薬疹 -原因と診断、治療について-

薬疹の疾患情報

薬疹とは、薬剤が原因で起こる発疹全般を指します。.その中でも問題となるのは、アレルギー性薬疹です。ふつう薬疹といった場合には、このアレルギー性薬疹を指し、薬に対して反応するような細胞や抗体がある人(これを薬に感作された状態と呼びます)にのみ生じます。

薬疹の中でも重症の薬疹とされているものに、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群があります。また最近、ウイルスが関与する薬剤性過敏症症候群という病態の存在が明らかになり注目を集めています。これらの重症薬疹では、原因となった薬を中止しただけで良くならず、どんどん悪化しますので、早く対応することが重要となります。

薬疹の検査

確定診断のため、血液検査や皮膚生検(患部の一部を取って、顕微鏡などで調べる検査)を行います。
原因薬剤の特定のためには、症状出現前後の詳細な病歴聴取と診察の上で、薬疹型による皮膚テストや血液検査を行います。

薬疹の治療法

原因薬を中止することが何より重要です。
原因薬剤を中止すれば数日で良くなることが多いですが、目や口、陰部などの粘膜に症状が出たり、発熱を伴ったりする重症薬疹(中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群)では、ステロイドの内服や点滴が必要になります。
ステロイド内服や点滴により治療効果が不十分と判断した場合は、免疫グロブリン大量静注(IVIG)療法、血漿交換療法などの追加治療を考慮します。

ステロイド軟膏
ステロイド内服・点滴
ステロイドパルス
免疫グロブリン大量静注(IVIG)療法
血漿交換療法