子宮内膜ポリープに対する無麻酔外来子宮鏡下手術について

子宮内膜ポリープの疾患情報

子宮内膜ポリープは子宮内膜表面から突出した結節で、内膜腺、血管、間質からなるポリープで、不正出血や不妊症の原因となっていたり、癌の疑いがある場合に手術による摘出が考慮されます。
日本では子宮内膜掻把といって子宮の内部をこすることでポリープを摘出することがありますが、内膜掻把によるポリープの摘出はポリープの取り残しが多く、子宮内癒着の原因になるとされ、海外のガイドラインでは子宮鏡による摘出が推奨されています。子宮鏡による子宮内膜ポリープの摘出は極めて安全で子宮内の癒着も生じないとされています。

  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープの検査

超音波、MRI、軟性鏡による子宮鏡検査

子宮内膜ポリープの治療

当院では子宮内膜ポリープの治療に細径硬性子宮鏡を用いています。一般的な子宮鏡手術に使う器具は径が14mmほどですが、細径硬性子宮鏡は径が3.3*5mmと非常に細いため無麻酔で日帰りで手術を行うことができます。また、通常の子宮鏡下手術では手術の前に子宮頚管を広げる処置を行い痛みを伴いますが、細径硬性子宮鏡では子宮頚管の拡張処置はほとんどの場合必要ありません。麻酔を行わないため病院の滞在時間も1-2時間程度で術後も通常の生活がすぐに行えます。また入院費用、麻酔費用がないため、医療費も入院による子宮鏡手術よりかなり低額です。また、麻酔による事故のリスクはなく、電気メスを使わない手術のため子宮内膜にやさしく今後妊娠を考える方にはよいといわれています。
一方で、細径硬性子宮鏡手術には高度な技術が必要なため、県内でも同様の手術を行っている施設はごくわずかです。大きなポリープや多発ポリープ、子宮筋腫などは外来手術では難しい場合があるため、ポリープの形状をみて外来手術が可能か判断します。入院による子宮鏡下手術は2日程度です。