当院の取組み

がん診療 リハビリテーション科・部

診療科の特色

リハビリテーション科・部では2014年5月から各科・センターに入院中の患者に対して、主治医の依頼に応じてがん患者に対するリハビリテーションを行っています。
リハビリテーションというと手足に障害がある患者に対する訓練をイメージされる方が多いと思いますが、これ以外にも手術、化学療法、放射線治療、幹細胞移植などにより筋力や体力が低下した方あるいは低下が予想される方、飲み込みがうまくいかない方(嚥下障害)、治療により手足のむくみが出た方(リンパ浮腫)、進行がんの治療後に在宅復帰を希望される方などががんリハビリテーションの対象者となります。
当院には厚生労働省後援の「がんのリハビリテーション研修」を修了したリハビリテーション科医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師のチームがあり、保険診療で上記のがん患者リハビリテーションを行うことが可能です。

以下にがん患者リハビリテーションの概略を示します。

がん患者リハビリテーションの対象患者

  1. 食道がん、肺がん、縦隔腫瘍、胃がん、肝臓がん、胆嚢がん、大腸がん又は膵臓がんと診断され、これらのがんの治療のために入院している間に閉鎖循環式全身麻酔による手術が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は全身の筋力低下、体力低下、嚥下障害などを生じる可能性があります。

  2. 舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんその他頸部リンパ節郭清を必要とするがんと診断された患者で、これらのがんの治療のために入院している間に放射線治療若しくは閉鎖循環式全身麻酔による手術が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は嚥下障害、構音障害、肩関節の運動障害、全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  3. 乳がんと診断された患者で、乳がんの治療のために入院している間にリンパ節郭清を伴う乳腺悪性腫瘍手術が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は肩関節の運動障害、上肢のリンパ浮腫、全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  4. 骨軟部腫瘍又はがんの骨転移と診断された患者であって、これらのがんの治療のために入院している間にこれらの部位に対する手術、化学療法若しくは放射線治療が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は四肢の運動麻痺、手術部位周囲の筋力低下や関節可動域制限、全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  5. 原発性脳腫瘍又は転移性脳腫瘍と診断された患者で、これらのがんの治療のために入院している間に手術若しくは放射線治療が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は四肢の運動麻痺、高次脳機能障害、全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  6. 血液腫瘍と診断された患者であって、血液腫瘍の治療のために入院している間に化学療法若しくは造血幹細胞移植が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  7. がんと診断された患者であって、がんの治療のために入院している間に化学療法(骨髄抑制が見込まれるものに限る。)が行われる予定のもの又は行われたもの
    ※これらの患者は全身の筋力低下、体力低下などを生じる可能性があります。

  8. 緩和ケアを目的とした治療を行っている進行がん又は末期がんの患者で、症状の増悪により入院している間に在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要なもの
    ※これらの患者は全身の筋力低下、体力低下などを生じている可能性があります。