横浜市立大学地域貢献センター

教員地域貢献活動支援事業 令和7年度(2025年度)実施課題

地域実践研究

横浜市立大学の知的資源を活かして地域社会の課題解決に寄与することを目的に、地域の企業・団体・行政等と協働して行う研究事業です。
各年度について学内公募により実施課題を募集し、学内審査により実施課題を決定しています。
令和7年度は6件の課題に取り組みます。

金沢シーサイドタウン地区の再生・活性化方針立案に向けた地域課題の調査分析


【代表教員】
 中西 正彦 国際教養学部 教授

【相手先】
 横浜市金沢区 区政推進課
 株式会社URコミュニティ(都市再生機構子会社)

【概要】
横浜市郊外地域の集合住宅団地群である金沢シーサイドタウン(横浜市金沢区並木)は、計画的に開発された良好な住環境の反面、人口減少・高齢化の進展に伴って、地域活力の衰退が進んでいる。住民層の循環や高齢者福祉、子育て環境、緑の管理や活用など、課題は多く指摘されているが、その実態は必ずしも明らかではない。ソフト(住民の意識や活動等)とハード(住空間)両面から地域課題を調査分析し、再生・活性化方針立案の検討を行い、地域の取り組みを支援する。


豊かな都市経験に向けた「まち歩きワークショップ」のフォト・プロジェクト的探究


【代表教員】
 角田 隆一 国際教養学部 准教授

【チーム構成(学内)】
 中西 正彦 国際教養学部   教授

【相手先】
 合同会社TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH

【概要】
「訪れたい、住みたい、住み続けたいまち」を目指す金沢区にとって、2つの大学キャンパスを抱えるキャンパスタウンとしての各種リソースは、文化的魅力の観点からきわめて重要なポイントとなる。本研究課題は、社会学ゼミの教員・学生による「まち歩きワークショップ・カード」を活用したアクションリサーチ型のフォト・プロジェクトを横浜市立大学・関東学院大学の大学生を巻き込んで実践し、大学生による金沢区の新しい地域文化の再解釈・発見とその魅力的な発信の形を探究する。



地域企業と地域金融機関との対話と共創によるアントレプレナーシップ教育の実践


【代表教員】
 伊藤 智明  国際商学部 准教授

【チーム構成(学内)】
 後藤優・研究・産学連携推進センター・スタートアッププロデューサー
 

【概要】
金沢区の地域企業の経営課題として「後継者の不在」がある。この課題は、地域課題の「人口変動や高齢化」と密接に関連している。本研究の目的は、金沢区の地域課題と地域企業の経営課題を解決するため、地域金融機関と共同で「事業承継型の若手人材による起業」を促進するアントレプレナーシップ教育とスタートアップ支援の在り方を探究することにある。その方法として、研究者が積極的に実践に働きかける「アクション・リサーチ」の方法に基づいたフィールドワークを実施する。本研究を通じて、地域企業、地域金融機関、そして本学が共同で「サーチファンド」などの金融的な事業承継スキームを導入し、地域課題の解決に寄与するだけでなく、(本学の卒業生や社会人院生を含む)若手人材による起業の現実的な道筋を提示する。




金沢区の地域資源である水産物の高付加価値化による金沢区漁業の活性化
 

【代表教員】 
 髙木 俊雄 国際商学部/国際マネジメント研究科 教授

【相手先】
 横浜市漁業協同組合
 株式会社フォーシーズ

【概要】
金沢区の地域資源である水産物の「高付加価値化」と「加工技術」を構築することにより、「金沢区漁業の活性化」をはかることを目的として実施する。具体的には、①金沢漁港の海産品の高付加価値化の検討、②流通可能な加工形状について検討、③学祭等のイベントを利用し、消費者行動の変化について調査、そして、④これらの成果について地域活性化や地域マネジメントについて研究発信を行っている学会での発表や論文投稿を行う。



⾦沢区における津波災害時動的避難誘導と避難者動態把握システムの構築


【代表教員】
 金 亜伊 理学部 准教授

【概要】
本研究では、津波災害時に横浜市金沢区の住民が迅速かつ適切に避難できるよう、Web アプリ、 QR コード、および Bluetooth ビーコンを活用した専用スマホアプリ(オフライン対応)による動的避難誘導・避難者動態把握システムを構築する。避難者の属性に応じてリアルタイムで最適な避難経路・避難先を提示するとともに、避難所の混雑状況や避難者の移動状況を行政側が把握できる仕組みを導入する。また避難所の入退室管理等をデジタル化(DX 化)し、災害対応の効率化も図る。



蘇生率日本一の都市へ!:ヨコハマ救命共創プロジェクト


【代表教員】
 竹内 一郎 医学部救急医学 教授

【チーム構成(学内)】
 谷口 隼人 センター病院高度救命救急センター 講師
 後藤 温 医学部公衆衛生学 主任教授
 若栗 直子・富岡西クリニック院長・前金沢区医師会 会長

【相手先】
 横浜市消防局 救急部
        金沢消防署
 横浜市医師会

【概要】
心肺停止は予告なく発生し、患者の救命と社会復帰には、市民による迅速な通報、救急隊の的確な現場活動、そして搬送後の高度医療までの一貫した連携が不可欠である。総務省消防庁の10年間のデータによると、神奈川県・横浜市の蘇生率は9.7%で全国16位(福岡市14.9%が1位)にとどまっている。本研究は横浜市消防局と横浜市医師会が協働で実施する先駆的な取り組みであり、心肺停止患者への対応プロトコルを最適化することで、日本一の蘇生率達成を目指すものである。