データを重視した研究で、
世の中のできごとの本質を見極める
国際総合科学群 税務会計論 准教授
高橋隆幸
たかはし・たかゆき

学びの中から感じてほしいこと
海外フィールドワークで学んだもの

近年、経済はグローバル化がますます進み、私の研究も、グローバル経済の中の日本企業というものを意識することが多くあります。そのため、学生たちも留学や海外フィールドワークなどで、海外の事情を知る必要性が高まってきています。
私のゼミでも、2013年にタイ・プーケットのラチャパッド大学プーケット校を訪れ、会計学の講義に参加させていただき、現地の学生に対して、「日本の税制」、「日本とタイのビジネス関係」、「横浜市とYCUの紹介」について、英語でプレゼンテーションを行いました。その後、ラチャパッド大学の経営科学部長から、タイの税制と比較した解説もしていただきました。ゼミの学生たちは、このプレゼンテーションのために、半年間にも及ぶ準備期間を費やして、まず日本語で作成した資料を英語に翻訳するという作業をしていました。また、このフィールドワークを実施するにあたり、準備段階での企画や訪問先のラチャバット大学との事前打ち合わせを、ほとんど学生自身が行いました。
学生たちにとっては企画力を身に付ける良い機会となったと思いますし、英語でのプレゼンテーションが刺激となり、今後の英語学習へのモチベーションを向上させるきっかけとすることができました。
進路を考えるみなさんへ

高橋ゼミは2015年3月に卒業する学生が14期生となり、これまで約120人の卒業生を輩出してきました。現在、その1割以上が税理士・公認会計士として活躍しています。また、文系では珍しく、学部から大学院に進学する学生が多いのも特徴で、これまでに10人以上の学生が大学院に進学しています。ゼミでの学習で、税や会計学のおもしろさを知ってもらえたと思うとうれしいですね。
私自身は商学部に進学し、税金のゼミに入ったのは深い理由があったわけではありませんでした。たまたま語学のクラスが一緒だった友人が、「僕は税金のゼミへ行くよ」と言ったのを聞き、なぜかその言葉に導かれるように私も入ってしまったわけです。
そのゼミ入ったことがきっかけで、税理士になり、現在は研究者になっています。高校生や大学生の中には、将来何をすればいいか分からないまま日々を送っている人もいるでしょう。そういう人はまず、特別な理由がなくとも何かをやってみてください。そして、そのことを地道にコツコツ続けてみてください。私のように、人生は何がきっかけになるかわかりません。継続することに大きな意味があると思っています。

(2015年3月掲載)
-
vol.08
臓器移植に代わる「最後の砦(とりで)」その実現のために研究に取り組んでいます
医学群
臓器再生医学 准教授武部貴則
-
vol.07
臨床の現場や子育て支援に役立つ心理学の研究を目指したい
国際総合科学群
臨床心理学 准教授平井美佳
-
vol.06
有機合成化学の力で未来を切り拓く有用なものを作り出したい
国際総合科学群
天然物有機化学 准教授石川裕一
-
vol.05
患者さんのために科学的根拠のある看護ケアの研究を深めたい この思いは世界へと続きます
医学群
看護生命科学 教授赤瀬智子
-
vol.04
進化する医療技術を駆使し、婦人科がんの治療に挑んでいます
医学群
がん総合医科学 教授宮城悦子
-
vol.03
人々が生き生きと暮らす現代のニーズに合ったまちづくりを考える
国際総合科学群
都市計画論 准教授中西正彦
-
vol.02
データを重視した研究で、世の中のできごとの本質を見極める
国際総合科学群
税務会計論 准教授高橋隆幸
-
vol.01
難病の原因を解明し、病気に苦しむ子どもたちを笑顔にしたい
医学群 小児科学(発生成育小児医療学)教授
伊藤秀一