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血液・リウマチ・感染症内科

関節リウマチの治療法について

疾患情報

関節リウマチは、多くの関節に炎症が起こり骨と軟骨が破壊される病気です。
病気が進行すると、多くの場合痛みなどの症状がなかなかとれないだけではなく、多くの関節が次第に壊れて変形してしまいます。
関節が変形すると、日常の動作にも支障が出てきます。また、関節の症状以外にもさまざまな合併症が生じることがあります。

日本国内だけでも50万人とも100万人とも言われています。女性は、男性の約4倍と圧倒的に多く、40~50歳の中年女性に多い病気です。しかし、患者層は若年から老年まで幅広く分布しています。
多くの場合、手指の関節を中心に左右対称に複数の関節の痛みと腫れが数週間続きます。
初期の段階では、朝のこわばりを感じることが多く、炎症が長く続くと、関節の動きが不自然になり、関節の変形が起きてきます。
関節以外の症状として、関節周辺の皮下のしこり(リウマトイド結節)や間質性肺炎などがあり、まれな合併症として血管炎がおこると、皮膚の潰瘍やしびれなどの症状が出現します。

診断・検査

関節リウマチは、発症早期に最も関節の破壊が進むことが分かってきました。
そのため、より早期に治療が必要な患者さんを見極めて治療を開始するため、2010年にアメリカ・ヨーロッパリウマチ学会合同で新分類基準が定められました。
この基準では、少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、

の4項目についての点数を合計し、6点以上であれば関節リウマチと診断、抗リウマチ薬による治療を開始することになっています。
この基準は、似たような症状の別の病気をしっかり区別する必要があり、専門医による評価が大切になってきます。
関節エコー検査は関節の滑膜増殖、血流、骨びらんの状態を観察することが可能で、当科では関節リウマチをはじめとした関節疾患の診断や活動性の把握に有用な手段として、本邦の中で先駆的に臨床応用いたしました。

関節エコー検査の画像関節エコー検査の画像

治療法

関節リウマチは関節の滑膜という組織に炎症が起きる自己免疫疾患です。
関節の破壊が進行しないように炎症をコントロールすることが大切です。
近年つぎつぎと開発されている分子標的薬(生物学的製剤およびJAK阻害薬)によってこれまで炎症のコントロールが難しかった患者さんにおいても病勢が抑えられるようになってきており、当院でも多くの患者さんが分子標的薬を使用されています。
治療導入については、期待される効果や副作用含め、十分に主治医と話し合って決める必要があります。

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