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精神医療センター

修正型電気けいれん療法(modified electroconvulsive therapy)

修正型電気けいれん療法について

電気けいれん療法は、頭部に電気的刺激を行うことによって、脳に発作活動を誘発し、臨床症状の改善を得ようとする治療法です。

修正型電気けいれん療法(modified electroconvulsive therapy;m-ECT)とは、全身麻酔下で行われる電気けいれん療法で、患者さんへの負担がより軽減された、比較的安全な方法です。当院では、麻酔科医の管理のもと、手術室にて実施しています。

電気けいれん療法の効果機序は未だ十分に解明されていませんが、脳の中で電気的な発作性神経活動を繰り返しおこすことによって脳の機能が回復していくと考えられています。

電気けいれん療法は歴史のある治療法で、海外、日本でも多くの施設で実施されています。当センターでも、2022年度は 件実施しています。

当センターで使用している電気けいれん療法の装置パルス波治療器 サイマトロン [Thymatron®]

写真はhttp://www.kohdenmedical.co.jp/products/images/imagethyma.pngより引用

修正型電気けいれん療法の適応

主要な適応疾患としては、うつ病、躁病、統合失調症が挙げられます。希死念慮が強い、食事が食べられない、など、迅速なで確実な治療が必要な場合では、1次治療として実施されることもあります。当センターでは精神科医2名以上で適応を判断し、多職種カンファレンスにて、実施の承認を得る方法をとっています。

電気けいれん療法の実際

外来診療にて適応を判断し、本人様、ご家族様とご相談させていただきます。治療実施について同意が得られましたら、多職種カンファレンスにて承諾を得た後、入院日の調整を行います。入院前もしくは入院後に各種検査(採血、神殿、画像検査など)を実施します。合併症をお持ちの方の場合は、各科への受診をお願いすることがあります。本人様とご家族様で麻酔科を受診いただき、電気けいれん療法実施の日を決定いたします。原則第1回目実施の日にはご家族様のご来院をお願いしております。
通常、治療全体として、週に2、3回、合計10回程度実施しますが、精神症状の改善の様子や副作用の出現の状況などの経過を見ながら、回数を決定しています。