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基本方針

我々泌尿器科は、ひとりひとりの患者さんに寄り添いながら、苦痛の少ない低侵襲手術にて泌尿器癌の根治を目指します。当科は2014年からいち早くロボット手術を導入し、これまで全国でもトップクラスのロボット手術件数を施行しております。その他にも前立腺癌に対する密封小線源療法や腎凍結療法などの低侵襲治療を豊富に取り揃えております。また進行癌症例に対する薬物療法においても数多くの実績があり、これまで新規薬剤の治験などで国内をリードしてきております。特に遺伝性腎癌については本邦における診療拠点としての大きな役割を果たしています。泌尿器診療の最後の砦としての役割を果たすべく、神奈川全域だけでなく全国から患者さんを受け入れております。

部門の概要

  • 泌尿器科は尿路(腎臓・尿管・膀胱)、生殖器(前立腺・・精巣・陰茎)の疾患を取り扱います。
  • 当科は泌尿器悪性疾患の手術を診療の中心と位置づけており、当院で保有している手術支援ロボット(ダヴィンチ)2台をフル稼働させ、16名の医師で治療を行っています。
  • 他院では治療が困難な進行例や、他科との連携が必要な高度集学的治療を必要としている患者さんの受け入れも積極的に行っています。
  • 高難度手術を積極的に行う一方で、難治症例に対する遺伝子解析を用いたプレシジョン・メディシンに取り組んでいます。
  • 泌尿器科内に前立腺低侵襲センターを設立し、患者さんへの負担が小さい密封小線源治療を中心として、これまで2000例以上の治療を行っています。

実績

過去5年間の当科における主な手術件数をお示しします。ロボット支援下手術件数は全国的にもトップクラスを誇っています。特にロボット支援下腎部分切除は全国第2位の件数を施行しています。また、密封小線源治療は全国第4~5位の件数を誇っています。

泌尿器科の手術件数の棒グラフ泌尿器科の手術件数の棒グラフ
  • 泌尿器科のロボット支援下手術の写真
  • 泌尿器科の手術の写真

診療のご案内

  1. 前立腺癌に対するロボット手術(ダヴィンチ)、密封小線源療法(ブラキセラピー)、強度変調放射線治療(IMRT)、薬物治療(次世代ホルモン療法、抗がん剤、リムパーザなどの新規薬剤、放射線性薬剤、治験など)、がん遺伝子パネル検査、癌診断のための前立腺針生検
  2. 腎癌に対するロボット手術(ダヴィンチ)、腎凍結療法、薬物治療(免疫チェックポイント阻害剤、血管新生阻害剤、治験など)、がん遺伝子パネル検査
  3. 膀胱癌や腎盂尿管癌に対するロボット手術(ダヴィンチ)または腹腔鏡手術、経尿道的手術(光線力学診断併用を含む)、薬物治療(免疫チェックポイント阻害剤、パドセブなどの新規薬剤、抗がん剤、治験など)、がん遺伝子パネル検査
  4. 副腎腫瘍、精巣腫瘍、後腹膜腫瘍などの希少腫瘍に対する手術や薬物療法
  5. 遺伝性腎癌の手術、腎凍結療法、遺伝子検査、家系全体の健康管理 → 遺伝性腎腫瘍外来のご案内
  6. 腎盂尿管移行部狭窄症に対するロボット手術(ダヴィンチ)

主な手術のご案内

術式名称:ロボット支援前立腺全摘術(RARP)
所要時間:入院(9日間程)
説明:前立腺癌の方が対象で、前立腺と精嚢腺を取り除きます。前立腺周囲の神経を温存し排尿状態や男性機能への影響を抑える術式を選択することも可能です。安全かつ治療効果の高い方法です。

術式名称:ロボット支援腎部分切除(RAPN)
所要時間:入院(9日間程)
説明:腎癌の方が対象で、腎臓から癌病巣を取り除きます。当科では比較的大きな腎癌に対しても積極的にこの術式を用いて腎機能の温存をはかっています。術後の回復が早く、再発もほとんどありません。

術式名称:ロボット支援膀胱全摘除術(RARC)
所要時間:入院(2週間程)
説明:浸潤性の膀胱癌の方が対象で、膀胱を取り除き、腸を使った回腸導管などで尿を体の外に導きますが、癌の位置によっては自排尿型の新膀胱を選択することも可能です。抗がん剤と組み合わせることにより治療効果を高めます。

術式名称:ロボット支援腎盂形成術(RAPP)
所要時間:入院(7日間程)
説明:腎臓から尿管に移行するところが狭く腎機能に影響が出てしまう方が対象で、ロボット手術で小さな傷から尿管の狭いところを取り除き、尿管をつなぎ直します。

術式名称:その他のロボット支援(腹腔鏡)手術(腎摘除術、腎尿管全摘術、副腎摘除術)
所要時間:入院(9日間程)
説明:腎摘除術(腎癌)、腎尿管全摘術(腎盂尿管癌)、副腎摘除術(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの副腎腫瘍)などの手術は、ロボット手術、腹腔鏡手術、症例によっては開腹手術を選択します。

術式名称:遺伝性腎癌の手術(ロボット手術、開腹手術)
所要時間:入院(9日間程)
説明:遺伝性腎癌では生涯に渡って腎癌が多発するため、治療の際には制癌と腎機能温存のバランスが重要になります。様々な遺伝性腎癌があり、それぞれの遺伝性腎癌に合わせた手術を行っています。

術式名称:密封小線源療法(ブラキセラピー) → 前立腺低侵襲治療センター
所要時間:入院(2泊3日)
説明:前立腺癌の方が対象で、前立腺全体に放射線を放出する小さなカプセルを60~100個ほど埋め込みます。排尿や男性機能への影響が比較的少なく、入院期間も短いことが特徴です。悪性度の高い前立腺癌に対しては、ホルモン療法や強度変調放射線治療(IMRT)と組み合わせることにより治療効果を高めます。

術式名称:腎凍結療法 → 腎がんに対する凍結療法開始のご案内
所要時間:入院(1週間程度)
説明:ご高齢または全身状態不良のため手術が難しい腎癌の方が対象で、CTガイド下に腎癌を穿刺し、針の先端を超低温にして腎癌を凍結し死滅させます。遺伝性腎癌の方に行うこともあります。癌の大きさや位置に制限がありますので、御相談ください。

術式名称:前立腺針生検
所要時間:入院(1泊2日)
説明:前立腺癌が疑われる方が対象で、麻酔下に前立腺の組織を16~20か所採取します。

術式名称:経尿道的膀胱腫瘍切除術
所要時間:入院(5日前後)
説明:膀胱癌の方が対象で、切除標本の悪性度と深達度により、その後の方針を決定します。

  • 泌尿器科の手術のイメージ写真
  • 泌尿器科のエコーの写真

対応疾患・診療内容の詳細