Tel.045-787-2800(代表) お問い合わせ

診療科・部門案内

脳神経内科

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー・慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)・多巣性運動ニューロパチー (MMN)

疾患情報

ニューロパチー(末梢神経障害)とは、主に手足などの中を通る末梢神経が障害される疾患群です。CIDPは、何らかの免疫反応が末梢神経に対して生じることによって発症する原因不明の「免疫性ニューロパチー」のひとつです。CIDPは四肢の筋力低下、感覚障害で発症し、2ヶ月以上にわたり進行性あるいは再発性の経過をとります。左右対称性に、四肢の近位と遠位の両方が障害されるのが典型的ですが、そのほかに左右非対称のもの、四肢の遠位の障害が目立つものなどいくつかの亜型が存在します。MMNという、左右非対称性の純粋運動ニューロパチー(感覚障害はありません)も近い疾患です。いずれも、「脱髄」という、末梢神経の周りを覆っている髄鞘という組織の選択的な障害が主な病態です。

診断

診断は、末梢障害の臨床症状を神経学的検査(診察)により評価し、電気生理学的検査(筋電図)で脱髄を証明することまたその他の疾患を除外診断することでなされます。その他の補助検査として、血液検査、脳脊髄液検査、画像検査(MRI、超音波検査など)を用いる場合があります。

治療

CIDPの治療には、ステロイド、免疫グロブリン、血漿浄化療法などを用います。MMNの治療では免疫グロブリンを用いるのが一般的です。これらの治療により改善が見られない場合は、まずは診断を見直すべきとされています。
また、CIDP・MMNはともに一旦症状が軽快しても、再発予防のための維持療法が必要になることが多いです。