1 A氏の入院経過
A氏(74歳,男性)は,平成10年7月,地域の医療機関を受診し,検査を受けたが,その際,心臓疾患を疑われ,手術の適応を含め,精密検査の目的で,附属病院に紹介された。9月17日(木),附属病院第1外科を受診し,10月19日(月)には,入院して検査を受けた。
その後,平成11年1月7日(木),附属病院第1外科へ入院,11日(月),心臓手術を予定していたが,B氏と取り違えられ,予定されていなかった肺の嚢胞切除が行われた。その後,A氏はICUに入室したが,ICUの医師が心臓手術を受けた患者(B氏)がA氏でないことに気が付き,患者の取り違えが確認された。
2 B氏の入院経過
B氏(84歳,男性)は,平成10年10月,地域の医療機関において健康診断を受け,肺に異常陰影があることがわかり,附属病院に紹介された。
10月22日(木),精密検査の目的で附属病院第1内科を受診し,肺腫瘍が疑われたため,11月24日(火),手術目的で第1外科を受診し,検査を受けた。
12月28日(月),附属病院第1外科へ入院,平成11年1月11日(月),肺手術を予定していたが,A氏と取り違えられ,予定されていなかった心臓の僧帽弁形成術が行われた。
その後,B氏はICUに入室したが,B氏の体重が,本来心臓手術を受けるはずだった患者(A氏)の手術後の予想体重と異なっていたことが契機となり,A氏でない ことが確認された。
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