小切開硝子体手術(Micro Incision Vitreous Surgery)

当院ではConstellation®Vision System(機材紹介参照)+ハイパービット®デュアルブレードプローブ(20,000cpm)を使用し、硝子体切除時に起こりうる様々な合併症を最大限に抑え、安全にかつ効率よく硝子体手術を行っております。
また広角眼底観察システム(Resight®)と、HDR(High Dynamic Range)を搭載した眼科用リアルタイムシステム「NGENUITY®3D Visualization System」(機材紹介参照)を組み合わせて、眼底を広範囲に、かつ鮮明に奥行きのある立体映像で網膜を観察しながら手術を行います。さらにデジタルフィルター機能を使用し、カラーコントラスト調整を行うことで、染色した組織や確認したい構造を強調するなど、疾患ごとに眼底映像をカスタマイズしています。それにより、組織の可視化がサポートされ、より安全、より正確な網膜操作を行っています。

また、これらの機能により低光量でありながら眼底の鮮明な映像処理が可能となりました。従来の顕微鏡と比較し、(患者さんの)術中の光暴露による黄斑への影響を最大限に軽減し、より良い環境で手術を行っています。

手術創口は25G(直径0.5㎜)と非常に小さく、創口は自己閉鎖するため基本的には無縫合での硝子体手術となります。
 
  1. 経皮球後麻酔 または経テノン嚢下麻酔
  2. 25Gの手術創口を4か所、強膜に作成
  3. 硝子体切除
  4. 疾患別に必要な手術操作
    1. 黄斑円孔、黄斑上膜:内境界膜剥離、巨大円孔の場合は網膜自家移植
    2. 網膜剥離:裂孔の確認、レーザー治療
    3. 糖尿病網膜症:増殖膜処理、内境界膜処理、レーザー治療
    4. 網膜中心動脈閉塞症:t-PAを使用した血管内治療
    5. 黄斑下出血:t-PAにて血種の溶解、網膜下への空気中による溶解した血種の移動
  5. 液ガス置換
  6. 閉創(無縫合または縫合)

  • 白内障進行の程度により、同時に白内障手術をおこなう場合があります。
  • 疾患によって、手術終了時に眼内をガス、またはオイルに置換する場合があります。その際は術後しばらくの間、うつむきなど姿勢の制限がかかることがあります。疾患や術後経過により姿勢制限の期間は異なります。
  • 手術時間は20分から2時間と疾患の重症度によって異なります。 
術後の流れ術後の流れ