研究や実装を進めることの重要性について、参加者同士で認識を深めました。
 また、「現場ニーズと倫理(ELSI)の葛藤をどう乗り越えるか」をテーマとしたディスカッションでは、プライバシーや自己決定、データ活用への信頼などについて議論が行われました。専門分野や国を越えて率直な対話が続き、デジタル技術の社会実装に向けて共有すべき視点や課題について理解を深める機会となりました。
 交流の最後には、福浦キャンパス内の研究施設見学も行われ、本学が進める研究環境整備や研究成果の社会実装に向けた取組を紹介しました。参加者からは、本学の学際的な研究体制や、医療・ヘルスケア分野の課題解決に向けた取組に大きな関心が寄せられました。
今回の訪問は、研究成果を紹介する場にとどまらず、異なる国や分野の研究者が互いの知見や課題意識を共有し、新たな連携の可能性を探る貴重な機会となりました。健康やウェルビーイングという共通のテーマのもと、多くの対話が生まれ、今後の共同研究や研究者交流へとつながる確かな手応えを得ることができました。
 横浜市立大学は、「ヘルスウェルビーイングなヨコイチ」を掲げ、誰もが健康で自分らしく暮らせる社会の実現を目指しています。今回の交流は、その実現に向けて国内外の研究者が知見を持ち寄り、ともに未来を考える機会となりました。WG3では今後も海外研究機関との連携を進め、健康とウェルビーイングに関する国際共同研究の創出と研究力の向上につなげていきます。