横浜市立大学社会連携センター

【開催報告】社会連携センター キックオフシンポジウム

「大学と社会連携を考える~今、何が社会から求められているか~」


横浜市立大学社会連携センターの4月設置を記念して、キックオフシンポジウム「大学と社会連携を考える~今、何が社会から求められているか~」が2026年5月25日(月)、情文センター(横浜情報文化センター6階)で開催されました。自治体・企業・NPOの方々など140名あまりの来場者を迎え、大盛況となりました。

今までの実績と今後の社会連携センターの取り組みを紹介

新たな社会課題の解決に向けて市民が参加する「シチズンサイエンス」を推進

 第1部では、まず三輪社会連携センター長から自身の研究も含め、今まで地域貢献センターとして取り組んできた実績とそれらの事業に加えて社会連携センターとして新たに展開していく事業~社会ニーズに対応したリカレント・リスキリングプログラムや令和5年度に採択された「地域中核・特色ある研究大学強化事業(J-PEAKS)」の中で取り組む「シチズンサイエンス(社会課題の解決に向けて市民が参加する研究の取組)」の報告がありました。

それを受けて、J-PEAKS WG8 の原リーダーよりシチズンサイエンスについて説明がありました。これは新たに創出するよこはまデータサイクルにより新しい価値とヘルスウェルビーイングを生み出す取組で、横浜の知の拠点として地域課題を市民とともに解決し、社会実装につなげるものです。
「市民と科学する」にあたっての課題、参加者の偏り、連携の持続性があげられ、シチズンサイエンスの本質は、「受け手」ではなく「担い手化」である、そのために関係性をどう構築していくか、という投げかけが行われました。

パネルディスカッション~「大学とともに描く連携のカタチ」

3名のパネリストが自治体・企業・NPOというそれぞれの立場で、大学との連携実績や期待することなどをプレゼンテーション

大学連携は「新しい公共のかたち」~行政だけでは解決できない課題も解決

 横浜市医療局長渋谷氏からは、大学と横浜市の連携事例について紹介。三輪センター長と一緒に取り組んだ都市公園内への保育所設置の取組から、災害伝承・エスノグラフィー調査、神奈川大学との「よこむすび」を利用した学生のボランティア活動促進、横浜市大との連携によるがん対策やアートによるまちの再生などが紹介されました。行政からは常設型の連携拠点づくりや社会実装型の教育・研究との連動など多様な連携につなげるためにも、この社会連携センターを使い倒しましょうとの会場への呼びかけもありました。大学連携は「新しい公共のかたち」として、研究の知見、若い世代の意見、中立性・信頼性の保等、行政だけでは解決できない難しい課題も解決できるとのご説明をいただきました。

大学の知、学生の力、地域や行政がもつ課題・制度・主体性、そこに京急グループの場・交通・事業化機能が重なることで持続的な社会実装に近づく

 京浜急行電鉄株式会社杉山氏からは、「移動」と「まち創造」という2つのプラットフォームをスパイラルアップし持続的に発展する沿線を実現する「沿線価値共創戦略」、京急沿線で地域のプレイヤーとともにエリアマネジメントに取り組む「newcalプロジェクト」の紹介がありました。市大とは京急沿線で、ヨコイチ空き家プロジェクト、弘明寺商店街の地域ビジネス課題把握や観光マネジメント研究室とのみさきまぐろきっぷのマーケティングリサーチのインターン、京急百貨店を舞台に環境、国際交流、子どもの体験などの展示・ワークショップなど多くの事例があげられ、今後も更なる共創を進めていきたいとのお話がありました。

目指すべき未来像は、“「大学のある街」から「大学と共につくる街」へ。”

 横浜市市民協働推進センター長の韓氏からは、地域と大学が協働する取組を支援する立場から、今までの事例と地域活動での課題ー大学における専門性を持ったコーディネーターの必要性や地域活動の高齢化や窓口の不在などーについて説明されました。横浜市は協働の先進地域で海外からの視察も多く、多主体連携のフラットなプラットフォームを作り、地域課題の解決につながる基盤としたいとのお話がありました。地域に大学が多いことをうらやましがられるのですが、目指すべき未来像としては、「大学のある街」から「大学と共につくる街」へ。とのお話でした。

社会課題の解決にはゆるやかに連携して 「補完」すること、自分たちごと化・当事者化が必要

 続いて、三輪センター長、原WG8リーダーをモデレーターに3名のパネリストでディスカッションが行われました。

韓氏の「大学のある街から大学と共につくる街へ」というメッセージ、原リーダーの「受け手から担い手化、地域と担う自分ごと化、当事者化」という言葉がそれぞれ心に残ったという感想、京急電鉄の取り組むエリアマネジメントが地域のプレーヤーを巻き込んでいることへの評価などがパネリストから語られた。モデレーターからの自分たちだけではその事業ができないとなったときに、他者に「補完」を求めるが、誰と組むのか、どのように考えるのかとの問いかけに、「最初からがっちり組むのではなく、ゆるいつながり、部活のようなそこにいくと誰かいるというような地域の拠点づくりが大事」「自分たちの思いだけでなく、連携先とWin-Winになるような強みと弱みを補完できるような連携が大事」「行政などは年度で動くため、どうしても成果をださなければとなってしまうが、長期スパンでいつか役に立つという関係性も大事」との如何が出されました。

また、モデレーターからの「行政アジェンダ、地域課題の解決のため、市民にアンケートや調査をすると自分たちでよくするという回答はなく、当事者ではなく受益者と思っていることがよくある。当事者化に向けて、事例やアイデアはあるか」という問いかけに対し、自治会・町内会の参加者を増やすことがDX化で改善したり、スタートアップに実証実験の場を提供し成功体験をもってもらうことにより参加の度合いが強まったりといった事例が出されました。また、このような取組は管理が行き過ぎるとうまく先につながらないことなども指摘されました。

最後に「大学の役割は期待されている。社会連携センターからの逆オファーの待っているし、使い倒しましょうと呼びかけたい」「ゆるやかな連携からはじめても、マネタイズも大事。大学には専門知識の地域への開放・還元をお願いしたい」「マネタイズに関しても大学が新しい仕組みやゴールを見せてくれると民間でも役立つ」などのご意見をいただきました。

パネリストの皆様、ありがとうございました。

ご来賓の横浜国立大学田中副学長からは、「両大学がより強く連携し、自治体や企業の皆様、市民の皆様と力を合わせながら、横浜・神奈川の持続的な発展に貢献していきたい」とのメッセージも


本シンポジウムは、近野理事長の開会挨拶、石川学長ビデオメッセージから始まり、ご来賓の横浜国立大学副学長(地域連携推進機構機構長)田中稲子氏からは「両大学がより強く連携し、自治体や企業の皆様、市民の皆様と力を合わせながら、横浜・神奈川の持続的な発展に貢献していきたい」とのお言葉をいただきました。最後には、事務局長、橘副学長からご挨拶させていただきました。
終了後は別会場で行われた名刺交換会に多くの方にご参加いただきました。

参加者アンケートでは、75名の方(行政機関22%、企業18%、NPO・団体・公益法人等17%、大学・教育機関等15%、その他3%)から回答をいただきました。満足47%、やや満足27%と好評価をいただき、また、非常に多くの自由記述をいただきました。行政、企業、NPOと違う立場での大学との連携事例を紹介いただき、理解が進んだというご意見とともに、次回は連携事例と成功に至るプロセスが知りたい、と次のステップを意識されていることがわかりました。学生の参加も期待されていました。

社会連携センターは、研究・教育活動に横串を指す窓口となり、社会課題の解決を目指しますので、よろしくお願いいたします。

横浜市立大学社会連携センター
学務・教務部社会連携課
TEL 045-664-0611  
e-mail ssc@yokohama-cu.ac.jp
 

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