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診療科・部門案内

児童精神科

当科のご紹介

本来持っているお子さんの強みに着目しながら、お子さんとご家族と同じ歩調で回復に寄り添います。

当科は18歳以下の児童青年期を対象とした精神科です。子どものメンタルヘルスにかかわる諸問題に対処するために、特定の疾患を対象にしてはいません。不登校や家庭内暴力・非行、親や教員への反抗、イライラ、自傷行為、集団不適応、頭痛・腹痛などの心の問題が反映された身体症状、学力不振、やせ・拒食、心的外傷体験による症状、発達の偏りなど相談内容は多岐におよびます。
当初は診療に抵抗のある子もいますので、家族のみの医療相談にも応じています。特に本人の受診に至らない場合でも、ご家族の相談で、子どもの生活圏を包括的支援することによって軽快することも多いのです(注:この場合は保険診療とはなりません)。
教育・福祉制度利用のために必要な医学的評価を求めての受診も多く、心理検査、脳波検査、MRI検査などの希望を含めた紹介受診も適宜受け付けています。治療では、精神療法などの面接を中心としたカウンセリングや認知行動療法、家族支援、薬物療法を行っています。臨床心理士とも連携をはかり同時の診療も可能です。治療に関しては、お子さんとご家族のニーズを聞き取ったうえで、じっくり話し合いながら決定していきます。

患者さんへ

当診療科は、初診は紹介状が必要です。

初診の予約は原則医療機関から地域連携室への申込です。なお、病状軽快などの理由で予約をキャンセルされる場合はお手数ですが早めにご連絡をお願いします。初診までの待機期間が長いことから、初診日の約2~4週間前に、外来担当者より受診確認のお電話をさせていただいております。ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

主な対応疾患

知能検査を実施して得意なこと、苦手なことを明らかにしたうえで、学校や周辺の援助機関への助言、福祉的サービスが受けられるよう診断書を発行することがあります。また、生活上起こってくるイライラ感や気持ちの落ち込みなどがあれば、それに対するお薬や心理療法などの治療も提供します。

回復のためには心理治療、家族の協力、地域と連携した安心できる居場所作り、対人関係の力や生活の力を養うリハビリが不可欠です。病院では幻覚や病状から生じる不安を和らげる薬も処方されます。治療を継続して再発しないよう回復の過程を積み上げていく事が何よりも大事です。

ストレスの無い規則正しい生活と十分な睡眠と食事をとり、信頼できる家族や医師や心理士に悩みをうちあけて、楽な考え方を探っていきましょう。場合によっては補助的にお薬を用いる時もあります。症状が重い場合、入院して十分な休養をとるように医師がすすめるときもあります。

大きく気持ちが高揚したり、落ち込んだりするパターンがある場合、それを本人と家族が確認して先々で不調をきたさぬよう、医師と話し合いながら生活設計をすることが大事です。また、先々の好不調の波を予防する目的で医師がお薬の内服をすすめる場合もあります。

不安を克服する方法を一緒に考える方法や、不安をやわらげるお薬を内服する方法があります。また、筋弛緩法などのリラグゼーションを覚えておくと役に立つでしょう。医師や心理士と話し合った対処法を使って、今まで苦手としていた場面を計画的に乗り越えることができれば自信がつき段々と回復の道がひらけていきます。

目標の体重と食事量を設定して、不安を乗り越えながら健康な食生活に戻す作業を外来で行います。しかし、命にかかわるほどの極端なやせの状態が続く場合は入院治療をおすすめすることがあります。

過食や嘔吐は生活上のストレスが引き金となります。医師や心理士と一緒に過食や嘔吐以外のストレスの対処法を話し合ったり、日々のストレスからくる不安や緊張にお薬を使ったりして緩和する方法もあります。

お子さんの不眠は、生活習慣に起因する不眠とうつ病などの精神症状による不眠が主です。精神症状の治療とともに、生活習慣の改善をすすめる必要があります。夜驚症や夢中遊行症の相談の場合、医師と相談しながら安眠できる環境を工夫したり、睡眠を改善するお薬を少量用いたりする場合もあります。

対応疾患・診療内容の詳細

主な検査・設備機器

知能検査を実施して得意なこと、苦手なことを明らかにしたうえで、学校や周辺の援助機関への助言、結果をもとにして福祉的サービスが受けられるよう診断書を発行することがあります。

性格検査を実施してストレスへの反応の仕方の特性、心理的葛藤の内容を推定するものです。心理療法を実施する場合などに参考とします。

一部のお子さんでは、夜間の行動異常の背景に脳波異常がみられる場合があるので、必要に応じて検査を行います。

施設認定

診療実績

<外来受診患者数>
18歳未満総新患患者数251名

<外来受診患者診断別内訳>
<男子116名>
症状器質性精神障害0%、物質使用障害1%、精神病性障害1%、気分障害11%、神経症性障害36%、摂食障害3%、衝動制御の障害(チック症・抜毛症)6%、神経発達障害(自閉症・精神遅滞・学習障害)44%、ADHD11%、行動及び情緒の障害(除ADHD・チック)6%、家族のみ相談9%
上記116名のうち被虐待を認めるもの15%、不登校を認めるもの47%

<女子135名>
症状器質性精神障害0%、物質使用障害0%、精神病性障害4%、気分障害17%、神経症性障害35%、摂食障害24%、衝動制御の障害(チック症・抜毛症)4%、神経発達障害(自閉症・精神遅滞・学習障害)19%、ADHD5%、行動及び情緒の障害(除ADHD・チック)6%、家族のみ相談7%
上記135名のうち被虐待を認めるもの21%、不登校を認めるもの44%

<外来受診患者数>
18歳未満総新患患者数298名

<外来受診患者診断別内訳>
<男子126名>
症状器質性精神障害0.1%、物質使用障害0%、精神病性障害0.2%、気分障害1%、神経症性障害40%、摂食障害3%、衝動制御の障害(チック症)4%、神経発達障害(自閉症・精神遅滞・学習障害)46%、ADHD17%、行動及び情緒の障害(除ADHD・チック)9%、家族のみ相談10%
上記126名のうち被虐待を認めるもの6%、不登校を認めるもの37%

<女子169名>
症状器質性精神障害0%、物質使用障害0%、精神病性障害4%、気分障害24%、神経症性障害40%、摂食障害19%、衝動制御の障害(チック症・抜毛症)4%、神経発達障害(自閉症・精神遅滞・学習障害)20%、ADHD6%、行動及び情緒の障害(除ADHD・チック)5%、家族のみ相談5%
上記169名のうち被虐待を認めるもの21%、不登校を認めるもの32%

<外来患者数>
総新患患者数342名

<外来新患患者診断別内訳(重複あり)>
<男子143名>
家族相談7%、器質症状性精神障害1%、精神病性障害0%、気分障害10%、神経症性障害46%、摂食障害2%、習癖と行動の障害(抜毛症・間欠爆発症)4%、精神遅滞3%、自閉症スペクトラム障害46%、学習障害2%、注意欠如多動症14%、素行症1%、その他3%

<女子199名>
家族相談3%、症状器質性精神障害1%、精神病性障害2%、気分障害23%、神経症性障害44%、摂食障害21%、習癖と行動の障害(抜毛症・間欠爆発症)4%、精神遅滞3%、自閉症スペクトラム障害15%、学習障害1%、注意欠如多動症10%、素行障害2%、その他1%

<当科外来からの転入院依頼患者数>
転入院依頼患者数12名

<外来患者数>
総来院患者数4014名(含新患患者、のべ数)
総新患患者数280名

<外来新患患者診断別内訳(重複あり)>
<男子128名>
家族相談10%、器質症状性精神障害1%、精神病性障害2%、気分障害7%、神経症性障害41%、摂食障害4%、習癖と行動の障害(抜毛症・間欠爆発症)2%、精神遅滞5%、自閉症スペクトラム障害23%、学習障害5%、注意欠如多動症13%、素行障害3%、その他3%

<女子152名>
家族相談11%、症状器質性精神障害0%、精神病性障害3%、気分障害14%、神経症性障害35%、摂食障害16%、習癖と行動の障害(抜毛症・間欠爆発症)4%、精神遅滞3%、自閉症スペクトラム障害14%、学習障害3%、注意欠如多動症4%、素行障害1%、その他1%

<当科外来からの転入院依頼患者数>
転入院依頼患者数10名