【レポート】YCU Hour Vol.2 開催報告

2025.05.01

2025年4月9日(水)、TECH HUB YOKOHAMAにて「YCU Hour Vol.2」が開催されました。本イベントは、横浜市立大学共創イノベーションセンター、ヨコハマSDGsデザインセンター、そして横浜未来機構の三者が連携して推進する「横浜未来実装プロジェクト」において、これまで複数回のワークショップにて議論されてきた「Well-beingシティ」「サーキュラー&リジェネラティブシティ」「アグリ&フードガーデンシティ」の3つのテーマについて、3名のパネラーを迎えた対話が行われました。対面34名、オンライン30名の計64名が参加し、分野や立場を超えた実践者同士の交流と学びの機会として、大きな関心と活気に包まれた1時間となりました。 

開催概要


日時: 2025年4月9日(水)17:00〜18:00
場所: TECH HUB YOKOHAMA
主催: 横浜市立大学 共創イノベーションセンター


プログラム


17:00〜17:10 YCU Hourおよび横浜未来実装プロジェクトの紹介
17:10〜17:25 パネラーによる取組紹介
17:25〜17:55 パネルセッション:「横浜未来実装プロジェクトを通じた新しい横浜の価値づくり」
17:55〜18:00 クロージング

パネラー講演の紹介

吉井 拓史 氏(株式会社モリジェネ/日揮ホールディングス株式会社)

Enhancing planetary healthを実現する取り組みとして、都市の緑化とバイオソリューションによる循環型社会の実現に取り組む事例を紹介。技術導入のみならず、地域との協働によるエコシステム形成についても意欲的に語られた。その他、作業現場の安全文化を作るユニークな取組についても紹介された。
居戸 浩和 氏(横浜農業協同組合 経営企画本部DX戦略室)

JA横浜の取り組みとして、スマート農業の導入や地産地消プラットフォームの開発、農福連携の取組を紹介。都市近郊農業を通じた地域コミュニティの活性化をめざし、「食」から始まるウェルビーイングの実現に向けたビジョンが展開された。

石井 美緒 氏(横浜市立大学 医学部 精神医学教室)

精神科医の立場から、若年層のメンタルヘルス課題に言及。横浜市立大学が実施するCOI-NEXTプロジェクトにおけるメタバースを用いたメンタルヘルスケアの取り組みが紹介され、心理的ウェルビーイングの観点から産学官民連携でのソリューション開発に向けた展望について語られた。

パネルセッション概要

「横浜未来実装プロジェクトを通じた新しい横浜の価値づくり」と題し、次の2つの問いを軸にディスカッションが展開されました。

問い①: 横浜というフィールドでの共創活動のポテンシャルと課題
問い②: 横浜未来実装プロジェクトの3テーマ(Well-beingシティ/サーキュラー&リジェネラティブシティ/アグリ&フードガーデンシティ)実現に向けた期待と可能性

各パネラーが実体験に基づく意見を述べ、モデレーターとの活発な意見交換が行われました。特に「異なる分野間の言語の壁を越えた共創の仕組みづくり」や「地域アセットを活かした継続的なプロジェクト運営の必要性」などが議論されました。

最後に、モデレーターを務めた留目 真伸・共創イノベーションセンター センター長より、「横浜未来実装プロジェクト」を核とした、これからの横浜発の価値創造への大きな期待が語られました。多様なステークホルダーが横浜というフィールドで共に未来を形づくる意義が改めて強調され、「産官学民の垣根を越えた連携を一層深めながら、新たな価値を共創していきたい」との呼びかけのもと、イベントは盛況のうちに幕を閉じました。
当日の会場の様子