帝王切開瘢痕症候群(CSDi; Caesarean scar disorder)について

帝王切開瘢痕症候群の疾患情報

帝王切開瘢痕症候群は帝王切開を行うことにより子宮の切開部位に子宮内膜症様の変化が起こり、不妊症、おりものの異常、生理の異常、痛みがおこるとされる疾患です。帝王切開瘢痕症候群は近年までよくわかっておらず産婦人科の中でもまだ周知されていない疾患ですが、帝王切開を行った方の24-70%に起こるという非常に頻度の高い疾患とされています。
その一方で、症状が二人目不妊やおりものの異常、生理の異常など比較的目立たないものであることもあり、かなりの数の患者さんが診断されていない疾患であると考えられています。当院は県内有数の周産期センターと生殖医療センターを擁しており、この帝王切開瘢痕症候群の診断、治療に積極的に取り組んでいます。

  • 帝王切開瘢痕症候群
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帝王切開瘢痕症候群の検査

超音波、MRI、軟性鏡による子宮鏡検査

帝王切開瘢痕症候群の治療

子宮鏡下手術と腹腔鏡下手術を行い、帝王切開時の子宮切開部にできた子宮内膜症様の病変を摘出します。MRIによる子宮の厚みにより、子宮鏡下手術がいいか腹腔鏡下手術がいいか決定します。手術療法は症状の改善率が高く安全性が認められています。
一方、手術を行わないホルモン治療もまだデータは少ないですが一部有効という報告もあり、当院でも症状に合わせた治療方法を選択しています。