Tel.045-787-2800(代表) お問い合わせ

基本方針

  1. 他の専門職種と連携をはかりながら、有効かつ安全で、質の高い適切な薬物療法を提供する。
  2. 適切な情報を適切に提供し、薬物療法の安全性を高め、その質的向上と効率化に寄与する。
  3. 医薬品の適正使用を推進するとともに、高度・先進医療に貢献する。
  4. 地域医療従事者等の教育に寄与するとともに、質の高い薬剤師の育成をはかる。
  5. 適正な医薬品管理により、健全な病院経営に寄与する。

部門の概要

人員(2024.4現在)

薬剤師:63名(レジデント6名含む) 
事務員:6名

処方せん枚数

院外処方せん発行率 98.6%

  入院 外来・院内
調剤 161,418枚 2,849枚
注射 174,203枚 27,442枚

病棟業務

病棟薬剤業務実施加算算定、薬剤管理指導料算定件数 19,313件

抗がん剤剤調製件数

入院 外来
6,535件 13,148件
 
2023年薬剤部集合写真2023年薬剤部集合写真

業務紹介

病棟業務

2014年度から病棟薬剤業務実施加算を算定し、全病棟に薬剤師を配置しました。更に医薬品情報のデータベース化が進み、2020年度から各病棟に1名薬剤師を常駐する体制へ移行しました。これまでの処方監査、副作用のチェック、服薬支援などの薬剤管理指導業務に加え、多職種カンファレンスへの参加、医療従事者からの問い合わせへの対応も軸に据えた多岐にわたる業務を担っています。
大学病院の特性として、一般病院では診られない特殊な疾患の治療に関われることもあります。

病棟業務の様子病棟業務の様子

内用・外用調剤

外来は原則院外処方のため 入院患者の調剤が中心です。当院では計数調剤監査システムを導入し、バーコードを活用することで、調剤過誤防止に努めています。

調剤業務の様子調剤業務の様子

注射調剤

注射薬自動払出システムを用いて、アンプルやバイアル製剤の取り揃えを自動化し、注射薬の迅速かつ正確な調剤を実施しています。 また、内用・外用調剤と同様に注射調剤においてもバーコード照合システムを導入し、業務効率化を図り、薬剤師が注射薬の配合変化、相互作用などについて専門的な知識を最大限発揮できるよう努めています。

注射調剤の様子注射調剤の様子

持参薬管理

当院において入院時に患者が持ち込んだ医薬品等(以下:持参薬)は、薬剤師が直接面談を行い、主治医の判断のもと、必要に応じて使用します。持参薬使用の有無に関わらず、薬剤師が持参薬の鑑別や患者の服薬状況等の確認を行うことは、医薬品を適正使用する上で重要な情報となります。医師、看護師等の医療スタッフと情報を共有することにより、入院中の薬物療法が安全で適正に実施できる体制を整えています。

持参薬管理の様子持参薬管理の様子

がん化学療法

地域がん診療連携拠点病院に指定されている当院の目標は、『より安全かつ効率的で患者さんにやさしく快適な化学療法の提供』です。薬の専門職である薬剤師は、この目標の実践に重要な役割を担っています。がん化学療法担当は、抗がん剤の処方システムを改良して処方エラーを防止するとともに、患者さんの治療歴や現在の状態を考慮したきめ細やかな抗がん剤の処方チェックを行うよう努めています。抗がん剤調製ではアイソレーターを使用し調製者がより抗がん剤に曝露しにくい環境を整えています。また調製後の薬剤が「患者さんに投与されるときに薬の効果が最大限に得られること」を念頭におき、看護師等への情報提供も行うとともに、閉鎖式薬物移送システム(CSTD)を採用した点滴ルートを導入し、抗がん剤投与管理に関わる医療従事者の曝露防止対策にも他職種と協同して積極的に取り組んでいます。 外来で抗がん剤治療を受ける患者さんに対しては、安心して治療を受けていただけるよう化学療法センター内の個室で薬剤説明を行っています。地域連携のさらなる推進のため、院内のレジメンを本ホームページ上で順次公開をしております。

がん化学療法の様子がん化学療法の様子

★当院は日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設ならびに、日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師研修施設として認定されております。

製剤室

大学病院の特性上, 市販されている薬だけでは対応できない場合があるため、市販されていない薬を当病院内だけで使用することができる薬 (院内製剤)として調製しています。またTPN(高カロリー輸液療法)の無菌調製も行っています。

製剤室製剤室

医薬品情報管理

医薬品に関する様々な情報を収集・評価し、医薬品の適正使用推進のための情報を発信のほか、1ヶ月に200件前後の医師・看護師など 医療スタッフからの質問等への対応や病棟担当薬剤師への支援、製薬メーカーの訪問対応などを行っています。2016年10月からは院内の禁忌・適応外使用の情報収集・評価しています。また、院内の採用薬を決定する薬事委員会の事務局となっており、薬剤師の立場から院内採用の必要性等を検討しているほか、経済性も含めた推奨薬リスト(フォーミュラリ)のマネジメントにも参画しています。

DIDI

医薬品管理

院内で使用する医薬品の発注、検収および 在庫管理等の業務を行っています。 年間に数十億円の医薬品を購入しておりジェネリック医薬品の導入も積極的に行っています。電子カルテにおける処方オーダリングシステムのデータベースメンテナンス業務も医薬品管理が行っており、薬学的な知識を生かした併用禁忌薬剤の登録等も重要な役割となっています。

医薬品管理の様子医薬品管理の様子

周術期業務

当院では年間6,000件以上の手術が行われます。安全に手術を遂行するために、術前早期より薬剤に関する情報を把握し、他職種と共有することが重要です。 2018年より術前の薬剤師面談を開始し、アレルギー情報の収集や術前中止薬などの提案に取り組んでいます。また手術室では麻薬や筋弛緩薬など厳密な管理が必要な薬剤が多く取り扱われるため、医薬品の適正な管理・供給体制の確保に努めています。

周術期業務の様子周術期業務の様子

チーム医療・薬剤師外来

  • 感染制御部/抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
  • 緩和ケアチーム
  • 術後疼痛管理チーム
  • 栄養サポートチーム
  • 糖尿病教室
  • 薬剤師外来(がん化学療法)
  • 妊娠と薬外来

実績

専門・認定薬剤師取得状況(2023年4月現在)

職員全員が研修・学会等に参加し、個々の薬学的知識・スキルの向上に努めています。

認定機関 資格名称 認定者数
日本医療薬学会 がん指導薬剤師 1
がん専門薬剤師 1
医療薬学専門薬剤師 1
日本病院薬剤師会 がん薬物療法専門薬剤師 1
がん薬物療法認定薬剤師 3
感染制御専門薬剤師 1
感染制御認定薬剤師 4
HIV感染症薬物療法認定薬剤師 1
妊娠・授乳婦薬物療法認定薬剤師 2
精神科薬物療法認定薬剤師 1
日病薬病院薬学認定薬剤師 33
日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 2
漢方・生薬認定薬剤師 1
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 10
薬学教育協議会 認定実務実習指導薬剤師 8
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 2
外来がん治療認定薬剤師 2
日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師 1
緩和薬物療法認定薬剤師 2
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 5
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士 3
日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 1
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師 1
日本医薬品情報学会 医薬品情報専門薬剤師 1
医薬品情報認定薬剤師 1
日本高血圧学会 高血圧・循環器病予防療養指導士 1
日本臨床薬理学会 認定CRC 2
日本臨床試験学会 GCPパスポート 1
日本老年薬学会 老年薬学認定薬剤師 1
日本不整脈心電学会 日本不整脈心電学会認定心電図専門士 1
植込み型心臓不整脈デバイス認定士 1
心電図検定1級 1
心電図検定4級 3
日本麻酔科学会 周術期管理チーム認定薬剤師 3
日本結核病学会 抗酸菌症エキスパート 3
日本循環器学会 心不全療養指導士 2
日本アンチドーピング機構 公認スポーツファーマシスト 4
日本リウマチ財団 リウマチ財団登録薬剤師 3
日本終末期ケア協会 終末期ケア上級専門士 1
その他 神奈川DMATーL隊員 1
肝疾患コーディネータ— 4
学位取得者 博士課程 5

学会発表等(2023年)

総説

井出和男, 小池博文:持参薬管理とリスク評価. 薬事, 65(13): 26-30, 2023.

原著論文:症例報告を含む

Nishigaki T, Kato H, Sakamoto Y, Suzuki T, Kaneko M, Ide K, Okamura N, Suzuki T, Koike H, Sahashi Y: Comparing the Dosing Period in Package Inserts of Antimicrobial Agents Between Japan and the United States. Cureus, 15(4): e38266, 2023.

学会等発表

小池博文:医薬品フォーミュラリの導入と活用事例.近畿薬剤師合同学術大会2023,(WEB開催),2023,2.

坂本靖宜,長谷川拓也,森谷拓海,宇山佳奈,清水絢子,小森智也,川邉桂,小池博文,佐橋幸子:ベンダムスチン10分投与法の導入が悪心・嘔吐発現に与える影響.日本臨床腫瘍薬学会学術大会2023,名古屋,2023,3.

渡邉直優,坂本靖宜,井出和男,川邉桂,小池博文,佐橋幸子:切除不能肝細胞癌に対するレンバチニブ初回投与量が服薬継続率に与える影響の検討.日本臨床腫瘍薬学会学術大会2023,名古屋,2023,3.

関 雅子:保険薬局との情報連携に基づく持参薬管理体制の構築とその効果.第20回かながわ薬剤師学会学術大会,横浜,2023, 5.

成田由紀,関 雅子,小池博文,佐橋幸子:がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌に対してレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法を施行した一例の副作用モニタリング.第20回かながわ薬剤師学術大会,横浜,2023,5.

志村美沙子,横山りさ,鈴木太一,小池博文,佐橋幸子:自己点眼困難患者に対して薬剤師が介入した一例.第7回日本老年薬学会学術大会,福岡,2023,5.

川邊一寛:医薬品情報×集中治療における予防的薬物療法-集中治療担当薬剤師の頭の中-.第25回医薬品情報学会総会・学術大会,京都,2023,6.

小池博文:フォーミュラリの実際と今後~医薬品使用の標準化とその効果を考える~.第25回日本医薬品情報学会学術総会・学術大会,京都,2023,6.

坂本靖宜,川邊一寛,田中利樹,川邉 桂,原 広司,小池博文,佐橋幸子,後藤隆久:タスクシフト・シェアの時間確保を目的とした日常業務に関する意識調査.日本病院薬剤師会関東ブロック 第53回学術大会,新潟,2023,8.

松井周一,後藤洋仁,阿部希和,古家直子,小森智也,小池博文,佐橋幸子:治験における注射剤調製の複雑さについて.第23回CRCと臨床試験のあり方を考える会議,岡山,2023,9.

長井絵里奈,小森智也,山本紗代,小池博文,山西純,栗田大輔,林弘明,池田順治,辻本信一,竹内正宣,田野島玲大,柴徳生,伊藤秀一,畑千秋,小林瑞穂,歌野智之,佐橋幸子:多職種連携により携帯型精密輸液ポンプを用いてブリナツモマブの外来投与が可能となった3症例.第50回日本小児臨床薬理学会学術集会,大阪,2023,9.

島村千陽,坂本靖宜,長谷川拓也,榎木裕紀,松元一明:同種造血幹細胞移植後にポサコナゾール腸溶錠の血中濃度が低値を示した一例.第70回日本化学療法学会東日本支部総会・第72回日本感染症学会東日本地方会学術集会合同学会,東京,2023,10.

岡野真澄美,小森智也,小池博文,佐橋幸子:新生児への薬剤経管投与に係る通過性評価および改善策の検討.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

吉友葵,坂本靖宜,川邊一寛,畠山成寛,井出和男,小池博文,佐橋幸子:経口抗がん剤のCYP3Aの薬物相互作用に関する調査.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11

坂本靖宜,川邊一寛,田中利樹,川邉桂,原広司,小池博文,佐橋幸子:日常業務・キャリアプランに関する病院薬剤師の意識調査における専門・認定薬剤師の視点.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

重村明香,坂本靖宜,井出和男,長谷川拓也,渡邉直優,畠山成寛,西垣哲太,川邊一寛,鈴木智代,榎木裕紀,田口和明,小池博文,加藤英明,松元一明,佐橋幸子.ポサコナゾール上市後の抗真菌薬使用状況とカンジダ血症の原因菌種.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

小泉宏史,宇山佳奈,坂本靖宜,川邊一寛,長谷川拓也,中村明日香,畠山成寛,清水 絢子,井出和男,小池博文,佐橋幸子.大腸癌における抗VEGF抗体の使用調査と医薬品費に与える影響.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

川邊一寛,畠山成寛,中村明日香,若杉正,小池博文,佐橋幸子.酸分泌抑制薬の病院フォーミュラリ導入後の推移と効果の検討.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

中川ちひろ,井出和男,濃野乃文,小池博文,佐橋幸子:セット入力による持参薬の代替提案導入後のタスクシフト/シェアの効果.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

筒井千晴,横山千紘,川邊一寛,松本真琴,岡村央,小森智也,小池博文,佐橋幸子:
イノラス配合経腸用液服用における血清カリウム値上昇に関する検討.第33回日本医療薬学会年会,仙台,2023,11.

小池博文:我が国における医薬品フォーミュラリの展望.第33回日本医療薬学会年会, 仙台,2023,11.

荒井幸子:チーム医療における薬剤師の役割.JDDW2023,神戸,2023,11.

その他

小池博文:神奈川県の後発医薬品使用状況分析と医薬品フォーミュラリの活用.令和4年度神奈川県後発医薬品使用促進協議会,横浜,2023,2.

小池博文:医薬品フォーミュラリの導入と活用事例.第23回台原地域医療連携公開勉強会,仙台,2023,6.

関雅子:次世代の命を担う薬剤師-妊婦・授乳婦専門薬剤師-.日本病院薬剤師会新人研修,東京,2023,7.

坂本靖宜:医療基礎知識 薬を知って上手に付き合おう.令和5年度ウィリング横浜主催研修,横浜,2023,7.

坂本靖宜:新薬紹介 バレメトスタット・ダリナパルシン. 日本臨床腫瘍学会 Essential Seminar Neo 2023(WEB開催),2023,7.

小森智也:高齢者膵癌の治療戦略について(ディスカッサント).第3回 Kanagawa GI Oncology Seminar(WEB開催),2023,7.

小池博文:地域フォーミュラリ導入を考える~ジェネリック及びバイオシミラー院内採用、そして病院フォーミュラリ策定における薬剤部・薬剤師としての存在意義~.宮崎,2023,8.

関雅子:横浜市大病院の持参薬への取り組み—地域保険薬局との情報共有体制の構築とその効果—.横浜市立大学附属病院薬剤部・平塚中郡薬剤師会 合同薬薬連携研修会,平塚,2023,9.

小池博文:医薬品フォーミュラリの実際と今後の展開.横浜市立大学附属病院薬剤部・平塚中郡薬剤師会 合同薬薬連携研修会,平塚,2023,9.

清水絢子:Taiho CINV Seminar in 横浜市南部、横須賀三浦(ディスカッサント).横浜,2023,9.

渡邉直優:慢性肝炎治療と薬剤部の取り組み.肝疾患コーディネータ—養成講座更新者向け(WEB開催),2023,10.

小池博文:バイオシミラーにかかる政策と院内浸透のコツ.第77回国立病院総合医学会ランチョンセミナー,2023,10.

清水絢子:がん患者さんの処方箋をもらったら検査値を読み解くポイント.外来がん化学療法の質向上の為の薬薬連携セミナーin金沢区,横浜,2023,11.

坂本靖宜:制吐薬適正使用ガイドライン2023を踏まえた制吐薬の使い分け.CINV Web Seminar(WEB開催),2023,11.

小池博文:我が国における医薬品フォーミュラリの展望.第2回地域フォーミュラリ研修会,和歌山,2023,11.

小池博文:医薬品フォーミュラリの実践~バイオシミラーも含めた考え方と取組事例、そして地域へ~.第2回東総エリアの薬薬連携を考える,2023,12.