当科のご紹介
精神科は非常に繊細なこころの内容を扱うことから、患者さんとの信頼関係の構築を大切にしています。不調を生じるまでの経緯を、脳科学的、心理的所見と、環境などの視点から総合的に理解するようにつとめ、迅速かつ適切な診断を行います。治療は科学的根拠に基づく薬物療法と精神療法を基本とし、必要に応じて認知行動療法、修正型通電療法などを導入しています。
当院の入院治療では基本的に的確な診断と治療導入に重点を置き、長期治療が必要な方は関連病院と緊密な連携を図って行っています。
患者さんへ
当科病棟は全開放病棟です。開放病棟であることから、不穏の強い方や自傷の激しい方などの場合は受け入れが困難です。またアルコール依存症をはじめとした、専門の治療プログラムを必要とする疾患の受け入れも困難です。
外来診療については、申込は『精神科・児童精神科外来専用 紹介患者診療予約申込書』と診療情報提供書を地域連携室へFAXしていただくようお願いいたします。予約日時の調整は当院から紹介元の医療機関にご連絡させていただきます。
なお、当科では、初診・再診ともに完全予約制となっております。
主な対応疾患
統合失調症の治療には、抗精神病薬をはじめとした薬物療法や心理社会的アプローチ(疾患心理教育、精神科リハビリテーションなど)が組み合わせて使用されます。症状の軽減、機能の向上、再発の予防を目指します。当科では重症例に対して修正型通電療法を施行しています。また難治性統合失調症に対しては適応を見極めながらクロザピン治療の導入を行うことがあります。
抑うつ障害の治療には、抗うつ薬による薬物療法や心理療法(支持的精神療法や認知行動療法など)が一般的に用いられます。双極性障害の治療には、気分安定薬を中心とした薬物療法や心理療法が適応となります。躁病期とうつ病期を管理し、安定させることが目標で、個別の症状に応じて適切な組み合わせが選ばれます。
問診や脳器質的変化を評価する画像検査を通じて認知症の鑑別診断を行っています。認知症の治療においては、日常生活の質の向上を重視して、薬物療法(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬)と非薬物療法(認知症サポート、リハビリテーション、環境調整)を組み合わせています。
不安症の治療には、認知行動療法(CBT)や薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬)が用いられ、症状の軽減や日常生活の質の改善を目指します。治療は個別の症状や状態に応じて調整されます。
摂食障害の治療は、身体面での安定と心理的回復を目指す総合的なアプローチが必要となります。栄養療法、認知行動療法(CBT)、精神療法、家族療法等を組み合わせて、栄養摂取の改善、体重の回復、食行動関連の問題の探求をおこなって、自尊心や自己イメージの向上を促します。
対応疾患・診療内容の詳細
主な検査・設備機器
術式名称:修正型通電療法(m-ECT)
所要時間:入院・30分×6~12回
説明:通電し脳を電気的に刺激することによって脳内に発作を誘発し、切迫した精神的なあるいは感情的な障害を改善する治療法です。薬物療法・精神療法で十分な改善が得られなかった方、あるいは重症な方、ご本人の苦痛が強く早期の改善が必要な方などに適応となります。麻酔科医の協力のもと全身麻酔によって眠っている間に行いますので、患者さんの負担は軽く、安全性の高い治療です。
心理検査は、心理学的特性や状態を測定するツールで、質問紙、課題、インタビューなどを使用し、感情、認知、行動、性格などを評価します。臨床診断の補助、知的能力評価、職業適性評価などに利用され、洞察を提供しますが、専門家による適切な解釈が必要です。
頭部MRI(磁気共鳴画像)は、脳の詳細な内部構造を非侵襲的に可視化する医療検査方法です。磁場とラジオ波を使用し、脳組織の断層画像を生成し、認知症などの疾患や脳損傷の診断に役立ちます。
脳血流SPECTは、脳の血流パターンを評価する医療検査で、放射線とトレーサーを用いて脳血流の異常や血流不足を検出し、認知症をはじめとした脳疾患の診断に用いられます。
脳波検査は、頭皮上の電極を使用して脳の電気活動を記録する医療検査です。特定の波形パターンを解析し、脳の電気活動の異常やてんかんをはじめとした神経障害の診断や研究に使用されます。
MIBG心筋シンチグラフィーは、心臓の神経組織の機能を評価する核医学検査です。放射性物質MIBGを使用し、交感神経活動を観察して、心臓病や自律神経障害の診断に役立ちます。
DATスキャンは、脳内のドーパミン輸送体を可視化する核医学検査です。主にパーキンソン病やレビー小体型認知症の診断に使用され、脳におけるドーパミンの取り込み異常を検出します。
関連情報
施設認定
- 横浜市認知症疾患医療センター
- 日本精神神経学会精神科専門医制度研修施設
- 日本老年精神医学会専門医制度認定施設
- 日本認知症学会教育施設
診療実績
外来患者数(1日平均) | 56.2 |
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初診患者数(1日平均) | 4.8 |
新入院患者数 | 227 |
外来患者数(1日平均) | 50.2 |
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初診患者数(1日平均) | 3.8 |
新入院患者数 | 181 |
外来患者数(1日平均) | 39.2 |
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初診患者数(1日平均) | 4.1 |
新入院患者数 | 171 |
外来患者数(1日平均) | 41.5 |
---|---|
初診患者数(1日平均) | 4.1 |
新入院患者数 | 171 |
外来患者数(1日平均) | 41.6 |
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初診患者数(1日平均) | 4.0 |
新入院患者数 | 205 |
復職支援デイケアの詳細
復職支援デイケアについて
横浜市立大学附属病院精神科では、うつ病で仕事を休職され、近い将来に復職を予定されている方を対象に、専門スタッフが復職準備のお手伝いをするデイケアを開催しています。以前までは週3日で実施しておりましたが、関係者様方からのご要望を受け、より一層の支援のために、週3日から始め最終的に週5日に増やしていく内容に変更いたしました。
*他の医療機関へ通院中の場合であっても主治医を変更することなくデイケアのみの参加が可能です。
*今後も皆様の希望に添えるように可能な限りプログラムも変更したいと思います。
復職支援デイケアの目標
- 病気と再発防止についての正しい知識を学ぶ
- 生活リズムの確立と、就労にむけての基礎体力・能力の回復を行う
- これまでの振り返りから、自己理解を深める
- ストレス対処法を身につける
- 病気になる前とは違ったものの見方、考え方、行動のしかたを学ぶ
- 円滑な対人交流とバランスの良いコミュニケーションを学ぶ
対象となる方
- うつ病で休職/休業中の方
※離職されている方は応相談 - 主治医、および当科デイケア担当医により、うつ病エピソードの診断を受けられた方
- 服薬を規則正しくされている方
- すでに生活リズムが確立されている方
- デイケア終了後、6か月以内に復職を予定されている方
- 3ヶ月間のプログラムに最後まで参加可能な方
- 自ら主体的にプログラムに取り組むことができる方
日時・場所
日時:
1,2か月目は月水金曜日の午前9時から12時
3か月目は月曜日~金曜日の午前9時から12時
場所:
デイケアルーム(病院3階、精神科待合の奥)
期間
3ヶ月間のプログラムで、1月・4月・7月・10月が開始月です(原則、途中からの参加はできませんが、詳細はお問い合わせください)。
担当スタッフ
医師・公認心理師(実習生や研修医が参加する場合があります)
用意するもの
筆記用具
プログラムの内容
1,2か月目
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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診察 | セルフモニタリング | アクションプラン | ||
オフィスワークトレーニング | ソーシャルスキルトレーニング | |||
ディスカッション | 集団認知行動療法 | |||
調整的音楽療法 | 調整的音楽療法 |
3か月目
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
---|---|---|---|---|
診察 | リラクゼーション | 集団認知行動療法 | アクションプラン | ソーシャルスキルトレーニング |
オフィスワークトレーニング | ||||
ディスカッション | 調整的音楽療法 | オフィスワークトレーニング | ||
調整的音楽療法 |
オフィスワーク・トレーニング
オフィスワーク・トレーニングでは、各自用意した課題に取り組みます。その中で、集中力の確認および集中力UPを図り、就労に耐えうる気力・体力の回復を目指します。また、うつ病などのテーマでディスカッションも行います。
集団認知行動療法
考え方や行動が気分や感情にどのように影響を与えているのかを確認し回復のために調整する方法を学びます。
リラクゼーション
ヨガや筋弛緩法、呼吸法などを行って、心と身体のリラクゼーションをはかります。
SST
コミュニケーションを練習するプログラムを行い、頼みごとをする・断るなど気持ち良い関係づくりとバランスの良い自己主張を目指します。
アクションプラン
生活を立て直すための目標を決め、実践していくプログラムです。
調整的音楽療法
音楽を聴きながら行うマインドフルネスの技法です。音や身体の状態をありのままにとらえる練習を重ねることで、日常の様々な環境の中で心身を良い状態にととのえることができるようになっていきます。
定員
少人数の定員で行っておりますので、定員を超えてしまう場合は希望されてもすぐには参加できないことがあります。
費用
各種健康保険がご利用いただけます。また、「自立支援医療制度」をご利用になる場合は医師にご相談ください。医療費の自己負担を軽減することができます。
参加の方法
📞045-787-2816(復職支援デイケア直通)
復職支援デイケアを開催するにあたって
当院デイケアでは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため朝の検温、手洗い、マスク着用、デイケアルームの消毒等を行いながら実施いたします。
横浜市立大学附属病院精神科 復職支援デイケア
お問い合わせ
📞 045-787-2816(復職支援デイケア直通)
📞 045-787-2800(代表)