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郡聡実さん、日本蛋白質科学会年会にてポスター賞受賞!

郡聡実さん、第18回日本蛋白質科学会年会にてポスター賞受賞!

生命医科学研究科博士前期課程2年の郡聡実(こおり さとみ)さんが、2018年6月26日(火)から28日(木)に新潟県新潟市の朱鷺メッセにて開催された第18回日本蛋白質科学会年会にて「複製因子DNA Ligase 1の認識に基づくUHRF1の構造変化の解析」のテーマで研究成果を発表し、ポスター賞を受賞しました。
 
郡さんに受賞の感想や研究内容、受験生の皆さんへのメッセージをインタビューしました。
 
※日本蛋白質科学会
広く蛋白質に関する科学の研究を推進し、わが国における学術の発展に寄与することを目的とした学会で、生命科学分野の研究者が最新の研究成果を発表し、意見・情報の交換を行う学術集会である年会を開催している。
郡さん ポスター発表会場にて(新潟県 朱鷺メッセ)

-今回の学会では、どのような内容を発表されたのでしょうか?

今回、私は「複製因子DNA Ligase 1の認識に基づくUHRF1の構造変化の解析」というタイトルでフラッシュトーク及びポスター発表を行いました。タンパク質同士の相互作用は、そのタンパク質の構造を変化させ、それに伴い機能も変化させると考えられています。今回は、DNAメチル化の維持に必須の因子であるUHRF1タンパク質に、DNA複製に関与するDNA Ligase 1が結合したとき、UHRF1がどのような構造変化を起こすかという研究成果を報告しました。本研究では、X線結晶構造解析やX線溶液散乱、高速原子間力顕微鏡といった様々な構造生物学的な手法を用いて解析を行い、コンパクトな構造をとるUHRF1の高次構造がDNA Ligase 1の結合によって開いた構造に変化することを明らかにしました。一般的にタンパク質の構造解析は一つの手法を用いて行われますが、多様な手法を用いて相関的に解析を行ったことが評価され、今回の受賞に繋がったと思います。

-郡さんの研究の中心である「タンパク質」についてわかりやすく教えてください。

DNAは「生命の設計図」とよく言われていますが、生体内で実際に働いているのはその設計図を元に作られる部品の“タンパク質”です。タンパク質は、それぞれが特有の立体構造を形成することで、化学反応の触媒や細胞の形態の維持などの固有の機能を発揮し、生体内で起こるほぼすべての生命現象を制御しています。タンパク質が正常に働かなくなると、疾患の原因にもなります。私が所属している生命医科学研究科構造生物学研究室では、こうしたタンパク質の機能を“かたち”から理解することを目標に研究を行っています。
郡さん 表彰式会場にて(新潟県 朱鷺メッセ)

-今回受賞された感想と、今後の研究活動等の抱負や目標について教えてください。

ポスター発表では、研究成果を専門分野外の方にも理解いただけるようシンプルな言葉を選び、分かりやすい説明を心がけました。学会での受賞は今回が初めてだったのですが、これまでの研究成果が評価されたことを素直に嬉しく思います。表彰式では多くの研究者の方々から祝福の声をかけて頂き、大変光栄でした。今回の受賞は大きな自信となり、より一層研究活動に勤しんでいきたいという研究のモチベーションにも繋がりました。これもひとえに、指導教員の有田恭平准教授による熱心なご指導の賜物であり、感謝の念に堪えません。今後も日々精進して研究に励み、構造生物学という観点から未知の生命現象の解明に貢献していきたいです。
鶴見キャンパス

-YCUを目指す、後輩や受験生・高校生に向けてメッセージをお願いします。

YCU生命医科学研究科 (学部では生命医科学コース) の研究活動の拠点は、鶴見キャンパスです。学部3年次後期に研究室に配属されてから通うようになりましたが、鶴見キャンパスはアットホームな雰囲気が大きな魅力です。というのも、所属研究室の先生方だけでなく他の研究室の先生方や事務スタッフにも声をかけて頂くことが多いので、学生にとって居心地がよく過ごしやすい場所です。また、NMRやスーパーコンピューターなど最新の研究機器も備わっており、研究環境としては非常に恵まれていると感じています。後輩学生、受験生の皆さんにも鶴見キャンパスに来て私たちと一緒に研究を楽しみ、その魅力をぜひ肌で感じてほしいです。

-有田先生からのコメント

おめでとう!

郡聡実さんは学部3年生の後期から私の研究室に所属しました。日本蛋白質科学会のポスター賞には博士後期課程の学生もエントリーしており、主にフラッシュトークの内容、ポスター発表の内容とプレゼンテーションで評価されました。博士前期課程の身ながら今回素晴らしい賞を獲得できたのは、郡さんの実験の質と量がずば抜けていたこと、日々の研究活動を通して同輩や後輩にわかりやすく伝える訓練をしていたからだと思います。

今回の研究成果以外にもこれまでに様々な研究に携わり、ある時は哺乳類細胞を扱った実験を行い、ある時は新しい実験系を立ち上げ、その貢献度は多岐にわたります。常に貪欲な姿勢で研究に臨んでおり、メインとなるX線結晶構造解析法に加えて、X線溶液散乱法や高速AFMなど数多くの構造生物学的な手法を身につけ、研究成果を挙げてきました。
 
タンパク質の形を見てその生命現象を理解する構造生物学は、基礎研究のみならず、創薬などの応用研究においても重要な位置を占めます。今回の賞を励みにして、より高みを目指し、構造生物学の新しい時代を牽引する研究者になることを心より期待しています。
(2018/7/12)

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