横浜市立大学地域貢献センター

横浜中華街と連携 国際商学部 柴田ゼミの3年生チームがアグリカルチャーコンペティション2024にて最優秀賞受賞!

国際商学部 柴田典子教授(マーケティング論)のゼミに在籍する学生5人で結成したチーム「ファンダ」が、アグリカルチャーコンペティション2024の学術的研究分野において最優秀賞を受賞しました。
横浜中華街との連携を活かしたマーケティング手法に関する研究を発表し、その独自性と実用性が高く評価されました。
アグリカルチャーコンペティションは、農業・食・地域活性化に関する大学生対象の全国大会です。今年度は全国53チームがエントリーし、学術的研究分野34チーム、実践的研究分野17チームが参加しました。研究内容の動画審査を経て、学術的研究分野の決勝進出8チームが選出され、決勝ではプレゼンテーションと質疑応答が実施。柴田ゼミの3年生チーム「ファンダ」は、横浜中華街の来街者エンゲージメント向上に関する研究内容で予選1位通過し、決勝でのプレゼン力と研究内容が評価され、最優秀賞に輝きました。
国際商学部 チーム「ファンダ」のメンバーと柴田典子教授(後列左端)
受賞内容
アグリカルチャーコンペティション2024
学術的研究分野 最優秀賞
チーム名:ファンダ (国際商学部 柴田典子ゼミ3年)
テーマ:「マーケティング手法を用いた『語り部*1』の創出~横浜中華街における来街者のエンゲージメントに関する研究~」
指導教員:国際商学部 柴田典子 教授(マーケティング論)
受賞したメンバーに話を聞きました。
チームで活動する中で、特に重要だと感じたポイントは何でしたか?

小山千裕こやまちひろさん 国際商学部3年

「このプロジェクトを通じて、チーム活動の中で認識のすり合わせや、モチベーションを統一する重要性を学びました。これは、今後の社会人生活においても必ず活きるスキルだと感じています。また、進捗状況を日々共有することを徹底し、チーム全体で効率的に作業を進めることができました。週3回のミーティング以外にも、オンラインで連絡を取り合い、締め切り前には1日10時間に及ぶ打ち合わせを行うなど、結束力を高めながら取り組みました。」

プレゼンテーションでの工夫について教えてください。

町田名帆まちだなほさん 国際商学部3年

「もともと自分一人で物事を進めるタイプでしたが、このプロジェクトではメンバーの強みを活かしてチームで課題を解決することの大切さを学びました。また、自分がわからないことを率直に共有できるチームの雰囲気にも助けられました。プレゼンテーションにおいては、役割分担を明確にし、内容に応じて最適な話し手が担当する工夫をしました。これにより、聞き手が理解しやすいプレゼンを実現できたと思います。」 

中華街の最大の魅力について具体的に教えてください。

小山瑞樹こやまみずきさん 国際商学部3年

「横浜中華街には多様な楽しみ方があり、食文化だけでなく水族館やサウナなど幅広い体験ができる点が大きな魅力だと感じました。今回の研究活動を通じて、中華街の豊かな歴史や文化の中に、まだ知られていない多くの魅力があることに気付きました。その魅力をより多くの人に伝えるために、来街者に中華街の価値やストーリーを理解してもらい、ファンになってもらえる仕組み作りを目指しました。また、『語り部』というコンセプトを通じて中華街の魅力を未来に伝承し、地域のエンゲージメントを高める提案を行いました。」 

中華街での来街者インタビューでは、どのような質問を通じて現状を把握しましたか?

近藤愛里こんどうあいりさん 国際商学部3年

「プロジェクトの中で、中華街の現状を把握するために2種類のインタビューを実施しました。一つ目は来街者へのインタビューで、約82人の方々に訪問目的や魅力について聞き、中華街が持つ可能性を感じました。二つ目はFacebookのファンコミュニティの方々を対象に、中華街への愛着や普段の関わり方について掘り下げました。これらのインタビューを通じて、特定のお店やルートを日常的に楽しむ中華街のファン像を把握することができ、施策作りのヒントになりました。」

地域活性化に繋がる施策「チャイナビ!」のアイデアについて、
発想に至るまでの経緯やコンセプトを教えてください。

小松百葉こまつももはさん 国際商学部3年

「活動開始当初、このテーマは第一志望ではありませんでしたが、最終的には『中華街』を選んで良かったと感じています。地域活性化という大きな目標に取り組む中で、達成感とやりがいを得られました。私たちは、Yes/No形式で質問に答えると気分に合ったコースを提案する『チャイナビ!』を開発しました。これにより、中華街を深く知るきっかけを提供し、地域の魅力を広く伝えることができたと思います。『チャイナビ!』は中華街を訪れる人々に新たな価値をもたらし、地域活性化に貢献できる施策です。」
【チャイナビ!】とは
「チャイナビ!」は、ファンダが考案した、横浜中華街の魅力を発見し、訪問者がより深く楽しめるようサポートするデジタルコンテンツです。診断チャート形式で、利用者の興味や気分に応じた観光コースを提案し、食文化・歴史・隠れた名店・リラクゼーションスポットなど多彩な体験を提供します。現在、横浜中華街発展会協同組合が「チャイナビ!」の提案を参考に、公式サイトやデジタル・サイネージでの実装に向けた改良を計画しており、今後の展開が期待されています。
プレゼンテーションの様子
横浜中華街発展会協同組合のベストを着用したチーム「ファンダ」のメンバー
柴田先生のコメント
「ファンダ」の5人は、全員が納得するまで議論し、もやもやを持ち越さないことをルールとしていました。本当の意味での役割分担を徹底し、全員がすべてを把握し説明できる体制を築きました。また、スケジュール管理も適切で、無理なく活動を進めるなど、プロジェクト・マネジメントに長けていたと感じます。この研究活動を通じて、マーケティングと消費者行動研究の知識・スキルに加え、状況分析・課題抽出・課題解決の力を養うことができました。横浜中華街発展会協同組合さまのご協力に心から感謝申し上げます。
用語説明
*1 語り部:本研究では、先行研究を踏まえ、「横浜中華街で多様な魅力に触れ、その魅力を自発的・積極的に語る人。責任は発生せず、話す動機は軽い」と定義。語り部創出を通じ、横浜中華街の未来につながるファン作りを目指す。
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