【活動報告】村田製作所 第1回ウェルネスデーで講演しました

2025.10.07

2025年5月29日に村田製作所様の主催する第1回ウェルネスデーにおいて、横浜市立大学共創イノベーションセンターの小林雄祐 副センター長、井上祥 特任准教授が「現代医療の課題~テクノロジーに期待すること~」と題して講演しました。
 

開催概要

開催日時: 2025年5月29日
主催: 村田製作所
登壇者:
井上祥 特任准教授(当センター/株式会社GENOVA取締役執行役員)
小林雄祐 副センター長・講師(当センター)

講演内容

第一部:「今こそ医療現場への大きな一歩を」 小林雄祐 副センター長

腎臓内科医の経験を活かし、医療現場の実態について報告しました。医療機関で過ごす時間の短さや健康無関心層の存在など、見えにくい課題を可視化し、企業と医療現場の連携促進の重要性を強調しました。
主なポイント:
・医療現場の構造的課題の可視化
・健康無関心層へのアプローチ手法
・産学連携による効果的なマッチング機会の創出

第二部:「医療における様々な課題を考える」 井上祥 特任准教授

3,000人を超える医療関係者への取材実績を基に、現代医療が直面する包括的な課題について講演いただきました。
主要テーマ:
・医療現場の構造的危機: 経営難、人材不足、2040年の医療・福祉人材100万人不足予測
・テクノロジーの可能性と課題: 新技術導入の期待と現実のギャップ
・女性医療の推進: 栄養不足、メンタルヘルス、婦人科受診の障壁
・医薬品アクセス: ドラッグラグ・ドラッグロス問題
・次世代医療技術:デジタルバイオマーカー - スマートフォンやウェアラブルデバイスから得られるデータによる健康指標の客観化
・リビングエビデンス - 継続的なデータ更新による最新医学知見の反映
・医療教育・研究力: 日本発エビデンス創出力の向上、若手医師教育

パネルディスカッション

健康無関心層へのアプローチ、2040年の人材不足対策、メンタルヘルス課題(自殺者数21,837人/2023年)、社会的決定要因による健康格差などについて活発な議論が行われました。 

産学連携の新たな知見

1.  現場起点の技術開発 医療従事者の実際のニーズに基づく「そっと気づかせる」技術開発の重要性が明確になりました。
2. エビデンスベースドイノベーション 科学的根拠に裏打ちされた技術開発と、医療現場での実証・改善サイクルの必要性が確認されました。
3. 多職種協働の促進 医師、看護師、技術者、研究者の垣根を越えた連携による新たな価値創出の可能性が示されました。

今後の取り組み

 共創イノベーションセンターでは、本講演会での議論を踏まえ、以下の分野での産学連携を推進します:

・ウェアラブルヘルスケア技術の医療応用研究
・デジタルバイオマーカー実用化に向けた臨床研究
・医療DXを支える基盤技術開発
・ヘルスリテラシー向上のための技術開発

お問い合わせ

横浜市立大学 共創イノベーションセンター
〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9オープンイノベーションラボ(本棟)2F
TEL: 045-370-7399/ E-mail: ycu_kyousou@yokohama-cu.ac.jp
担当:小林雄祐(副センター長)

産学連携に関するご相談は、上記連絡先までお気軽にお問い合わせください。